will be って一体何?意味は「~になる」で合ってるの?
中学英語で、未来を表す助動詞willを学習すると、突然こんな文が登場します。
彼は来年学校へ行くでしょう。 He will go to school next year.
彼は来年先生になるでしょう。 He will be a teacher next year.
最初の文は未来を表す助動詞wii の後ろに 動詞であるgo(行く)が来るのでわかりますが、
2番目の文では will の後ろに be が出ています。
be 動詞が am や is や are であることは知っていますが、なぜここで be という言葉が出てくるのかすっきりしない生徒がここでもたくさんいます。
それで生徒の多くは「そういうものか」と思って丸暗記をしようとします。
しかし、ここでそういう風なやり方をしてしまうと、助動詞が出てきたり、3年で学習する現在完了でbeen というのが出てきたときに、本当に混乱してしまいますから、今解決をしておくべきです。
be の正体
英語初学者がまず学習する動詞には、原形・現在形・過去形などがあります。
go であれば
原形は、一番元の何も変更がない形である「go」
現在形は、3単現のs(es)が付くことがあるので 「go または goes 」
過去形は、「went 」です。
これに対してbe も動詞です。
原形は、 「be」
現在形は、 「am または is または are 」
過去形は、 「was または were 」です。
上記の文で go や be という原形が登場するのは、will のような助動詞とともに使われる動詞は、必ず原形となるという決まりがあるからです。
よくポイント説明では
助動詞+動詞の原形
という形で説明をします。
これだけ説明しても、多くの生徒は「?」という顔をします。
だからそんな時は、元の文を書いて比較して説明します。上記の英文についてwillを入れていない元の文はこうなります。
彼は学校へ行きます。 He goes to school.
この命令文の形を理解するには、上記のYou run.と同様に元の文を考える必要があります。
彼は先生です。 He is a teacher.
どうでしょうか。主語であるHeの後ろにwillを入れると、その後ろにある「goes 」と「is」と言うのが動詞だとわかりますね。
だからこれらを上記の決まりに従って、原形にして「will go 」「will be 」としたのです。
現在形なら「彼は先生です」が、これを日本語で未来の表現にすれば「彼は先生になるでしょう」という意味になりますから、こういう場合には、will be を「~になる」と言う風に訳すのです。
このようにbe がなぜ出てくるか理由がわからない場合は、助動詞を取り去って元の文を考えると、ほとんどの場合意味が分かり解決します。
そして、意味が分かれば記憶はずっと頭脳の中に残るものです。
原形を使う場面ではよく登場するbe
助動詞の場合だけでなく、命令文などでも原形が登場します。
命令文とは、文字通り何かを命令する文ですが、英語圏の国々では、日本語みたいに「あなたは止まりなさい」なんてゆるゆると言っていると、相手に容易に反抗されたりするような歴史があったのでしょう。
命令は極めて短い言葉になっています。
たとえば「あなたは止まる」You stop. を命令文にすると動詞の原形Stopだけで文になります。
命令するのは「あなた」に決まっているので、Youを省略するのです。
止まれ Stop. が命令文です。
なぜ Be kind?
ところが英語で命令文の学習をするときに、生徒がたいてい戸惑うことがあります。
命令文の中にはこんな文もあるからです。
親切にしなさい。Be kind.
多くの生徒は、首をかしげながら先生の説明を聞きます。
「kindはね、形容詞なんだ。だからこうなる」という全くわからない説明を聞いて、そういう物だと暗記をしようとします。
当然記憶に定着するということはなく、何回も間違いを繰り返すことになります。
Be kind.の元の文は、You kind.ではありません。
Be kind.の元の文は、You are kind.なのです。
そこでYouを省き、動詞を原形にしますが、ここでの動詞はareですから、areが原形になりbeとなります。それでBe kind.になるのです。
先ほどの助動詞と同様で、元の文を考えるとbeの役割がわかります。
「まず暗記を」と言う前に
英語は、イディオム(熟語)や語句の変形などの部分で、単純に「こうなっているからこう」というような暗記型の面も多くありますが
文法の基本は、このように理論的な所もたくさんあります。
だからこういう部分は「まず暗記を」とは考えず、「どういう仕組みかな」と一度考えるようにしてください。
そうすれば無駄に暗記をしなくて済むことになるでしょう。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。