三段論法
論理学を学ぶときに、まず最初に出てくるのが三段論法です。
AならばBである。
CはAに属する。
よってCはBである。
こういうつながりを論理的に説明する方法ですが
通常、大前提「AならばB」小前提「CはAに属する」結論「CならばB」という形で表されます。
たとえば
人間は必ず死ぬ(大前提)
私は人間に属する(小前提)
私は必ず死ぬ(結論)
ざっと言えばこんな感じになります。
論理学を正面から勉強するのは、普通大学の授業においてですが、実は論理学自体は数学でも理科でも小中生の学習内容において実質的には学ばれています。
例を挙げると
中学で登場する明では命題や結論という言葉が登場し、命題から結論への論理の流れを示すことが証明であるということを実質的に学びます。
理科においても、実験をする際に推論をしておいて、実際に実験をして結果を見ていくという授業の流れの中で、こういう論理的な思考を育てていくことが教師には求められています。
少しいじれば嘘に利用できる
ところがこの三段論法というもの、しっかり理解をしていればそれが常に真理を言い当てていることがわかるのですが、
大前提や小前提、あるいはその間の推論に誤りを混入させることで詐欺をするのに用いることが簡単にできてしまいます。
論理学ということで、とても知的なイメージがあるので
よくわからない人は、つい引き込まれてしまって騙されてしまいがちなので注意が必要です。
以下の文章のどこがおかしいのかわかるでしょうか。
ある動物は陸上で暮らしている。
すべての哺乳類は動物である。
すべての哺乳類は陸上で暮らしている。
これは最初の大前提が「ある動物」→「陸上で暮らす生き物」に含まれているという話なのに
それが途中で「動物」=「陸上で暮らす生き物」になってしまっていて誤った内容になってしまっています。
こんな単純な文章ならすぐ嘘だとわかりますが、少し文章に装飾を加えたらなかなか嘘と見抜けないかも知れません。
たとえば
「あなたの知っている猫って陸上で暮らす動物よね」「はい」
「ところで哺乳類って知ってる」「はい」
「哺乳類も動物だよね」「ええ」
「猫も哺乳類なの」「そうなんですか」
「だからね、哺乳類っていうのは皆陸上で暮らしているのよ」「わかりました」
このように少し文章をいじるだけでこんなに説得力のある嘘がつけるのです。
もしもこんな先生がいたら大変です。
もちろん陸上で暮らしていない哺乳類(クジラとか)も存在します。
今の社会では何かを売ろうとしたり利益を上げようとして、セールストークに微妙な嘘を混ぜこんでいる場合も多く、注意が必要です。
また、メディアが流す情報においてもそういった類のものが増えてきました。
また稿を改めて記事にしていきたいと思いますが、とにかく「おやっ」と思ったら簡単に鵜呑みにしないことが大切ですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。