【受験学習のコツ】受験対策に不要なものを捨てる引き算とは?

過去問題を見たことがない生徒

 指導をやっていて一番心配になるのは、大学受験でも高校受験でも、受験する試験問題の過去問を見たことがないという生徒です。

時期にもよりますが、受験直前の時期にそんなことを言う生徒がいたります。

 これは学校の授業で、受験問題を実際にすべて解けるように範囲を網羅できるのが受験の直前になるので(特に高校受験)、「まだやらなくてよい」「やっても解けないので今は逆効果」というようなアドバイスをするためかも知れません。

 確かにそれも一つの考えですが、問題自体を見たことがないというのはまた別の問題です。

 受験をすると決めたときに、どんな問題が出るのかということが気にならないということは、自分の受験だという自覚がないと言っていいでしょう。

対策範囲を広げてはいけない

 受験がやってきても、普段から一生懸命勉強をしてさえいれば自動的に合格するはずという考えを持つということは悪くはありません。むしろ本当は学習の理想かも知れません。

 しかし現実の受験においては、情報がないまますべての学習を全力でやるということがどんなに遠回りで大変なことかを知る必要があります。

 たとえば愛知県の公立入試では、今は出題されますが、長らく数学の証明は出題がされていませんでした。出題される現在でもかなり基本的な出題になっています。

 しかし当時、受験の直前に心配だからと言って、それを一生懸命やっている生徒がいました。

 私が「おそらく出ない」と説明すると、「もし出題されたら困るから」と言ってやっていました。

 よく話を聞くと、学校の先生が入試にはあらゆる分野の内容が「隅々まで出題されることもある」という趣旨のことを言ったというのです。

これなどは受験の対策としては一番やってはいけない、「対策範囲の拡大」という悪策に陥ってしまった例と言えます。

 そこで、毎年決まって20年近く連続で出題されている必ず取るべき計算問題をやらせたところ十分にできなかったので、「出るところの対策をまずしっかりやる」という受験対策のイロハを教えて、何とか軌道修正をしたのを覚えています。

受験に出ないところはたくさんある

 国家試験でさえ出題されるところは限定されています。全範囲からランダムに出るとしても、その出題される部分はほぼ決まっています。

良い試験ほど、間違いなくその形をとっています。

 基本的なことをしっかりやって学習をしてきた者が試験を通過できるようにして、合格者に一定の質を確保するためには、これが一番良い方法だからです。

 ただ、その出題の仕方で難易度を変えたりしているだけです。

 基本部分は過去問題に網羅されるわけではないので、過去問題だけでは合格できない国家試験ももちろんあります。

 しかし、高校受験程度の試験であれば、過去問題に出題されたことがない基本部分は本当に限られたものになります。どうしたって何回も同じことを聞くことになります。

 たとえば愛知県の公立高校入試の国語の漢字では「臨む(のぞむ)」という漢字が複数回出題されています。

 これだけたくさんの漢字が世の中にあるのにです。間違えやすいのでそれだけ出題者は聞きたいということです。

 逆に言うと、受験に出ないところはたくさんあるということになります。

過去問題による情報収集

 だから、まず過去問題を見てみるということは、出題の情報を検知するための受験対策の重要なワンステップになります。

 私の塾では過去問題専門の講座もやっていますが、過去問題をしっかり解いて出題を知ると、難易度はともかくとして生徒は「大体こんなものか」という安心も手に入れることができるため、メンタル面でもとても効果があります。

 最近は学校の定期テストに向けて学校の過去問題を集めて対策をしている方も多いようですが、そういう方にもなぜかあまり受験の過去問題にはこだわらない人が結構いるのは不思議な気がします。

 受験の過去問題こそ一番最初に情報分析をすべき対象だと思います。

 学校の先生が作ったその先生特有の問題の対策とは違い、受験問題は作成委員会が過去の出題からの流れも考えた上作成しているものですから、珍問奇問もそんなにはありません。

 よく見ておいて、自分の学習プランをあらかじめ考えていくということが受験対策としては非常に重要です。

 大学入試についても同じです。秋になってもまだ過去問題を見ていないというのでは本当に心配です。

 学校で配布される断片的な過去問題ではなく、出題そのものが全部出ている過去問題を赤本、青本、黒本などで早めに開始することをお勧めします。

できなければ、読むだけでもいいのです。すぐ自分が今何をすればいいのかがわかりますよ。

受験勉強は学校のテストと違って引き算

 学校のテストでは、先生が授業で詳しくやったところが出ることも多く、生徒は、先生とのやり取りや日々の学習のことを思い出して「あれもやらなくては」「これもやったな」ということで、対策に必要なものを順に足していく感覚で準備をすると思います。

 言ってみれば「たし算型の準備」です。

 しかし受験対策は逆だと思います。

 やるべき範囲は通常、それまで学習したことのすべてになります。

 だから隅々までやれば、どうしても対策の強度は弱くなります。ポイントを絞った対策が重要です。

 したがって「あれは不要」「これも出ない」という対策の絞りこみが重要です。

 もちろん絶対に出ないということはありませんが、どれもこれも平板に全部やるのではなく、出題頻度の高いものから押さえておき、低いものは余裕があればやる(やらなくてもよい)ということです。

 こうすることで、受験対策の効率は飛躍的に上がります。実際にこのやり方に変えた途端、模試の偏差値が急上昇することはよく見かけます。

当然ですね。模試では受験に似せた出題がされているのですから。

 模試の成績が伸びない場合には、自分が試験と関係ないことに力を入れていないかを再度確認すると良いと思います。

意外に、試験に出ないことにこだわって時間を割いていたということがあるものです。

 このように受験対策の学習は、Aの「たし算」ではなく、不要なものをどんどん捨てていくB「引き算型」の準備が正解ということが言えると思います。。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。


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