【違いが分かるかな?】「栽培漁業と養殖漁業」「二期作・二毛作・輪作」

アバウトなイメージ

 日常的にそれを正確に覚えておかなくても、実際にはあまり困らない「違い」というものがあります。

たとえば「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」はそれが発生した場所によって名称が違うだけですが、気象情報では何だかよくわからないような詳しい説明がされたりします。

でも日常的には「ああ低気圧ね。雨かな」くらいの認識でも実際にはあまり困りません。アバウトなイメージで全然大丈夫だと言えます。

 だから逆に、いつまで経っても「違い」が覚えられずそのままになっているという事は、誰でも結構あるかも知れません。

しかし学習となるとそれでは困ってしまいます。テストに出てきたときに「何となく温帯的圧かな」では✕になってしまいますから、正確に判定できるようにしておくことが必要になります。

類似用語がたくさんある地理の学習

 地理の学習をしていると、よく似ているが意味が違う類似用語がかなりあることに気づきます。そしてその類似用語は、だいたい別のところでぽつんぽつんと出てきます。

 ところがテストでは、それらがまぎらわしい形で出題されることも多く、繰り返し同じ間違いをする生徒をよく見かけます。

 たとえば三角州と扇状地は、同じような形状にも感じる地形のため、非常に多くの生徒が混乱して間違えています。

三角州は、川の下流で海に注ぎ込むところ(河口)にできたものであるのに対して、扇状地は、山地を流れてきた川が盆地や平野に流れ込む場所にできるもので異なります。

 こういう類似の用語は一度きちんとまとめてしっかり覚えておけばいいのですが、何となく出るたびに「ああそうか」と思ってそのままにしている人が多いのだと思います。

栽培漁業と養殖漁業・促成栽培と抑制栽培

同じようなものの代表例として、栽培漁業と養殖漁業があります。

おそらくこれも、何回出てきても間違えるという生徒が多いのではないでしょうか。

栽培漁業は、魚が稚魚になるまでは人間の手で育て、その後放流して自然の海で成長させておいてこれを獲る漁法ですが、養殖漁業は最初から最後までいけすや水槽で育てて放流はしないという漁法です。

 同様に、促成栽培と抑制栽培もどちらだったか聞かれるとわからなくなる人がいます。

促成栽培は、普通の露地での栽培よりも早く栽培や収穫・出荷を行う栽培方法であるのに対して、抑制栽培はその逆(遅らせる方法)になります。

 こういう類似の用語をまとめておくのはとても重要です。

また、自分の頭で勉強をしている実感があるので勉強が楽しくなると思います。

二期作・二毛作・輪作

二期作・二毛作・輪作なども同じタイプのものです。

有名なのは二期作ですが、実は二毛作や輪作なども別のところで出てきます。何となく学習していると、すべて二期作と思い込んでしまう危険があります。

二期作(にきさく)は、同じ耕地で1年に2回同じ作物を作ることです。

これに対して二毛作(にもうさく)は、同じ耕地で1年に2種類の作物を作ります。

輪作(りんさく)は、同じ耕地で数年の間に数種類の作物を順に作ることです。

何となく似た用語ですが、このような違いがあります。

「期」の意味は時期で同じ事を繰り返すイメージなのでわかりますが、「毛」というのが何となくわからない人も多いと思います。

「毛」という言葉には「植物」「栽培されるもの」というような意味があるようです。

 法律用語で(今はあまり使いませんが)「稲立毛(いなたちげ)」というのがあり、これは刈り取り前の生育している稲のことを言いますので、

この事からも、読み方は違いますが「毛」の文字には「生えている植物」という意味があるのだと思います。

だから「二毛」は「2つの種類の植物が」というような意味で覚えると良いと思います。

「輪」については、わかりやすいですね。ぐるぐる順に繰り返すイメージです。

 これらは、イメージづけをして一度きちんとまとめておかないと、いつまでたっても間違いを繰り返す用語だと思います。

類似用語への対策、比較暗記

 類似の用語が出た時に、「あれ、前に似たようなものがあったぞ」と気づくことについては、おそらく多くの生徒が経験があると思います。

大切なのはその次の行動です。

一度戻って、どこで出たのか確認して比較してそれをまとめておく、このことがとても重要です。

これをやるかやらないかで大きな差が出てくることは間違いありません。一度そうやって比較して印象付けて覚えると、なかなか忘れにくくなります。 それが自分にとって武器になります。

なぜなら、皆何となく「ああ、そうか」で済ませてしまって、何回も間違えているからです。皆たった一手間を惜しんでやらないからです。

 そして何となく通り過ぎると、いつまで経っても記憶は「何となく」のままになります。

「気付いた時に」、面倒でも「しっかり確認して」その時に、類似語句相互を「比較をして、違いをよく確認する」

これをやるだけで、本当に違ってきます。

比較自体はそんなに難しい事ではありません。上記のように「語句の違いはなぜかな?」といったことを考えれば、それがそのまま印象付けになり記憶に刻み込まれます。

少しの手間ですが、こういう確認が実は後日大きく生きてくるのです。

ぜひお試しください。

今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。

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