化学反応式
理科の化学では中学高校ともに化学反応式というのが出てきます。
化学反応の前後を式にして表したもので
たとえば
炭素と酸素が化合して二酸化炭素ができるというのを
というように表します。
C(炭素)+O2(酸素)→CO2(二酸化炭素)
まず初学者が気になるのは
炭素は1つなのに、なぜ酸素はO2という形でOが2つくっついている分子の形になっているのかということです。
これは自然界では酸素のような気体の原子は二つペアで分子を作っていることが多いため(Heヘリウムなどは不安定になるのでできない)
「実際にそうだからそう」というものです。
学習において混乱を生ずるのは得てしてこういうところです。
数学などの場合は論理を積み重ねるだけで結論に到達できるので
理屈がすべてなのですが
化学のような学問は、「現実はこうなっている」という情報が必ず入り込んでくるため
理屈だけで考えようとする生徒は、途中で「あれっ」と感じるのではないかと思います。
だから化学の学習では
まず最低限の知識(自然界の情報)をインプットすることが重要です。
なぜ→なのか?
よくやる初学者のミスとして
C + O2 = CO2
としてしまうものがあります。
これは今自分が何を勉強しているかということを意識していないためにおこる間違いのように思われます。
化学反応の過程を表す式が化学反応式なのですから
左側と右側が同じになる等式になったらおかしいのです。
反応の向きを示す→にするのが正しいことになります。
簡単に言えば「変化」を示すことが必要なのです。
ここで気づくこと
考える学習をしていると
ここまで学習すると気づくことがあるはずです。
それは、物質は原子の組み合わせが違うために異なるだけであって
原子自体は変わらないということです。
たとえば
ABCという人たちと
DEFという人たちがダンスをペアで順に踊るとします。
AD BE CF というペアが
ダンス後、AF BD AE というペアに変わっても
チームの面々は変わりますが 構成している人間は変わったりしません。
式で表せば
AD BE CF → AF BD AE ということです。
だとすると、この世界を形作っている原子も太古の昔から増えたり減ったりしていないということに気が付きます。
こうして学習というものは身近な内容から、宇宙の歴史というところまで広がりを見せてい行くものなのです。
勉強の楽しさというのは、こういう膨らみを持った思考から生じるものだと思います。
だから、先ほど「最低限の知識は覚える」と書きましたが
そのあと、このように
「じゃあ、これはどうなっているの?」という風に
あれこれ考えてみてください。
それが正しい順序だと思います。
よくわからないのにやみくもに考えて
それでわかった後は丸暗記というのは
順序が全く逆だと思います。
原子は新しくできるのか?
ところで原子は自然に増えたりはしませんが
宇宙の果てにある超新星が爆発するような猛烈なエネルギーがある場合には
新しく誕生することがあります。
また人工的にも作り出すことは可能です。
核融合によってそれが可能になるとされていますが、1つの原子を作り出すのに
凄まじい費用がかかるので、あくまで実験ではできるという話です。
昔人々が夢見た「錬金術」(金を作り出す方法)は
一応達成されたのかもしれませんが
コスパ的に全く機能しません。
1億円払って金原子1つ作っても
「錬金術」の夢がかなうということではありませんね。
彼らは儲けたかったのですから。
でも、人類の夢に向かう科学技術の進歩はすさまじい勢いで進んでいます。
お金にならなくても大変すごいことが次々に実現していっているのです。
こういうことこそ、これからを生きる若者に知ってほしいことです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。