聞くだけで楽しくなる「ええじゃないか」事件

ええじゃないか

「天からお札が降ってくるぞ。これは良い事の前触れに違いない」という話が 明治維新直前の幕末動乱期に広まった。仮装した庶民たちは口々に「ええじゃないか」という言葉を歌い、地域を越え大規模な範囲で仕事もストップして熱烈に踊った。この騒動を「ええじゃないか」と呼ぶ。発祥の地や目的などについては諸説あるが、数か月間にわたり続き、近畿、四国から中部地方までの広い地域で続いたと言われる。

 

ええじゃないかの発祥の地 豊橋

豊橋の牟呂八幡宮に参拝してきました。

 牟呂八幡宮は、「ええじゃないか」発祥の地とされている神社です。今日は天気も良く境内はとても静かで落ち着いた雰囲気でした。

別の地が発祥とする説もありますが、この場所から騒動が始まり、人々が踊りながらだんだん各地へ広がっていったのだということは、とても想像できませんでした。

「ええじゃないか」については、まだはっきり分からない点があるようです。そもそも目的があったのか、あったとしてその目的は何であったのかさえはっきり分かっていません。

 囃子の言葉と一緒に政治のことなども歌われたらしいので、民衆の不満が爆発した騒動ではないかとも言われていますが、幕末であったことから、討幕派が幕府を倒す策の一つとして世を混乱させるために計略をしたという可能性もあるといわれています。

 おそらく世の混乱を狙った討幕の勢力の誰かが仕掛けて、当時民衆は非常に不安を感じていたはずなので、これに敏感に反応したために予想以上の大騒動になってしまったというところではないでしょうか。

 また幕府の力も弱っており、そのためこのような騒動を止められなかったということもあります。

 

楽しむことが上手だった江戸時代までの日本人

何か月も暴動ではなくて民衆が踊り騒いで止められないなどという騒動は、おそらく諸外国にもないのではないかと思います。古来からの日本人らしくて面白いなどというと不謹慎でしょうか。

 もともと、日本人は厳しい生活の中でも暮らしを楽しむ術を知っていて、時にお祭りなどで上手にエネルギーを発散して自然の中で賢明に暮らしてきた民族なのだと思います。明治以降の日本人がむしろ例外なのかもしれません。

 暴れるのではなく、「御札が降るぞ」といって踊ったという点が、とても面白いですね。家に土足で踏み込まれたというような話もあったようですが、酒や肴がみんなに配られたり、お祭りで使う品を売る商売はこの騒動で儲かったりもしたらしいです。

現代の私たちが映像で見る外国の暴動などとはおよそ異なるもので、むしろ自然発生的なお祭りのようなものだったのでしょう。

 大人も子供もみんなが深夜まで踊りました。そしてこの踊り騒動が何か月も続いたというのですから何と言っていいのでしょうか。

このような話をまとめると、「ええじゃないか」の庶民のエネルギーは、私たちが考えているよりもずいぶん大きなものだったのでしょう。それだけ世の中の不安が大きかったということでしょうが、リアリティをもって想像することがなかなかできませんね。

何しろ誰もが踊ってしまっていて、事情があって踊れない人もお金を出して踊らない許可を申し出たりするほどだったと言うのですから…。

 また庶民だけでなく、庶民を監督する側の武士までも一緒に踊っていたという話もあり、正に全員総踊りで数か月という感じだったようです。凄すぎます。

 以前「こち亀」で現代版のええじゃないかが起こったらどうなるかというストーリーがありましたが、皆がある日仕事も学校も投げ出して、昼も夜も踊りまくって誰も止められないなんてこと、到底考えられませんね。

だけどもし本当に起こったら、なかなか痛快ではあります。

その時は、塾を臨時休業にして私も参加するかもしれません。

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