【敵を知る】読んでいますか?「テスト範囲表」

定期テストのシーズン

 定期テストのシーズンを迎えています。

テスト前の生徒たちの様子は千差万別です。

「次こそは自己ベストを」と燃えていて、「先生テスト前はどうやって勉強すればいいですか」と聞いてくる生徒。

「ああ、もうテストすぐだった」とテストが近づき始めて慌て始める生徒。

 こういう生徒は、対策をバックアップするにも、多かれ少なかれ「自分の対策」と言うものを持っていることが多いので、フォローをしてあげれば順調に行く場合が多いように思います。

しかしテスト習慣に入っても一向に「テストがある」という事に意識や興味が向いていないように見える生徒もいます。

もちろん実際はそうではなく、内心では「どうしよう」と焦っていたりするのですが、傍からはそういう風には見えないのです。

 こういうタイプは例外なく「何をやっていいのかわからない」という状況にあります。

「範囲表、見ていません」

 定期テスト直前の時期にテスト対策学習をやっていて、生徒に「ここはテスト範囲に入っていたよね?」と聞いた際に

「わかりません」という返答が来ることがよくあります。

詳しく聞いてみると「範囲表、見ていません」という驚くべき返事が来たりします。

 テストに出るところを知らないでどう対策するのか?そんな疑問が浮かびますが、

範囲表をもらっても、宿題のページ確認用のプリントぐらいに思ってしまっている生徒もかなりいるのが現状です。

自分の試験だという意識

 現在多くの学校では、テスト範囲表も多くの場合、宿題が詳しく大量に記載されていて、

先生にもよりますが「ここを出すよ」というようなヒントも書いてあって、至れりつくせりのものが多いように感じます。

 昔と思うと生徒は実に多くの先生や周りの人に「お世話をされている」という状況であるような気がします。

 ただ、これは「良い」という意味ではありません。

主体的に自分の試験だという意識を持ちにくくなっている現状があるような気がします。

「数学 連立方程式の利用 一次関数(一次関数のグラフまで)以上」というような範囲表で実は十分なのです。

教科書のページは自分で調べ、微妙なら先生に聞きに行き、副教材など宿題にしなくても自分で必要のあるところだけやっていけば、対策はむしろ合理的にできます。

 生徒のことを親身に思ったり、また質問に殺到されても困るといったことから、現在のような形が主流になっているのは十分わかりますが

生徒が主体的に考えることができなくて

試験の情報は、全部学校の先生任せ

対策は、塾の先生任せ

という気分になってしまっているとすると、今は大丈夫でも先々それでいろんなことを乗り越えていけるのかどうか若干心配にはなります。

魚を獲ってもらっても魚の獲り方は覚えられない。

 勉強は、自分が中心になって「何が、自分にとって今やらなくてはいけない学習か」「どこを補強すれば、点数が伸びるのか」「自分に足りない点と上手くいっている点はどこか」ということを自分で考えていくことで、先への指針が出来てそれが学習に良い効果を生んでいくものだと思います。

 ただ与えられたものを受動的にやっているのと、自発的に考えてやっていくのでは、成績の伸びももちろん大きく異なってきてしまうことでしょう。

「考える学習プランニング」ということを、自分でできるかどうかは、長期的なスパンで学習を考えた時にはとても重要なことになってきます。

 だからせめて範囲表くらいは、隅々まで見るようにしていきたいものです。

「魚を獲ってもらっても自分では魚の獲り方は覚えられない」とよく言われますが、その通りで、手取り足取りでやり方の指示を受けているという状態は、いずれ変えていかなくてはなりません。

ただこれはそう簡単ではないので、そのための助け舟としての「範囲表」なのですが、それさえ見ていなければ、そりゃあ「何をやったらよいか」など考えが浮かぶはずもありません。

 まずは「範囲表」を見て最低限のやるべきことと期限を確認する。そして早めにそれを仕上げる。そこからがスタートです。

そしてそれを仕上げる頃には、不思議なくらい次に何をしないといけないかが思い浮かぶものです。ある程度の準備をして初めて自分に欠けている点や弱点がわかるからです。

その段階に行けば対策はどんどんうまく行くと思います。

 まずは「テスト範囲表を読む」そこから始めてみてください。

今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしてまいります。

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