聞いたことがあるのに漢字を知らない
私たちは日常で色々な言葉を使って話をしていますが、いざ文字を書いてみようとすると意外に漢字が分からないということがあります。
各場合には、ひらがなで書いてしまえばよいことですが、読めないというのは実際に困ることがあります。
もちろんネットで検索をすればいいのですが、自分が文章を書くときにはまあいいとしても、誰かと話していてその相手の方が漢字を駆使して文章を書く方だったりすると、
「あの~この字は何と読みますか?」
「こちらは何と?」などと繰り返して聞くのはちょっと気が引けるものです。
二進も三進もいかない
「二進も三進もいかない」
こんな言葉を目にしたことがある方はそんなにいないかと思います。
「二進って何?数学?」そんな風に思われる方も多いかもしれません。
しかしその勘は当たっています。
「二進」「三進」というのは、江戸時代まではよく使われていた「八算」という割り算の九九にあたる計算のやり方で
「二進一十(にしんのいちじゅう)」が2を2で割ると割り切れて答え(商)1が立つことを表し。「三進一十(さんしんのいちじゅう)が3を3で割ると割り切れて答え(商)1が立つよ言う形を示していたようです。
だから「二進」「三進」はちょうど割り切れる事を示す言葉だったのです。
この「八算」はそろばんの計算である珠算と同様の考え方をしていたこともあり
「二進も三進もいかない」というのは、そろばんをはじいても思うようにならない事や、計算通りに運ばないことを示すことから生まれた言葉だと言われています。
つまり「行き詰ってどうにも行動を上手くとることができそうもない状態」ということになります。
「でもそんな言葉聞いたことないな」
そう思われる方も多いでしょうが、読み方を聞けば、「ああ、あれか」と感じる方が多いと思います。
「二進も三進もいかない」は「にっちもさっちもいかない」と読みます。
「今月は色々予定がつまってしまっているのに、準備が間に合わなくて、二進も三進もいかない」などというような使い方をします。
「ニッチ」とか「サッチ」とかの発音を聞くと、何だか英語のようにも聞こえるのに、こんなきちんとした漢字があったということが驚きですよね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。