「その考えって本当?」疑うことの効用とは?

先入観を持ちやすい日本人

 日本人は以前から、勤勉で真面目な国民性があると言われて評価されてきました。

 確かにその通りだと思います。けれどもその真面目さが協調性の高さと相まって、強い同調圧力のかかる社会になってしまっているというマイナスの面もあります。

 だからでしょうか。私たちは何か物事について「疑い」を持つということが少ないのかも知れません。

 以前こんな話を聞いたことがあります。

 自明の理といえるような当たり前の事象については、例外が考えられないかということを日本人の大学の研究生に論証させようとしても、彼らはなかなかそれを発想することができません。しかし、海外の研究生たちは発想に制限を設けないため、すぐいろいろな例外を出してきて、自由に考えることができるというのです。

 私たちは先入観や固定観念を持ちやすいのかもしれません。

地球平面説

 ところで皆さんは、地球平面説というのをご存知でしょうか?

文字通り地球は球体ではなく平面だと主張する考え方で、現代においてこれを信奉する人々によって国際会議まで開かれています。大昔の話ではありません。

 何か笑ってしまいますが、では「なぜ地球が球体であると言えるのか」を皆さんは自分の言葉で説明できますか。

 もちろん宇宙からの衛星による画像とかによるのではなく、地上の現象を元に説明するのです。なぜなら、彼らは宇宙からの画像はすべて偽物と主張しているからです。宇宙すら存在しないと主張している人もいるようです。

 実際にはいろいろ論証法はあります。一つの方法として水平線の向こうから、帆をかけた船が近づいてくるときに、最初は帆の先が見えだんだん船体が見えてくるというような現象は地球が球体でなければ起こらないと言えます。

 しかし最初に教わったとき、衛星画像を見て「ああ、丸いんだな」で終わりだったのではないでしょうか。疑ったことがない人が多数派ではないかと思います。

天動説を支持していた人とどこが違うでしょうか?

天動説とは、宇宙の中心は地球であって天体はすべて地球のまわりを回っているという考え方。プトレマイオスらにより古来から主張されてきたが、コペルニクスやガリレオの地動説によって歴史から姿を消した。

 私たちが当たり前のこととして知っている知識も、100年前には当たり前ではなかったことがかなりあります。

科学の進歩でいろいろな発見がされ、その結果として現在があるからです。

 天動説は長い間皆が信じていた定説でした。コペルニクスは途中で自分の考えを変え、これと真っ向から対立する地動説を唱え始めますが、その本は何と発禁本となります。

 また同じく地動説を唱えるガリレオも、地動説のためにカトリック教会から有罪判決を受けてしまいます。

 これは、固定的な考え方がいかに危険かを示す例です。もしガリレオが「それでも地球は回っている」とつぶやかなければ、科学の進歩はもっと遅れてしまっていたに違いありません。

 そして、地球が丸いということも、「そう教わったから」「誰かが調べたから」というので終わってしまえば、この天動説が「正しいに決まっている」と言ってコペルニクスやガリレオの考えを全く検討しなかった人たちと大差がないような気がします。

共通点はどちらも自分自身でよく考えてみようとしないというところにあります。

 内容にももちろんよるのでしょうが、盲目的に何かを信じ切ってしまって疑わないという姿勢は時に過ちを生じてしまうことがあるかもしれません。現在では科学が進歩しているがために、むしろ昔よりも正しいと思い込んでしまうことは多くなっている気がします。

まず「その考えって本当?」と疑ってみる姿勢が重要

 考えることを必要とする局面はたくさんあります。

 何事も先入観なく考えていくと、世の中には固定観念にしばられていることがいかにたくさんあるかに気づきます。

 しかし最近は、SNSなどWEB環境の発達によって自分の知らない情報に触れる機会が劇的に増えたため、これまでと違い自分の気づかない新しい発想に触れるチャンスが非常に多くなりました。とてもありがたいことです。

 たとえばユーチューブなどの媒体で、ひろゆき氏や堀江貴文氏などが非常に高い人気を博しているのは、彼らがどのようなことでも「世間がそう言っているから」といった固定観念を持たず、すべて自分の頭で一から考えた発言をしているからではないかと思います。

 そのため発言のすべてが非常に魅力のある内容になっていて、生きた言葉が私たちに刺さるのです。

もう一度考えてみてはどうでしょうか

 いろいろな固定観念があります。

 勉強ができないのは勉強時間が足りないからでしょうか?本当にそうですか?勉強時間を増やしさえすればできるようになりますか。もっと別の手はないですか?

 うまくいかないのは○○のせいでしょうか?本当にそうですか?自分の考え方については振り返ってみましたか?

 成功するにはAという道しかありませんか?BやCは考えてみましたか?

といったように、考えてみると自分が知らず知らずに決めつけてしまっていたことがあることに気づくのではないでしょうか。

 自分の頭で考えるということは、これからの複雑な社会を生き抜いていくために本当に重要なことだと思います。

「皆がこうしているから」というだけではやっていけない時代が間違いなくやってきています。

 その中では発想というものの価値がこれまで以上に高いものになってくるはずです。

今後も皆さまのお役にたつ情報をアップしていきます。

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