答案というもの
テストではもちろん答案を提出します。
この答案というもの、考えてみればそれへの評価や評点によってその後の色々なことが左右されかねない、大変受験者にとって重要な意味を持つものです。
もちろんこれは試験が重要と言っているわけではありません。ペーパー試験でテストできることなどごく限られています。
しかし答案というものは、試験を受けるのであればその結果がすべて詰まっているものなので、採点をする人にその結果をしっかり見てもらわなくては意味がありません。
ところが勉強は一生懸命やるのに、肝心の答案については本当に適当にざっと書いてそれで採点者にすべて任せてしまっているという人は極めて多くいる気がします。
読み間違いをされやすい字
テストでも普段の学習時でも、自分はそのつもりではないのに添削者に誤解される字を書く生徒は多いです。
今日はその話をしたいと思います。
一番多いのが、2とZ、bと6です。
以前はほとんどの学校の数学の先生が、zには真ん中に横線を入れるように指示したり、bについては筆記体で書かせたりして、誤解されないように指導をするのが普通でした。
しかし、最近はこの指導をやっている先生が少なくなったように思います。
そのためたとえば、3z+y=2zという途中式を自分で書いていて、3z+y=22になって全く解答か違ってしまったり、3a+3b=6b が、3a+3b=66になったりします。
特に普段から字を汚く書く習慣の生徒はほとんどこれをやってしまいます。
筆記体でなくても大小で見分けるとか自分で違った書き方をすればいいのですが、それもしないため、頻繁に自分の書いたのが6なのかbなのか混乱している状態を見かけます。
実に無駄な確認な上に、ミスも出やすく能率が悪いです。
「数学の先生は×にしないから」と言ってzに印を入れたりbを筆記体で書くことを勧めますが、やはり学校の先生が明示的に言わない限り、これについては変えられる生徒がほとんどいません。採点されるときに✕にされるかもしれないというのはやはり怖いのです。
したがって、学校で先生がしっかりアドバイスしてくれることを望みます。
字が薄い、字が小さい
薄い字や小さい字も誤解をされやすいです。
見えるかどうかわからないような薄い字や、私のような中年で小さい字が見えづらくなっている教師には見るのがつらい、きわめて小さい字を書く生徒がいます。
なぜそんな字を書くかと言えば、癖というのもありますが、多くは答えに自信がないのではないかと思います。
共通の事として、そういう生徒は自分の文字が読みにくいとはあまり思っていません。そのため例えば判読不明で✕をつけると「なぜ正解なのに✕をつけるの?」ということを主張します。
しかし答案は採点者が読めなければ正解にはなりません。この点は注意すべきです。
おそらくこれは指導者にはある程度共通の事だとは思いますが、客観的にはほとんど読めないような字でも何とか解読して採点をしてあげようとはしていると思いますが、
採点をしたことがない人がもし答案を見る機会があれば、即「まったく何も読めない」と言うような文字を書く生徒は相当数います。
そしてこのような生徒でよく見かけるのが、マイナスの符号が文字の前に非常に小さく書いてあり(線というより点に近い)採点者が読み落とすという事態です。
長年採点をしている私が頻繁に読み落としをしてしまうレベルなので、普通の先生ならまず確実に✕にして終わりだと思います。
これも注意していく必要があります。
わかりやすくしようとして✕にされる例もある
最後に採点者が誤解しないように工夫をして、かえってミスにされてしまう例を書きます。
それは、1の書き方です。物理・化学などでよくある例ですが、アルファベットのアイ(I)やエル(l)と誤解されないように1を書くときに必ず上を折り曲げて活字のように書く生徒がいます。
これ自体はむしろ工夫であり良いことで、もちろん普通は✕にされたりはしないのですが、慣れてくるとこの書き方は数字の7に近くなってきてしまうのです。
それで今度は逆に7と取り違えられたりして✕になっている例を見かけます。慣れてきたころには注意が必要となります。
何にしても、読む相手がいるということを意識していないと誤解は生じるものです。
学校のテストなどであれば、できれば具体的に採点者の顔を思い浮かべてその先生に読んでもらうんだという意識を持って答案を書けば、こういう誤解を生む表記は自然と減るように思います。
今後もお役にたつ情報をアップしていきます。