正確ではない解答
テストの採点などをしていると、明らかに間違っている解答や空欄などは別として、
「たぶん大体は分かっているのに間違えてしまっているんだな」と思われる解答に出会うことがよくあります。
たとえば理科の火山の学習で出てくる「斑状組織」を「班」という字で書いてしまっていたり
歴史で出てくる「埴輪」と「土偶」を取り違えてしまうような似たものの取り違えなどは、何となくやってしまっているミスだと言えます。
ケアレスミスではないが、ちょっと丁寧に理解をしておけば防げるミスですので、惜しい間違いだと言えます。
差がつきやすいミス
こういうミスについては
「ああ、間違っていた」と思い印象が強いので
それこそ「次は大丈夫」と思って、生徒は改めて覚え直すと思います。
だから次回は正解になることも多いと思います。
でも実際こういうミスは、人によっては
後からも次々に新手のものが出てくる場合があります。
そしてかなりの頻度で出ることもあるミスと言えます。
逆に言うと、ここで「差がつきやすい」ミスである気がします。
そんなに難易度が高くなく
間違いがわかった瞬間に、軌道修正もできて
自分でも気づくようなミスなのに
なぜ、なかなかミスをゼロにすることができないのでしょうか。
学習の精度
その原因は「学習の精度」にあると思います。
たとえば「斑状組織」を勉強するときに
対比するものとして「等粒状組織」というのを学びますが、
粒ぞろいの「等粒状組織」と比べて「斑状組織」は、バラバラで「まだら」の模様のような状態の組織だと言えます。
「まだら」は「斑」という字を書きます。
模様をあらわしている文字が「斑」なのです。
学校ではこのことを説明する先生もいますが、説明がされないことも多いと思います。
でも少なくとも、学習をしていて「班(はん)」という字と「ちょっと違うな」ということには気づかないといけません。
それに気づけば、自分で調べたりして文字の由来なども意識して記憶しておくこともできるのです。
注意深く「何だろう」と考える癖をつけておくことは
学習の精度を上げるのに役立ちます。
また「土偶」と「埴輪」は同じように土でできた人形のようなものなので、
何となく取り違える人が実に多いのですが、
「土偶」は、縄文時代に自然に対して実りの豊かさを祈るため、あるいは一説には魔よけとされた人形であるのに対して
「埴輪」は古墳時代に豪族などの墓に供えられた素焼きの土器で、墓を装飾するため、あるいは一説による殉死者の代わりに人形を納めるようにしたものとも言われています。
両者は時代も目的や背景が全く異なります。
学習の際にこういったことを意識してイメージして頭に入れておくと取り違えはかなり少なくなると思います。
「何となく」で覚えたことは
「何となく」忘れてしまいます。
たとえば
野菜を見たことが食べたり触ったりしたことがない人が
トマトとトウガラシを写真で見たとします。
赤いというだけの情報ならば
テストでどちらかを選べと言われても
ひょっとしたら取り違えるかも知れません。
でも、実際に食べたことがあって味を知っていたり
実物を触ってみたり
畑で見たことがあったりすれば
これを取り違えることなどありません。
情報量が違うからです。
だから学習の精度を上げたいときには
なるべく周辺の情報をしっかり確認をして意識の中で違いを浮き彫りにしておくことが大切なのです。
学習の精度を上げるということは
そんなに大変なことではなく
ちょっとした意識の持ち方だけで
簡単にできることだと思います。
ぜひお試しください。
今後も皆様のお役にたつ情報をアップしていきます。