入試前日にやってはいけないこと
入試や各種受験で直前になると兎角「あれもこれも」という気持ちになります。
「あれもこれもできていない」「あれもこれも出たらどうする」ということでしょう。
しかし、それにとらわれてしまって前日になってやってしまいがちなことがあります。
それは「新規分野について深堀りをすること」です。
中でも一番ありがちなのは
「方程式の文章問題が不安」と言い出して、そういう問題をやり始めようとする生徒です。
これは通常の定期テストでも同じ現象があります。
それまではわからないところがたくさんあっても、さほど気にせずにいたのに
前日に急にそれが不安となり、新規にやろうとし始めるのはこういう応用系の単元が多いと思います。
それには理由があります。
応用系の単元は「できないかもしれない」という意識が一番出やすいため
テスト前日辺りに不安が出てくると真っ先に登場するというわけです。
しかしそれを徹底してやり始めたら最後、他に割く時間はほぼなくなると言っていいでしょう
だいたいそういう応用系全般が不安になるということは
それまでろくに応用系単元の手当てをしていなかったような場合に起こります。
自分なりの手当てをしていれば、そういう形ではなく「濃度の連立方程式で食塩の場合」といった形で限定して不安が生じるからです。
そういう形で不安が出てきた場合は、もちろん見直しを前日にすべきでしょう。おそらく最小限の時間でそれはできます。
しかし冒頭で述べたような「方程式の文章問題が不安」というような言葉しか出てこないとすれば、極端な言い方かも知れませんが「それはやらない方が良い」と思います。
「間に合わないから」ということもありますが、他の見直しのための貴重な時間が無くなってしまい、その一方で、そういう広い苦手なジャンルが一夜でできるようになる可能性は高くないからです。
直前にやるべきこと
逆に前日もそうですが試験当日においても、必ずやるべきことは決まっています。
それは「知識の再確認」です。
できれば薄い5教科まとめて重要な事だけ書いてあるような本がいいでしょう。そういう本をのんびり見直すのです。
ここで大切なのは「のんびり」見直すということです。
どうしても前日、当日となると動揺していることも多いので、全力で見直しをしてしまいがちですが、そうすると、もしすべて通れなかった場合に心配がピークに達してしまいます。
これに対して、「もう大丈夫だろうけど、一応もう一回見ておくか」という程度の気持ちであれば、時間切れになっても不安にはなりません。
だから「のんびり」見直すのです。時間切れになったら「まあ、大丈夫」と思ってテストにのぞみましょう。
試験というものは不思議なものです。
「やることはやってある。自分の頭の中にある知識で勝負する」と思うのと
「どうしよう。自分の頭の中にはまだ知らないことがたくさんある」と思うのでは
全く同じ問題が出てきた場合でも正答率が著しく異なることがあります。
「自分がやり残して知らない知識が関係していて解けない問題かもしれない」という迷いが生じて混乱を生むことが多々あるからです。
だから直前のメンタルを「やり切ってある」「大丈夫なはず」という状態へもっていくのは大変意味があることなのです。
もちろん本当にやり切ってあったり、本当に大丈夫な状態である必要はありません。
そう思える安定した気持ちが、試験現場で受験生に追い風を吹かせるものなのです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。