先んずれば即ち人を制す
故事成語に「先んずれば人を制す」という言葉があります。
これは、漢の高祖劉邦と天下を二分して争った項羽の事を記した「史記」の「項羽本紀」に出て来る
「先即制人、後則爲人所制」「先んずれば即ち人を制し、後るれば即ち人の制する所と為る」から来ています。
「人よりも先に何かを行えば有利になり、後から行えば他人が有利になる」という意味の言葉です。
勉強でも仕事をする上でも、この言葉が正しいことについては、改めて言うまでもないことだと思います。
準備を早くしたり、他の人が動くよりも早く活動を開始したりすれば有利になることが多くなります。
なぜ踏み切れない
しかし実際には「先んずる」という行動をとれるかといえば、なかなか難しいものがあります。
なぜかと言えば、いろんな意味でスタートに制限がかけられている事が多いからです。
たとえばテストであれば、「テスト週間にならないとテスト範囲が発表されない」
仕事であれば、「ぎりぎりまで上司や発注先から仕事が降りて来ない」という期間的な制限から
「皆まだ何もやっていないに違いない」という先入観、「人より先に何かをやるという事」へのためらいなど心理的なブレーキが、早い準備を妨げます。
では逆に、早い準備によるデメリットはあるのでしょうか。
思い込みによって無駄な努力をしていまったり他人との協調を害してしまって、人間関係が悪くなるというマイナス面が生じたりすることはあるでしょう。
しかしそれ以外にはさほどのデメリットは見当たりません。
プラス面の方が極めて大きいと思われます。
勉強においては圧倒的な威力を発揮
「先んずれば人を制す」という発想は、特に勉強の世界においては圧倒的な威力を発揮するように思います。
勉強というものは、能率にもよりますが基本的に時間がかかります。
あるテーマについて仕上げていくのに、1日~数日で解決するということは稀でやはり一定期間の繰り返しを要する面があります。
そうすると、早くから対策を行った方が効果的であることは間違いありません。
逆に、こういう一定の期間で何かを仕上げていく物事では、準備の遅れ=失敗ということもよくあるのです。
一夜漬け
よく「一夜漬け」という言葉が言われます。これは、テストの直前に慌てて集中した対策をして、何とかテストを乗り切るという意味で使われます。
中学生・高校生くらいの学習内容であれば、それも可能ではあります。
しかしこういう方法はイレギュラーな緊急手段に留めたいところです。
用意周到に準備ができた方がいいに違いありません。
私の実感では、テスト対策の準備は単純に「早ければ早い方が良い」
というよりも「早い者勝ち」というイメージがあります。
なぜ成績を上げたいのに、準備を急がないのか不思議に思うくらいです。
たとえば夏休み明けの課題テストは割と多くの学校で、課題の内容そのままのテストが行われます。
このことから対策としては、①早く課題を仕上げてしまう。②課題で間違えたところを中心に2回目3回目をやる。③直前にもう一度見直す。というのが非常に効果的です。
この方法を取って過去に劇的に順位を上げた生徒は数え切れません。
特に中1については、まだ学習内容がそんなに多くないので、それまでどれくらいの成績であっても、夏休みの課題テストでいきなり10位以内を取ることは不可能ではなく、過去にも相当そういう事例を見ています。
まさに準備の「早いもの勝ち」の世界です。
早い準備にはさらに別のメリットがあります。
それは、準備が楽になると言う点です。
当然ですね。
やるべきことが10あるとしたら、これを1日でやれば1日でやることは10ですが
5日でやれば1日2で済み、10日でやれば1日1で済みます。
自分を楽にするためにも、準備を早くした方がいいのです。
ぜひ一度考えてみることをお勧めします。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。