記憶は嘘をつく
私たちは何気なく「こうに違いない」と思って、自分の記憶に自信があっても
予想外にそれが違っていることがあります。
あまりに大きく違っている時には、最近では「マンデラエフェクトだ」とか「世界線が変わった」という言い訳もありますが(マンデラエフェクトについてはまた記事を上げたいと思っています。個人的にはありと考えています・・・)
やはりそうもいきませんね。記憶違いは自分の思っている倍以上はあると言っても良いでしょう。
脳と言うものは精巧なようで大胆にできていて、不要な記憶はどんどん消去してメモリーを十分に保存できるようになっているようです。
一説には消去ではなく奥底に眠らせているという考え方もあるようですが詳しい事はわかっていません。
明日現場で差配するための手順や安全確認のためのステップを覚えている現場監督が、それを記憶しておくために、昔習った漢字を1つ2つ情報から消去していっても不思議ではなく、むしろそれこそが脳の役割と言ってもいいかも知れません。
そういう意味で記憶が嘘をつく、つまり「どんどん忘れていく」ということは、人が上手く社会生活を過ごしていくための方法として一つの必然なのは間違いのないところです。
思いがけないミス
テストの際に自分が思っていたのと異なる「思いがけないミス」が出る時があります。
ケアレスミスと異なる確信犯的なミスです。
たとえば「奥」という漢字がありますが、漢字の下にくる文字は「大」です。
ところが、これを上を突き出さないで書いてしまう人がたくさんいます。
異字体(書道などで書く場合など)としては突き出さずに八や人を書く書き方も存在しますが、奥の普通の漢字としては誤りになります。
たぶん最初に四角に「米」と覚えてしまっていて、そういう先入観で書いてしまったりしているのではないかと思います。
私たちには、思っているよりずっとたくさんの先入観による誤りがあるようです。
言質を取る
正しい漢字の読み方でも、思っている以上に勘違いがあります。
たとえば「言質を取る」という言葉があります。
証拠になることを相手から引き出すことを言いますが
この正しい読みは「げんちをとる」です。
ただ一般には「げんしちをとる」という読み方が、かなり使われています。
こういうのを慣用読みというようですが、多くの人が「げんち」とは読まず「げんしち」と読んでいるようです。
かく言う私も、生徒に指導をする前は「げんしち」で読んでいました。
指導に当たって洗い直しをした際に、初めて正しいのが「げんち」であると気づいたので、あまり偉そうなことは言えませんが
このように正しい読み方でないことを知らないままという事は結構あります。
まあ世間で通用すれば、それが正しいと言ってしまっても別に私は良いと考える派ですが、
慣用読みですので「げんしち」で学校の漢字テストに解答すれば、不正解にされる可能性はありますね。
最初にしっかり確認する
こういう先入観による誤りは、ほぼすべて最初に覚える際の詰めの甘さによって生じています。
「こんな感じじゃないかな」「まあこの程度で」という感覚で暗記をしていくと
うろ覚えのものが出て来てしまうのではないかと思います。
慣用読みのものについては、おそらく漢字の学習ではきちんと「げんち」と習ったのに、誰かが「げんしち」と言っているので、
記憶が曖昧な私は、「げんしち」で定着をしてしまったのでしょう。
最初の記憶がしっかりしていれば、おそらく「あれ?」と思って調べなおしていたはずです。
後になって振り返りもう一度正しい内容を覚え直すのは、予想以上に手間がかかります。
場合によっては自分だけ間違いに気づかないで恥ずかしい思いをすることもあります。
以前ある大臣が「未曽有の(みぞうの)」を「みぞうゆう」と呼んでずいぶん長い事メディアに批判されていましたが、公の場ではそういう揚げ足取りで政敵に攻撃をされたりすることもあるので、やはり常識的な範囲では漢字の読みをしっかり覚えておくことは大切です。
ちなみに「未曽有の」は高校生以上であれば、普通は読めないとまずい漢字だと思います。
ポイントは、最初にきちんと押さえておくことですね。まさか大臣執務室で習い直すなんて、ドラマじゃないし、できませんから・・・。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。