【情報リテラシー】「それって本当?」と疑うための思考法とは?

正しい情報を選別するためには…

 私たちは今やスマホ1つで

世界のあらゆる情報を

一瞬で手に入れることができるようになりました。

確かに便利になりましたが

情報の取扱いについてはどうでしょうか。

 「正しい情報」

「疑わしい情報」

「明らかに嘘の情報」

玉石混交な状態のそれら膨大な情報について、何を基準にしてどう選別しているでしょうか。

 実は情報が溢れていても

その情報を正しく利用するためには

情報の受け手が、情報をどう扱うのかについてしっかりとした考え方を持っているということが必要になってきます。

 「それって本当?」と疑う思考力が必要ということだと思いますが

どうしたらそんな思考をすることが可能になるのでしょうか。

昨日まで正しいとされたことが、明日は正しくないのかもしれない

 私たちはこれまで長い間

一方的な情報の受け手でした。

マスコミ、行政、紙面による情報は確かにたくさんありましたが

仮に誤った情報が与えられても、それが誤っているかどうかを自分で判別することはなかなか難しいことでした。

 たとえば

私たちが少年の頃(昭和です)は、部活動の際に

どんなに炎天下でも

どんなにのどが渇いていても

「水を飲むとバテる(体が疲れる)から、決して水を飲んではいけない」

「体が冷えて良くないから、決して水を飲んではいけない」

という指導を受けました。

 そしてそれに違反するとかなり厳しい叱責を受けました。

部によっては、隠れて水を飲んでいて先生にビンタ(頬を殴ること)されていた場面を結構目撃しました。

 でもこれは学校の先生が特に悪いわけではなく

当時のごく当たり前の「情報」だったのです。

*ビンタも当たり前でした(私も殴られた経験はあります)

 当時運動部に入って運動をしていた生徒たちは

おそらく皆

この「情報」は誤りだと確信していたと思います。

脱水状態で炎天下で倒れそうになったことは、一度や二度ではありません。

素人考えでも、「水さえ飲めれば」と思ったものです。

当時のこの「情報」下では

たとえば熱中症というようなものも

病院に運ばれるレベルまでにならないと

「根性不足」ということにされていました。

全く無茶な時代でした。

当たり前に危険なことも

「気合が足りない」で済まされていて

それを大人が皆確信していたのですから…。

 今の新型ウィルス問題とちょうど真逆な感じがしています。日本人は極端から極端に動きやすい民族なのかもしれませんね。

 私たち生徒たちや、実は多くの先生たちも

この「情報」が誤ったものであると

内心で気づけたのは

先入観を持たず

「自分自身の頭で物事を考える」ということをしていたからではないかと思います。

ただ実際には、

「誰もが怖くて本当のことを言えなかった」ために

長い間ずっと生徒は水を飲めなかったわけですが…。

ツバルの水没の話

 皆さんの中には

「地球温暖化による海面上昇で、ツバルがまもなく沈む」というマスコミのニュースを

だいぶ前に耳にされた記憶がある方もお見えかと思います。

 大変センセーショナルな報道がされて

「日本も遠くない未来に沈む」というような事まで言っていた番組もあったように記憶しています。

 ところがその後、

ニュージーランドのオークランド大学の研究者が、航空写真や衛星写真を使用して1971年から2014年までの地形変化を詳しく調査したところ

 ツバルは水没するどころか、総面積が2.9%拡大していたことが判明したのです。陸地が増えていたのです。

 ツバルにおいては、そもそも自然現象としての海岸侵食が元々あると同時に

一部の島では、第二次世界大戦中にアメリカ軍が埋め立てた土地が後に削られたり

水質汚染でサンゴなどが死滅した結果、海岸侵食が起こっている場所もあるとも言われています。

 また内陸の浸水については、何と100年前から観察されて続けており、更に第二次大戦中のアメリカ軍による大規模な土地の改造がこれに拍車をかけている可能性もあるとのことです。

地盤沈下などもあるということだと思います。

 だから地球温暖化の影響による海面上昇がある可能性もゼロではないものの、それを象徴するような「情報」では決してなかったということがわかったのです。

 では私たちは、こういう不正確な情報を受け取った際には

一体どう考えれば良かったのでしょうか?

「地球が温暖化して数年で島が沈む」

この「情報」について普通に感じるのは

「急な話だ」「恐ろしい話だ」

ということでしょう。

でも、次に考えなくてはいけないのは

「本当に温暖化でそんなに短期間に、世界の海水全部が増えて島が沈むほど海面は上がるのか?」

ということです。

 細かい数値には触れませんが

普通に冷静に考えれば、そんなに短期間では劇的な変化は起こらないという疑問を持つのではないかと思います。

そして、その「素朴な常識的感覚」こそが

「自分の頭で考える」ということではないかと思います。

 テレビに出てくるコメンテーターが

すべて正しい情報をもたらすわけではありません。

 彼らがその話をすることによるメリットがある場合も多く、実際どうしてもポジショントークをせざるを得ない面もあるからです。

 また通常そういう「情報」は、一次情報ではないことも言うまでもありません。

たとえば

「島が地球温暖化で海水面が急激に上昇しており、沈む可能性がある」

と言うのと

「島が、地球温暖化を始めとする種々の要因で海水面が急激に上昇している可能性があるため検証が必要であるが、仮に言われている数字通りに上昇が起こっていることを前提にすれば、100年後までには島が沈む可能性もありうる」

と言うのでは

「情報」のイメージも実質的な中身も全く違います。

この場合問題なのは「切り取られた情報の危険性」と言うことにもなりますが、

これに対抗できるのは

普通に考えたときの私たちの「常識」的な判断であり

それを他人の頭に任せず

「自分自身の頭で考える」ということと

今は可能になった、別の情報源(ネット)によってその真偽を確認すること

であると思います。

 そういうスタンスで新しい情報に接していけば

簡単に「誤った情報」の被害を受けるということも

回避していけるのではないかと思います。

ぜひお試し下さい。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

“【情報リテラシー】「それって本当?」と疑うための思考法とは?” への2件の返信

  1. 情報発信者の肩書きを見て、真偽を決める傾向にありましたが、まず、疑ってみることに気づかされました。有益な情報ありがとうございました。

    1. コメントありがとうございます。そうですね。私たちはどうしても肩書を見て大丈夫と思ってしまいがちですが、注意してし過ぎと言うことはないと思います。

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