【記憶の不思議】なぜ「紛らわしい問題」で毎回正解と反対の解答を選んでしまうのか?」

 これまでも何回か「記憶」について記事を書いていますが、今回は「記憶」の曖昧さについて書いてみたいと思います。

 私たちの多くは、自分が覚えていることにある程度の確信を持っています。

特に大人は自分がしっかりしていると思っているので、約束事やあるいは覚えておくべき細かいことについてそう簡単に忘れたりせず、また自分の覚えていることは正しいと思っています。

 実際の所大体はそれで生活に困ることはありません。

しかしちょっとしたことで、自分の覚えているのと違う事実に直面することがあります。

 たとえば、自分がそこに入れておいたと思った場所に、物がなかったりショッピングセンターの駐車場の場所が分からなくなったり、

あるいは仕事上で考えられないようなミスをしてしまったりと、いろんなことがあります。

 そうなって初めて「忘れっぽくなったかな?」と急に不安になったりします。

「記憶」は、思っているより曖昧であるということに気づく瞬間です。

不思議に反対に覚えていることが多い

 テストの学習では、日常生活以上に記憶の誤りは多く生じます。

そして興味深いことに、一生懸命勉強した人、あるいは、長い期間同じ内容について続けて学習をしてきた人ほど、答えを正反対に書いてしまうことがあるのです。

 このことを長く不思議に思っていましたが、これには理由があるのです。

それはこういう仕組みではないかと思います。

 一生懸命学習をすると、その論点について繰り返し学習をします。

正解が「A1」だとして、これと紛らわしい「A1’」があるとします。

いつも「A1」を書いて正解してますが、ある時「A2」や「A3」が新しく出てきます。

それぞれに紛らわしい「A2’」「A3’」が誤りとしてあります。

そこで長く正解してきた者が

今度は「A1」と「A2」「A3」相互、そして「A2」と「A2’」、「A3」と「A3’」相互を間違えないように気をつけ始めると

そこで自信のある「A1」と「A1’」については取り違えをしてしまうことがあります。

 軽く覚えていた場合には自信がないため、改めて再度記憶し直そうとするので、この症状は意外に軽いのですが

一生懸命学習する生徒は、繰り返して「A1」を正しいものとしてかなりの自信を持っているため

今度はそれに置き換えられた「A1’」という偽りの記憶が、強い記憶として改めて残ってしまうのだと思います。

 実際、学生時代非常に優秀な学力を持っていた人が、教師になって学科の内容を自分で確認しようとした際に、自分の覚えていたのと正反対の内容が正解になっていることが多くて自信を失うということは割とあるようです。

これなどは、上記のような取り違えが起こっていて、間違った情報を強く暗記し直してしまった例ではないかと思います。

 時間を置いた「記憶」ほどいい加減なものはないのかも知れません。

正しい記憶を呼び出す方法

 では「記憶」がそんな曖昧なものだとすれば、テストの現場で紛らわしい内容の事項に関して、正しい「記憶」の方を思い出すにはどうすればよいでしょうか。

 実は、これについては有効な対策方法があります。

自信を持っている論点を含めて「紛らわしい論点」については、直前に必ず見直しをして、かつ、自分が正しい方を思いだすための「手がかり」を確認するのです。

*「手がかり」についてはこの記事で詳しく述べていますので興味のある方はお読みください。https://wizzseiun.com/2020/06/26/memory-2/ 

 ここで気をつけるのは、少し時間が過ぎている時には自信のある論点をカットしてはいけないと言うことです。

むしろ、自信がある論点こそこれをしっかりやる必要があります。

そういう論点では一度取り違えてしまうと

毎回「どちらだったかな」という疑問の繰り返しになってしまうので、大丈夫という思い込みが実は一番禁物なのです。

 学習の段階では、自分がすでにできる内容を繰り返さないと言うのが合理的学習のための鉄則ですが、

このように紛らわしい論点のアウトプットにおいては、むしろ楽勝と思われるところに穴があるので、そこをしっかり固めてテストに向かうべきだと思います。

 試験にもよりますが、難易度の高い国家試験を除いては、紛らわしい論点というのはそんなにも多くあるわけではありません。

直前に確認をすることは十分できるのではないかと思います。

直前の確認でオセロの目のようにすべて色が鮮やかに変わり、テストではすべて正解を出すことがきっとできるでしょう。

ぜひお試しください。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。


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