ingで修飾する(現在分詞の後置修飾・形容詞的用法)
中3英語のハイライトはやはり何といっても関係代名詞ですが、
これに関係が深いものとして現在分詞ingで後ろから修飾する、いわゆる後置修飾の用法があります。
実に多くの生徒がこの二つのタイプの問題で、互いに混乱を生じてミスを続発します。
ingで修飾するというのはたとえばこんな表現になります。
犬 a dog
走っている犬 a running dog
公園を走っている犬 a dog running in the park
ここでのrunning は進行形の~しているという意味でもなく、また動名詞としての~することでもなく
a dog という名詞をかざる形容詞的な用法の現在分詞です。
文法の用語はともかくとして、簡単に説明すると
単独であれば(running)前から飾りますが、他に語句を伴うと(running in the park )後ろにつけて飾るというのが決まりです。
そのことを中3の英語で学習をするのです。
文にすればこんな感じです。
私は公園を走っている犬を見る。
I see the dog runnning in the park.
*冠詞 a theは文により適宜変わりますのでここではお気にせずに。
関係代名詞(主格)
ところが別の時期に関係代名詞の学習でこんな文章を勉強します。
私は公園を走る犬を見る。
I see the dog which runs in the park.
そこで生徒は「おや?」と思うわけです。
彼は一生懸命考えます。
「ああ、そうか『走っている』と『走る』の違いか」
「じゃあ『走っている犬』なら文はどうなるのだろう?」
そして間違った文を作るのです。
I see the dog which running in the park.
正しい表現はこちらです。be 動詞が必要です。
I see the dog which is running in the park.
これはどうしてかと言えば、
関係代名詞which が主語の役割を果たしていて、先行詞のa dog と同じものと考えていいので、
The dog is running in the park. という文の形がそのまま入るということになるからです。
混乱を防ぐには
以前の中3の教科書では、どこもまず先に現在分詞の後置修飾(ing で飾る)の単元があり、その後の単元で関係代名詞が登場したので、両者の関係で混乱する生徒が大変多くいました。
しかし近年登場の順番を変えた教科書も増え、少しわかりやすくなってきています。
簡単に言うと、関係代名詞の主格の表現では修飾する側の部分(形容詞節)は必ず先行詞から始まる主語動詞が整った文である必要があり、
そのためどんな英文も修飾する側の表現として使えるのですが、
現在分詞の修飾(以降ing修飾と呼びます)はその中でも進行形の文で飾る時だけ使える特別なものだということが言えます。
要は、関係代名詞が一般で、ing修飾は特別ということです。
関係代名詞の方は現在形の普通の文も現在進行形もOKですが、ing修飾はingの場合のみで
逆に言うと関係代名詞で使われるwhichとisの部分が省略されたのが、ing修飾ということになります。
ここで混乱を防ぐためには、
上記のように似た英文を並べて、あれこれ考えてみる比較法が一番効果があると思います。
関係だ名詞や後置修飾などこの時期以降の英文法は、これまでと違い理屈がやや込み入ってきますので、なんとなく単元順で進んでいくと、自然に混乱が生じてしまうことがあります。
そんなときにはちょっとのことですが、出てきたものをこのように見比べるだけで、一気に頭の中が体系的にまとまってくるということがあると思います。
どうかお試しください。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。
*本投稿には以前時制の部分で誤りがあり I saw the dog which is running in the park .という例文が挙げられていました。コメントを頂いた方のご指摘から考えて上記本文に訂正をさせていただいております。ご指摘に感謝申し上げるとともに例文の誤りには今後十分注意してまいります。 青雲のタナカ
なお誤った文をそのまま訳しますと、関係代名詞節は時制の一致の厳格な適用を受けるというものでもないため、「私は(現在)公園を走っている犬を(過去に)見た」という意味になるかと思います。SFですね。
I saw the dog which is running in the park.
I saw the dog which was running in the park.
意味の違いはどうなりますか?
コメントありがとうございます。
今回投稿した例文につきましては、例文自体に誤りがございました。
ご指摘下さりまことに感謝申し上げます。
本投稿については内容を正しく修正して、末尾に「コメントを頂き修正したこと」を付記させていただきました。
関係代名詞節は必ずしも時制の一致を厳格に受けるというものではないと考えますので、理屈だけでいえば文としてはどちらも一応は成り立ちうると思われます。
I saw the dog which was running in the park がもちろん普通の意味で、「私は(過去において)公園を走っている犬を(過去に)見た」になりますが、
I saw the dog which is running in the park.は「私は(現在)公園を走っている犬を(過去において)見た」という、何かSF的な意味になってしまうかと思います。
もちろんそういう深い意味で投稿したのではなく、私の単なる誤記述でございました。
ただ、ご指摘によってこんなことも考えることもできたので、かえって楽しく勉強にもなりました。
ありがとうございました。