三角関数・三角比・三角方程式
高校の数学で三角関数や三角比ほど、得意な人と苦手な人がはっきり分かれるジャンルもないかもしれません。
三角比はsin(サイン)cos(コサイン)tan(タンジェント)が登場する、三角形の角と辺の比についての学習で、その後三角方程式であったり三角関数であったりと関連する学習へ進んでいくわけですが、
苦手な人は最初から「何だかよくわからない」と感じてしまいがちであると同時に
得意な人は「これすごく楽しい」という感想を持つことが多いようです。
苦手な人に共通する悩みは何かと言うと「一体何をやっているのかわからない」と言うものが多いと思います。
たとえばsinθ=1/2と言われても、「それが何を指しているのか」その意味がつかめないために難しくかんじているのです。
角度じゃないの?
中でも一番多い誤解が、sinθが角度だという思い込みです。
θ(シータ)は確かに角度を表しますが、sinθは角度ではありません。
sinθ=1/2と言うのを見ればそれはわかりますね。
もし角度であればsinθ=60°とか弧度法を使えばsinθ=π/3という表記になるはずですが、違います。
60°やπ/3はまさにΘの所に入る数で、普通にはsin60°とかsinπ/3というような表現がされています。
じゃあsinθは何でしょうか?
それは形式的には「Θと言う角度を直角三角形上に設定した場合の辺の比を表す数値」という事になりますが、実はこれがピンときません。
もっと「要は何」という説明が欲しいところです。
誤解を恐れずにわかり易く言えば、それはΘを座標面で設定した場合の「y座標の数値」であり、もっと易しく言えば「グラフ上の長さ・距離」という事になります。
それを知らない生徒たちは真面目に三角比の勉強で、三角比っていうのは「比を示すんだよ」と言われていたのに、
なぜか話が進むと突然座標が出てきて、「ここがsinπ/2になるよね?わかるよね?」とか言われるので、「比が何でここの長さなの?えっ角度って言う事?」と混乱して一気にわからなくなるのです。
本当にこのパターンで三角比や三角関数が混乱してしまう生徒を多く見て来ました。
私の感覚では高等数学とは言え、細かい定義定理の正確さにこだわりすぎて、「要するに何」という事があまり書かれていないテキストや問題集にも問題はあるように感じますが
なかなかそういう「基本の基本」的な質問をしにくくしている教える側にも問題があるようにも思っています。
xがcos、yがsin 、傾きがtanでほとんどが解決
だから三角関数を勉強する際の一番のコツは
「自分が今何をやっているのかに早く気付く」ということです。
そのために一番簡単な方法をここでご紹介します。
座標上(単位円を使ったxy座標)でcosはx、sinはy、その座標面上で原点を通る直線を書いた場合の傾きがtanと覚えてしまえば、イメージがしっかりできます。
座標面上に学習の際に(x,y)という座標を書く代わりに(cosθ,sinθ)と書くようにしてもいいかも知れません。
そしてその座標上の点(単位円上)に原点から引いた直線の式が、比例式を表すy=(tanθ)xであり、
もっとわかり易く言えば、sinθ=tanθ・cosθという事になります。
このように一番の基本事項「要は何なのか」をしっかり考えて、問題が解けるために何が必要なのかを知ることは、想像以上にそのジャンルの勉強を面白くさせますから
遠回りと思わずに、一度確認をしてみるといいと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしてまいります。