およそテストというものには、ミスがつきものです。
勘違いして覚えていたというのであれば、それは勉強不足であきらめもつきますが、うっかりして書き間違えたとか、たし算の計算ミスをしたとかいうケアレスミスについては、後悔しか残りません。
だから、何としてもミスは防ぎたいと思うのが、学習する者すべての心情でしょう。
ミスはどんな時に出るのでしょうか?
私は仕事柄、生徒のケアレスミスを毎日毎日見ています。その結果としてはっきり言えることは、ミスが出やすい状況と言うのが間違いなくあるということです。
まず、一番ミスが出やすいのは慌てているときです。
テストの時間が残り少ないときなどは、当然慌ててしまいますからミスは増加します。
次に、慌てているとは少し違いますが、感情に大きな動きがある場合にもミスが出やすくなります。
これは、難しい問題が次々に出て動揺した場合よりもむしろ、やり方に気が付いて「わかった」と思って喜んだ瞬間などの方が意外に危ないです。
それで、やり方は正解だったけど数字は間違ったという結果になってしまうことも少なくありません。
また、緊張しているときには、最初の数問にミスが非常に出やすくなります。
高校入試の数学の最初の第1問は、多くの県や学校で共通して単純な正負の数の計算が出題されますが、この問題を落としてしまったという生徒の報告がわりとあります。
もちろんできないのではなく、ケアレスミスで落とすのです。
そして数学が得意な生徒ほどこのミスにやられる割合が高いような気がしています。注意が必要です。
このほかにもケアレスミスが出やすい状況はたくさんあります。また機会があれば取り上げたいと思います。
ミスは厄介なことに、生徒の性格や個性によって出やすい状況も異なります。
ではどうすればいいかということになりますが、私がよくアドバイスする方法は、ケアレスミスが出る状況を自分で記録しておくという方法です。
自分でケアレスミスが出たときに、どんな状況だったか ー 例えばテストの最初だったかとか、緊張していたのかどうかとか、お腹がすいていたかとか ー、ミスの重大さはどれくらいだったか、防止するには具体的にどうすればよかったと自分は考えるか(気を付けるというなんていうのはダメ)、などを記録しておきます。
そして、何回か記録をしていくうちに皆決まって「こういうときにミスがでるのか!」ということに気づきます。
かといって、ミスは簡単にはゼロにはなりませんが、どんな時に出やすいかを知っておくというのは安心にもなり、気を付ける時が限定できるため、その効果は大きいと思います。
前にも書きましたが、成績を上げたり試験で結果を出すためには、インプットだけでなく、試験会場でのアウトプット面での対策も重要です。それは、私たちが解答マシーンではなく生身の人間だからです。
ミスが出るのは人間的なことといえますが、「ミスしないように頑張って」だけでテスト会場に向かって、同じようなミスを繰り返すのは決して合理的なやり方ではありません。
ミスの防止を考えることも立派なテスト対策なのです。