次数
中学1年生2年生の数学で次数について詳しく学習をします。
次数は、文字式や方程式で積として現れる各項ごとの文字の数です。
最近よく話題になっている4次元5次元などととはちょっと違いますが、2次元平面が2つの方向性である縦と横の掛け合わせ(x軸y軸)で成り立ち、3次元が縦横高さ(x軸y軸z軸)で成り立っていることを考えると、思考法としては似た意味があり
高次方程式や複素平面などが出てくる高等数学では、次第にリンクする場面もあります。
生徒も「4次元って何?」とかいう学習なら俄然やる気が出るのでしょうが、「4次ってどの項?」という学習だと少しボルテージも低くなりがちです。
たとえば単項式の場合、2xなら文字は1つなので1次、2x2なら2次になり
多項式なら、2x+3は各項の最大次数が1なので1次、2x+3y2なら2次となります。
次数には意味がある
このような次数ですが、生徒たちは1次式2次式、あるいは一次方程式二次方程式、一次関数二次関数という区別に出てくるという事以外には、あまり意味がないと思っています。
しかし次数を意識しておくことが問題を正しく解くのに役立つことがあります。
たとえば3年生になり二次方程式を学習した際に、生徒たちが因数分解による解法を学ぶ場面があります。
(Xー2)(Xー3)=0であれば、Xー2=0のとき、またはXー3=0のときにこの式は正しいと言えるので、X=2とX=3の2つの解が出ます。
二次方程式なのでXの正体である解が2つ出てくるのです。
*重解や虚数解はここでは除外して説明しています。
ところが生徒たちの多くが、今度は X(Xー2)=0という問題になると首をかしげてしまいます。
「先生、これは2だけが答えですか?」というわけです。
もちろんこの式は X=0のときとX=2のとき双方で式が成り立つので、解はX=2だけでなくX=0もあるのですが、二次方程式の意味を漠然ととらえていると、こういう所がよくわからなくなります。
二次関数のxの値は2つある
関数についても、一次関数はグラフ上は直線なので、1つのyの値に対応するxの値は1つだけです。
しかし二次関数は、放物線と言う曲線の形になります。中学で習う基本形のy=aX2 であれば、原点を通りy軸を対称軸とする左右対称な曲線のグラフを描きます。
だとすると、1つのyの値に対応するxの値は0を除いて必ず2つになります。
たとえば y=2X2においてX=6のときのyの値を求めよという問題があった場合に
単純にX=6を式に代入すればy=6×3×3でy=54です。
反対にy=2X2においてy=18のときのyの値を求めよという問題の場合には
y=18を式に代入すれば18=2X2で、2X2=18となり、X2=9となるのですが、
大体の生徒はここで「あ、わかった!3だ」と言ってX=3と答えてしまうのです。
割合で言うと7~8割の生徒がこういう解答をします。
これには実は理由があって、二次関数の直前に二次方程式の利用を学習するため、たとえば立式をしたXの解が、X2=9という手前の段階まで出てX=±3となっても、「-3は解に適さないから解は3」というような意識を身に着けたところなので、二次関数も恐らくそうだと思ってマイナスの解を除外してしまうようです。
しかし二次関数の1つのyの値には2つXの値が対応するので、X2=9ならばX=±3というのが正解になります。
グラフで考えてみても、双曲線で左右に曲線があるならば、y=18に対応するx座標は
X=+3とX=ー3の双方があるはずですよね。
学習のつながり
特に数学のような理論的な整合性が認められる科目では、以前学習した内容と現在の学習内容がつながっていることが多くなります。
だからそれぞれが独立の単元であっても、なにかつながりがある可能性があるので、そういったところを注意してみていくと、意外にミスがなくなったり、あるいは深い理解ができることも多いのです。
それが学習の難しさでもあると同時に、学習の楽しさでもあるので、ぜひ一度そういうことについても考えてみてみるといいですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。