【ミスの仕組み】間違いを繰り返すメカニズムとは?

なぜ同じ間違いをするのか

 勉強と言うと

「予習をして授業を受けて、復習をして」というのが

オーソドックスなイメージです。

 そして理論上は、復習を完璧にやれば

次回からはミスがなくなり

「次は満点」ということになるはずです。

でも、ご承知の通り

そんな訳にはいきません。

 テスト対策でも

直前に一生懸命覚えた事を、テスト会場では思い出せずに

「やったはずなのにできない」

ということは多々あると思います。

記憶の仕組み

 なぜこんなことになるのでしょうか。

「頭が悪い」「記憶力が良くない」と言ってしまえば、それまでですが

何か改善の方法はないのでしょうか。

 私は、同じ事を何回も繰り返して間違うのは、人間の記憶の仕組みに理由があると思います。

 以前聞いた事がありますが、

 人間の記憶というものは、

コンピューターのようにデータをそのままダイレクトに整理だててメモリーに保存しておき、

それをまたそのまま取り出すと言うような形ではなく、

順に記憶した情報は、整理だてられずバラバラの形で頭脳の中にストックされていき

取り出す際(思い出す時)になって

もう一度それらを拾い集めて再構成して取り出すというような仕組みになっているそうです。

 したがって取り出す際の再構成というものが極めて重要だということになります。

 具体的には

思い出すための「きっかけ」が重要です。

なくしものをしたときに

「どこだったかな?」と考えるうち

順に「確かあの人と電話をしていて引き出しを開けながら喋っていたな」

といったような周辺状況を思い出すことによって、記憶がよみがえるというようなことがあるのは、皆さんもお分かりではないでしょうか。

 つまり「きっかけ」があれば、情報を上手く取り出せるのです。

頭脳の中にある情報を引き出す取っ手のようなものと思えば良いでしょう。

取っ手を増やす方法

 でもその取っ手となる「きっかけ」を見つけられないことも多くあります。

テストで同じ間違いを繰り返す場合は、まさにそれにあたります。

何となく同じように問題を解き、

それが以前違っていたことを「きっかけ」がないために思い出せず

そのまま間違えてしまいます。

 もう少しレベルが上がると

「以前違っていたこと」も「複数のやり方があること」も思い出せるのに

「どちらが正しい方法だったか」を思い出せないということもあります。

もし正しい方法はどちらかを思い出す「きっかけ」があれば

間違いの繰り返しは確実に終わります。

 取っ手となる「きっかけ」さえ増やせたら

記憶することは飛躍的に容易になるはずです。

どうすればそれが可能になるのでしょうか。

記憶はイメージに依ることが大きい 

 生徒指導を長く続けてきた経験や、自分自身が司法試験などを受験してきた経験から

記憶のメカニズムというものは

機械的なものではなく

本当にイメージに依ることが大きいと感じています。

簡単に言うと

「印象付け」です。

例えば暗記事項で

正しい内容が「A」

紛らわしい内容が「A’」「A’’」

という形であるものを覚えていく必要があるとします。

 何となく「A」は正しくて「A’」「A’’」は間違いという情報を知り

マーカーを引いて

「紛らわしいから気をつけなくっちゃ」と思っても

それだけでは大半の人が間違えます。

紛らわしいのがそれ1つだけなら間違えないかもしれませんが

たくさん紛らわしいものが出題される試験になれば

ほぼすべて

正解とは反対のものを答えてしまって非常に悪い点数を取るということさえあり得ます。

 これを避けるには

「A]と「A’」「A’’」の違いを何か印象の強いもので

はっきりと区分けして

その「印象」をしっかり記憶しておく必要があるのです。

 たとえば

「光合成は二酸化炭素を吸収する

「呼吸は酸素を吸収する」

という内容であれば

「人間は呼吸する時には酸素を吸う」

「二酸化炭素ばかり吸ったら大変」

「炭酸水(二酸化炭素の水溶液)はよく飲むけどね」

といったストーリーを自分で記憶のための印象付けに使って暗記をすれば

「呼吸」という言葉から「酸素を吸う」ということが自動的に出てくるようになります。

これが記憶を再構成する取っ手となる「きっかけ」となるものなのです。

 だからミスを繰り返してしまう場合には

紛らわしいものを区別するための印象の強い内容をしっかり考えて

それとともに記憶をし直すということが有効なのです。

 ぜひお試しください。

今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。

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