【秋の空を見上げて】「鰯雲(いわしぐも)」「鱗雲(うろこぐも)」そして「彩雲(さいうん)」

秋の空

 秋になると空気が澄んできて空が高く感じられるようになります。

日本人だとやはり運動会と青空なんていうのが秋のイメージですね。最近は春に運動会をやる学校が増えてきたりして実際には色々になってきてはいますが・・・

 そしてそんな秋の空にぴったりなのが、小さな雲がたくさん並んでいて模様のように見える秋の雲たちです。

夏と言えば入道雲(積乱雲)ですが、秋と言えばこのタイプの雲がすぐ思い出されます。

鰯雲(いわしぐも)

 そんな秋の雲を見ていると、何だか鰯がたくさん泳いでいるように見える形をしていることがあります。

これが鰯雲(いわしぐも)と言われるものです。雲の種類としては巻積雲(けんせきうん)というタイプです。

地上5~13kmくらいの所にできて厚さはそんなにない雲で、すぐに雨を降らせることは少ないのですが、雨の予兆を示す雲として知られています。

「鱗雲が出たら3日のうちに雨」と言われたりもしています。前線や低気圧が近づいた時期に表れやすい雲だということです。

鰯は大群になって泳ぐことが多いので、鰯雲もそういういっぱい鰯が泳いでいるようなイメージから来ているネーミングですが、これを日本人の風流と取る人も多いと思います。

逆に魚がそんなに好きではない人にはあまり好ましくない名前なのかも知れませんね・・・

ちょど時期的な事と低気圧の接近によって適度に海が荒れるためか、鰯雲は大量の兆しとも言われてきました。

鱗雲(うろこぐも)

 鱗雲(うろこぐも)という言葉があります。これは文字通り魚のうろこのように見える雲という事ですが、実はこれも形が違って見えるだけで巻積雲の事を指していますから、雲のタイプとしては鰯雲と同じものです。

秋のこのような巻積雲としては、目に見える形の違いで、鰯雲、鱗雲という種類の他にも、鯖雲(さばぐも)という鯖の鱗のような形に見える雲もあります。でき方や性質は同じですが、昔の人は空を見上げて色々なことを考えてこれを名付けたのだと思うと、何だか微笑ましい気持ちになります。

もちろん鯖雲も大量の兆しと言われています。イワシの群れの近くにはアジやサバがたくさんいるため同様にサバも釣れるということのようです。

彩雲(さいうん)

 このような巻積雲が出ている時に光の加減で、雲のふちがピンクや緑色っぽく鮮やかな色に見えることがあります。これを彩雲(さいうん)と言いますが、昔から吉兆とされてきました。瑞雲(ずいうん)とも言います。

 この現象は、太陽の光が雲の中の水滴で回折(光が障害物の影側に回り込む現象)した際にその角度の度合いが光の波長により違うために生ずるもので、このような巻積雲の他にも、巻層雲、高積雲などでもみられることがあるようです。

雲には色々な名前があり、日頃よく聞くものもあれば変わった名前のものもありますが、秋の雲の名前をこのように見てくると、昔空を見上げて雲を見つめてあれこれ考えていた人々の気持ちがちょっとわかる気がして楽しいですね。

 今後も皆さんのお役に立ち情報をアップしていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA