ミスはゼロにはできない
勉強をやっていると意識していないうちにたくさんのミスをします。
理解不足によるミスはもちろんのことうっかりして取り違えミスをしたり、書き間違い、記入漏れ、解答用紙の取り違えなど…、ミスの種類も数えきれないほどあります。
「あのミスがなかったら、よほど良い点数が取れたのに…」
そう後悔したことは誰にでもあるのではないでしょうか。
しかし、ミスをゼロにすることはできません。減らすことはできますが、ミスをゼロにすることは残念ながら無理だと思います。
仕事でもそうですが、ミスは出るものと想定して危機管理をするということが重要です。ミスが出ることなど許されないというような硬直した考え方をするのは建設的ではありません。
勉強でいえば、1つ2つのミスが出ても合格点になるように準備しておくというのが正しい方向性ではないかと思います。
防げるミスとそうでないミス
理解に直接関連するミスは、もちろん学習不足により生じます。
したがって、こういうミスは準備を重ねることによってある程度防げます。
またケアレスミスでも、形式面のミスは割と防止しやすいです。
たとえば、方程式の解を書くときに必ずx=と書くとか、cm2やcm3のような単位の付け忘れなどは、基本的には忘れないように気をつけることでミスを減らすことができます。
しかし自分の習慣や癖によるミスや、意識を普段していない部分で生ずるミスはなかなかストップをかけられません。
たとえば、字を汚く書いてしまう癖が治らない生徒がよくやるミスとして、自分が書いた文字を誤って読み、そのためその後の問題をすべて間違えてしまうというミスがあります。
笑い話のようですが、このミスは実はかなり多いのです。頻繁に見かけます。
もちろん「字を丁寧に書かないから、こういうミスが出る」と注意をしますが、このミスは読み間違いに問題があるのではなく、字を丁寧に書けないという学習習慣上の問題点が問題になっているため、そちらが修正されない限りなくなることはほぼありません。
こういう学習習慣について改善をしていく方法については前にも書きましたが、本人が意識的になることと、ある程度の時間がどうしても必要になります。
また普段書いている漢字なのに、テスト会場で不意に「どう書くんだったっけ?」と書き方で悩んだという経験はないでしょうか。
これは、改めてアウトプットをすることを意識した途端に、頭に入っているはずのことが上手く出力できなくなってしまうという現象です。
その挙句、不自然な部首の誤った漢字を書いてしまったりします。
結果として、内容はあっているが漢字が違っていて×などとされてしまいます。
ミスに自分で気づくことはできないのか?
ではミスに自分で気づくようにしていくことはできないのでしょうか?
答えはNoです。
ミスを減らすのに効果的な練習法があります。
わざとミスを盛り込んだ解答を準備し、生徒がそれを見て間違いを探し直していくという学習法です。
相手が必要なので塾の先生とやるのが一番良いのですが、内容面での復習にも使えますし、ミス防止のためにも使える効果的な方法です。
教師になって採点をするようになって、いろんな局面でミスが少なくなったという人が結構います。
採点や添削をすると、人がどういうミスをするかがよくわかってくるので、自分も自然と気をつけるようになります。これは、それを利用した学習法です。
保護者とお子さんで一緒にやってもいいかもしれません。
私も指導の際にときどき行いますが、生徒はミスを発見しようとする際に、自分の学習した内容全般を振り返ることにもなるので、形式的なミスを直す練習であっても、この練習で全体の理解度まで上がるように感じます。
今後もお役に立つ学習のコツを書いていきます。