デジタル信号
おそらく皆さんは、スマホやコンピューターなどで使われるデジタルデータが「0」と「1」の2つの数の組み合わせ(2進数)で表されていることは聞かれたことがあるかと思います。
アナログとは異なり、このような仕組みがデータの一番基本にあるために、基本的にはデータが劣化することなく、データの移動や複写・保管・通信が非常に容易になったと言われています。
これは今量子力学で研究が進んでいる、この世界を構成する最小の存在がひも状の単純なものであること(超弦理論)の考え方と似たところがあります。
情報と言うと、複雑な文字データから映像データまであり「非常に複雑で巨大なもの」と思われていて、そんな「0」と「1」というような単純な数値の組み合わせですべて成り立っているなどとは、実際には想像しにくいところです。
しかし実際にはデジタルの世界では、すでにそれが可能になっていると言えます。
この事と量子力学での超弦理論による発想を比較してみると、この世界も実はデジタル的な世界ではないかという疑問が生じてきます。
そんなところから、この世界が仮想現実であって誰かが創りだしたゲームのような空間ではないかという考えも最近台頭してきています。
何回かご紹介をしたシミュレーション仮説もそういう方向性を持った理論ですが、科学の進歩がこの先色んな事を解明してくれると思うとワクワクしますね。
いずれにしてもデジタルデータの仕組みは素晴らしい科学技術だと言えます。
電気信号
これまでデジタルデータはこの「0」と「1」の信号を電気信号で送っていました。
単純に電気のOFFとONの切り替えで「0」「1」の信号を表すことができるので、それを信号として使えば、どんなところへもデジタルデータを送れることに気づいたからです。
ずっとネットを使っている人ならご存じだと思いますが、通信のスタイルとしてのISDNという電話線を使用したデジタル回線のインターネット通信技術が世界的な主流でした。
ISDNが普及するまでのインターネット接続方法はアナログ回線でしたから、デジタルの方式になったことで画期的な進歩がこの時にすでにもたらされていたと言えます。
しかしその後もデジタルデータを使った情報の利用が進み、私たちの生活に必要不可欠なものとなっていきました。
そのため人々は更に通信速度の向上を求め続けていました。
そしてその結果登場してきたのがさらに素晴らしい光通信という技術です。
光信号
電気信号のOFFとONで「0」「1」が伝えられるなら、もっと速い光の点滅でそれを伝えたらどうか?
私は専門家ではないのでこのあたりの事情を知っているわけではありませんが、おそらくこういう発想がされて光通信ができたのだと思います。
実際に今通信技術としては主流になっている光通信には、そういう技術が使われています。
しかし、「光の点滅を一体どうやって遥か彼方まで伝えることができるのか?」もちろんそういう問題が生じたはずです。
単純に考えて光は周囲に広がってしまいますし、もしケーブルの中に閉じ込めたとしてもケーブルの壁に吸収されて遠くまで行く途中で弱まってしまうのではないかと思われるからです。
これを解消してどこまでも光の点滅を伝えることができるようにしたのが、光ファイバーという仕組みです。
そしてその仕組みの核をなすものが全反射の原理です。
全反射とは、光がある物質から屈折率の異なる他の物質に入ろうとした時、入射角が一定の大きさ以上になると境界面で光がすべて反射してしまうという現象です。
全反射の仕組みによってケーブルの中を光が次々に反射を繰り返して半ば永久的に伝えられていくことが可能となったのです。実に凄い発明だと言えます。
全反射については中学の理科で学習しますが、「全反射は光ファイバー」というように暗記をしてしまっている生徒が大半で、なぜこれが世の中を劇的に変えた現象なのかを理解している生徒はほとんどいないような気がします。
教科書にしても授業にしても「どこまでも光を送ることができる」ことの凄さというのをもう少し子どもたちに知らせる工夫が必要な気がしています。
科学技術は日々進歩していますが、難しい用語として暗記していくだけの学習は本当に面白くありません。
「なぜ?」「何のために?」とか「どういう風に役に立っているのか?」というようなことをちょっと考えるだけで、学習は一気に楽しく興味深いものになると思います。
だから何事にも、まずは疑問を持って調べてみるということが大切だと思っています。これは子どもだけでなく大人であったも同様だと思います。
色々知らない事を知るという事は実に楽しく心を湧き立たせる事ですね。
こんごも皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。