【学校再開へ向けての学習】時間を有効化する課題学習法とは?

課題にかかる時間

 学校休校が段階的に解除され学校再開へ向けての動きが始まっています。

多くの学校では、出されていたたくさんの課題の提出日が設けられ確認がされているようです。

また、近く課題内容についてテストを予定するという学校も少なくありません。

 しかし最近の記事でも書きましたが、この時期にまだ課題が終わっていない生徒や

やっていても、ただ一通りやっただけという生徒も多いようです。

 学校課題(宿題)の学習は普段の学習時においても、

要領良くそれをこなせる生徒とそうでない生徒の間で、費やす時間や労力に大きな差が出る学習です。

 忘れてしまってやってないというのは論外としても

やった内容すら覚えていなかったり、

解答を赤字で走り書きするような形で書き込んで終わりにしたりする生徒もいれば

 何も参照しないでただひたすら考えていて

いつまで経っても課題が終わらないという生徒もいます。

 どのタイプも共通なのは、

「時間を無駄にしている」という点です。

今回は、課題学習で時間を無駄にしないための方法についてお伝えします。

やったことでメリットが残るやり方

 課題(宿題)は塾でも出すので、生徒のやってきた課題は私たちも毎日目にします。

その生徒が課題をどんな姿勢でやったのかは、提出された課題を見ればかなりわかってしまいます。

 解答欄など気にもしないで書きなぐったような解答や、間違いがあっても全部マルになっているもの

上記にも書いたように、赤字でただ答えが延々と写してあるだけのもの

そんな提出物があるかと思えば

 解答を一つずつ几帳面に直してあり、自分なりの注意点を書きこんであったりするもの

更に進んで、課題に自分でポストイットを貼り、それに注意事項まで書いてあるもの

そんな提出物も見かけます。

 どうでしょうか。

同じ課題の提出でも、先生の評価に違いが出ることはもちろんのことながら、

やり方一つで、生徒本人がその課題に費やした時間に対応する効果が大きく違ってくることになると思いませんか。

 どうせ同じ時間を使うなら、その学習が自分のためにメリットとして残るような方法をするべきです。

 そのためには、まず課題というものに対する考え方を変える必要があります。 

課題をつらい義務と思えばつらくなる

 この積極的な学習スタイルの提出物(上記後半の例)は、受験を控える生徒にわりと見かけます。

また高校生ともなるとその割合がぐっと増えます。

アドバイスしてそういうやり方をする生徒もいますが、最初から自分で考えてやっている生徒もいます。

どの生徒にも共通するのは、

「課題学習を利用する」という考え方がある点です。

 「せっかくやるのだから、これを使って出来るようになってやろう」という気持ちがあるのだと思われます。

 たまにそういう生徒から

「先生、こんなやり方で課題をやりたいけど、学校の先生に叱られませんか?」

というような建設的な質問があります。

私は大抵

「大丈夫。生徒のやる気に水を差すような先生はいないよ」

というような返答をしますが、

 おそらく、独自で学習をしっかりやっている事がわかる課題提出物については

教師なら皆、生徒の積極性ややる気が伝わってくるため、嬉しくて仕方がないと思います。

 これと異なり、ただやってあるだけの作業的な提出物(上記前半の例)からはそういう意識は感じられません。

見る側からもすぐわかります。

 課題をつらい義務だと思ってやれば、それはつらい義務になります。

でも、たとえば

「自習勉が上手くできないから、課題を利用しよう。ちょうどいい」と思って

確認の勉強ができるチャンスだと思えば、それはチャンスになります。

考え方次第です。

「つらい上に時間もかかるだけの作業」なのか

「向上できる学習のチャンスである上に、同じ時間で倍の濃度で学習ができる」のか

見方ややり方を変えれば、それは全く別物になるのです。

難易度の問題はこうクリアする

 もちろん課題が難しくて手に負えないという場合はあります。

しかし解答書がある課題であれば、これまでにも繰り返しお伝えしているように

 まず問題と解答書をよく読み、その後で解いていくという方法もあります。

このやり方なら

①まず答えを精読する段階 

②実際に解答する段階 

③マルつけをして確認をする段階

の3つの段階で問題について考え学習することになる上に

 わからずに無駄に考えている時間が激減するので、時間もかなり節約できます。

これもやり方次第です。

更に課題を利用してメリット倍増

 課題をやる際には、このように合理的なやり方がいろいろありますが

 課題には、問題を解いた時にわからない事や苦手な事・できない事に自分が気づくことができるという利点があります。

だとしたら、それは更に次の学習へ向けてのチェックポイントだということもできます。

そしてわからない点については

①自分で調べてみる。教科書や参考書を丁寧に読んでみる。可能ならネットで検索してみる。

②周りの人や、塾・家庭教師の先生に質問する。

③学校に行った時に、その部分をしっかりもう一度確認する。学校の先生に質問する。

④集めた情報からもう一度頭の中を整理してまとめてみる。

⑤弱点補強ができたかどうかもう一度試してみる。

このように、次にやることが自然と浮かんできます。

 もともと課題と言うのは、生徒がそうやって疑問点を自覚して、次のステップに進めるように出すものなのです。

 だからこれは実は一番オーソドックスな課題学習法になります。

こういう次のステップへ向けて「広がる学習」ともいうべきものをやっていると

学習全般において

「自分が主体的に学習する」ということが

だんだん分かってきます。

そして次第に

「すべて教えてもらう」という意識から

「やってみて分からないことを、自分の学習のための情報として受けとる」という考えに変わっていきます。

課題学習をすることの本当の理想はここにあります。

 「このチャンスに勉強を強化してしまおう」という意識を持つことで、

その後の学習のやり方にも大きな変化を起こすことは可能なのです。

ダメな課題もありますが・・・

 課題については、やる側だけでなく出題する側の問題もあります。

 ただ同じ英単語を1単語20回ずつ書いてくる。同じ単語を続けて書くこと。書き方は決まり通りで変えてはいけない。

解答書は見てはいけない。やり方も自分で考えてやること(習い始めたばかりの単元で、しかも応用も入っている)

 教科書にも資料集にも出ていない、学校で習う内容ではない知識を問うプリント(解説プリントはなく、出された趣旨の説明もなし)

英語の例文を、ひたすら用紙に小さい文字で大量に書いて提出するだけの高校の宿題。

 これらはすべて近時私が見た学校の課題です。

 このような生徒に作業や無駄を強いる課題を見ると、生徒の意欲を失わせることにならないかが大変心配になります。

これらは生徒の大切な学習時間を実質的に奪う

「時間泥棒」と言っても良いような課題ですが

だからと言って提出しないわけにもいきません。

自分で書いた字を隠して確認をするなどの方法で、少しでもメリットがあるやり方を試みるしかないでしょう。

 教師は課題の出し方一つで、生徒の学習への意欲を簡単に失わせてしまうことがあるということを肝に銘じるべきだと思います。 

自分の学習

 今回お伝えしたかったのは、

課題のやり方を顧みることで、「自分の学習」というものを今一度考えてみてほしいということです。

 課題が嫌で仕方がないという生徒は

先生の出し方に問題がある場合を除けば

「自分の学習」というものへの意識がわりと薄い気がします。

「自分の学習をしっかりやって、成績を上げていこう」という一番ベースになるモチベーションから逆算して、

課題と言うものを、そのための道具という風にとらえ直してみるといいかも知れません。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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