試験前の対策時期になると、どのように試験に向けて準備したらいいかわからないという生徒が現れます。
中1でテストにまだ慣れていない生徒はもちろんですが、高校生でも準備する分量が増えてしまって、どうしたらいいかわからないという悩み相談を受けることがあります。
暗記事項をがむしゃらに覚えていったり、解答法を知ったらあとは練習を繰り返せば、試験というものはだいたい乗り越えられると思っている人がわりといます。
この考えも一面では正しいのですが、問題は量にあります。学習内容の実質的な量は学年が上がるにつれ増えていきます。これに対応していく必要があるのです。
試験で失敗する例として、準備不足というのがおそらく一番多いと思われますが、準備不足の中でも、計画不十分で必要な量がこなせなかったというのが圧倒的に多いと思われます。
たとえば、意気込んで地理のテスト範囲について順に毎日丁寧に暗記するためのまとめノートを作っていこうとする生徒がいます。日々美しいまとめノートが作成されていきますが、他の科目もあり課題もある中、テスト週間にスタートしてもそれがテスト前に完成することはほぼありません。当然、まとめノートを読み直す時間もありません。
重要な点を全範囲最初からやっていく方法に比べ、このように順に端から丁寧にやっていくやり方は、間に合わなかったときの損失が大きくなります。やれなかった単元が丸々準備できていないわけですから…。
もちろん、前日に大急ぎで未了のところを押さえることは可能です。しかし人間の心理は厄介で、自分がしっかりやっていないという穴があると、出題された際に必ずこれはその部分ではないかという不安が生じて、間違えなくて済む準備していた部分の正答率にまで影響が出てしまうことがあるのです。
また、延々とできるところを繰り返しやってしまう生徒もいます。これは多くの学校でやっている、全範囲の復習となる副教材を課題としてすべてやって出さなくてはいけないという、学校の課題の出し方にも問題があるのですが、完全に無駄です。
対策では「まず、できない所から対策をする」「早めに一回通って繰り返す」という点が重要です。
簡単のようで、これがきちんとできる生徒はあまりいません。
一つには課題に追われてしまって、自分なりのテスト対策にたどり着けないということもあります。学校は親心で課題で自動的にテスト対策ができるようにしているのでしょうが、学校がこのように世話を焼きすぎているので、かえって生徒がいつまでも自分の学習法を見直せなくなっている気がします。
そして、学習法というものは、それが大きな威力をもつことに気づかないと、なかなか意識してマスターしていけないという特徴があります。それで同じ失敗を延々と繰り返してしまうのです。
だからまず、勉強のやり方次第で結果が大きく違ってくるのだということをきちんと知ってもらう、それがスタートラインだと思っています。