【学習のコツ】勉強時間を増やさずに結果を出すワザとは?

勉強時間が足りないのではなく勉強内容量が足りない

「子どもが勉強しなくて」とか「宿題くらいしかしなくて」とお嘆きの保護者の方は多いです。

 学習時間の絶対量が足りない生徒はたくさんいます。理由はさまざまですが、学校生活が忙しすぎる場合が多いかと思います。

 もちろん学習時間の絶対量が足りない生徒については、学習時間を増やすことは大切です。学習を雑にやっていた生徒も、時間を確保することにより学習の質が向上して効果が出る場合もあると思います。

 しかし逆に勉強時間ばかり気にしてしまって、効果につながっていない場合もあります。

とにかく毎日2時間勉強すると決めてやっているが、一向に成績が伸びてこないというような場合です。

 こういう生徒に話を聞くと、よくあるのが、宿題をやりあとは何をしていいかわからないのでわからない問題を解答も見ないで延々と考えていたり、単語の練習で何ページも同じ単語を書いていたりしています。

あるいは、机に向かっていてその時間は座っているものの、少しやっては休憩し少しやっては学習日誌を書いていたりして、正味の学習時間は1時間を切っているということもあります。 

学習の質が一番重要

 勉強というものはやり方によってかかる時間は大きく変わります。

たとえば、単語をひたすら書いて同じ単語を延々と並べてノートを5ページ埋めようとすれば、相当時間がかかります。しかしその多くの時間は作業です。

同時に複数の単語を覚えていく私たちが指導するやり方でやれば半分の時間で倍は覚えられます。

 またそんな特別なやり方でなくても、①自分が覚えている単語はやらない。②覚えてない単語はまとめて書いて一覧を作っておく。(カードでもいいですが、カードを作る学習はカードを作ることに一生懸命になってカードを使うことなく終わることが多いので、もっと簡易な方法がいいです)③その一覧を隙間時間に見る、あるいはどこかに貼っておく、というようなやり方をすれば、メインの学習時間に組み入れなくても済みます。

 大幅に時間が不要になります。これは漢字や社会や理科の用語など暗記科目には共通で使える学習法です。

このように時間を使わなくて能率よく学習する方法を考えて無駄なものを減らしていくことで、やるべきこと(考える学習)に絞り込みをかけて学習ができるようになります。

 もっとも前にも書きましたが、学校の課題の中に非常に無駄なものが多く含まれているので、これにかける時間が学習の質という点では支障になります。そして結構単純な作業を課題で出す先生が今も多いためなかなか生徒も大変です。

 課題で延々と単語を並べて書いている生徒に、別の合理的な書き方でやって出せばよいとよく提案しますが、先生がやり方までフォーマットを指定していて、それ以外許さないような課題の出し方になっていることがよくあり、生徒は自分流の合理的なやり方で課題をやることさえもできない場合が多いようです。

 しかし、今の内申の評価システムの中では課題の提出が非常に大きな要素になっているため、ここは割り切ってやるしかありません。私の目から見ると時間の無駄としか言えませんが…。

 テストの点数はいつも90点以上でも課題をあまり出さなれば、評定は4、場合によっては3という評価もあると同時に、順位がそんなに良くなくても課題を丁寧に出して授業で発言などをしっかりしていれば、通知表は5というような評価があるのが、良くも悪くも今の中学校の指導のスタイルなのですから…。

 このように、合理的な学習によって短い学習時間で効果を上げていくときには、学校の課題というテーマとどうしても向かい合うことになりますが、作業になってしまう課題は別として、課題が現実にある以上は、それを自分の学習に役立てるように利用していくつもりで計画を立てていくことが現状では重要かと思います。

 以前は、評定が大学の一般入試に影響が少ない高校での指導ではそんなことはないだろうと思っていましたが、高校でも小中学校のような作業的な課題で出す先生がたまにいてびっくりします。

 20~30くらいの英文を10回ずつただ書いて提出するというような課題を見かけることがあります。

 構文の暗記の重要性はわかるもののこのやり方で効果が上がるとは思えません。時間ばかりかかって生徒は大変そうです。

 高校生になって小中でやっていたようなそういう学習が良い方法だと思ってしまうと、おそらく先の学習では学習内容に対して時間が絶対的に足りなくなっています。

勉強時間のノルマではなく、やるべきことのノルマを自分に課す

 勉強時間に神経質になってしまう生徒はよくいます。特に受験の時期になると一日何時間勉強しないといけないといって焦る生徒がいます。保護者の方からも学習時間の相談を受けることがあります。

 「中学生は受験前の冬休みは○○時間勉強しないといけない」などという先生もよくいますが、「中学生がいったい何万人いると思うのか」と私は聞きたいです。みんな同じ基準で必要時間を言えるはずはないのです。

 勉強時間はその生徒の学習状況や目指す目標からの逆算だけでなく、その生徒の学習能率とメンタル的な特性などを総合的に考えないと決めることはできません。○○時間という縛りを作ってしまうことで、生徒が自分の学習を見失ってしまうこともあります。

 以前「中3の夏休みには部活がないから毎日10時間は勉強しなさい」という指導をしているという話を聞いたことがあります。学校でそんなことを言うとは思えないので、どこかの塾かもしれません。真相は定かではありません。

これを聞いて「飛び級で東大でも受験するつもりか?」と私は笑いましたが、多感な中3の夏に10時間も勉強してどうするのかと思います。私だったら勉強が嫌いになります。

 塾をやっている私が言うのも何ですが、そんな学習をやっていれば大学入試の時はもっとやらなくてはいけません。そんなに時間をかけなくてもどこでも合格できます。

学習の成果は勉強時間で決まるものではありません。学習の質が重要です。

一番いいのは学習時間のノルマではなく、何をやるべきかをノルマにする学習計画です。ノルマを達成すれば2時間で終わってもいいのです。ノルマができなければ5時間かかるかもしれません。そして時間がかかりすぎるようなら計画を微調整するのです。

そういう検討を自分でやっていくことが将来の学習生活には大いに役立ちます。

人に時間を決めてもらってその時間だけ中身のないことや自分には意味のないことをやっても、それは「その生徒の学習」ではないのです。

そして無理のある学習計画は続きません。自分のできる範囲で自分が最大限にできることをやればよいのです。

 私のところでは、学習計画をうまく立てられない生徒には学習計画の立て方も指導します。もし困ったら相談してください。

今後も皆様のお役にたつ情報をアップしていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA