【読める化学式】「酸化・硫化・塩化」暗記なんか不要です。

考える学習をしない習慣

 「学習」というものをどうとらえるかについては、人により色々だと思いますが、

「学習」の本体を「何かを覚える事」であると思っている人は、予想以上に多いかも知れません。日々のほとんどの学習を暗記をベースに行っている人も意外に多いように思います。

暗記力がある人間にとっては実はその方が楽である場面もあるからかもしれません。

しかし、もちろん暗記しなくてはいけない事もありますが、それは学習のあくまでもパーツに過ぎません。「学習」の本体はやはり「考える事」であると思います。

たくさんの情報を知識として知っていたとして、それは受験や社会生活に役立つことも多いのですが、

その情報を組み合わせたり、論理的に推論して押し広げて状況を見抜いていくという事ができなければ、固定観念の中にとどまってしまう危険もあります。

「知識を暗記する」ことだけを「学習」だと思っている場合、もしその知識を教えてくれる人が故意に間違ったことを伝えてきた場合には、手も足も出ません。

しかし「考える力」があれば、疑いを持つことができます。

 世界の歴史は現代のこの時点に至るまで、為政者による情報の捏造とそれに基づく教育、そして情報統制の歴史であったと言えます。

たとえば第二次世界大戦下の日本では、「鬼畜米兵」という思想を徹底的に子どもに教育していましたが、考える力がない者は単純にそれを思い込んで、全体国家体制に手も足も出ませんでした。

しかし考える力を持っていた人は、「米兵だっておそらく同じ人間に違いない」という当たり前の思考をしていたことでしょう。

ではその二人がその後どのような状況になっていったか、それを考えてみる事です。もちろん体制に逆らうなどということを言っているのではありません。単純に「教えられたこと」を「覚える」という事では、それがひっくり返った時にはどうしたらいいか途方に暮れてしまう上に、自分の行動指針も持てなくなってしまうという事になる危険があるということです。

「考える」という事は主体性のある行動であり、何より楽しいはずです。

それこそが常に「学習」と言うものの本体であると考えるべきでしょう。

勉強のコツをつかめない理由

 生徒が勉強をしているのを見ていて、「これはやり方が悪いな」と思うことはたくさんありますが

その理由になっている大きな原因は、やはり「教えてもらう」という意識かも知れません。

自分で学習時に「何か法則はないか」「簡単なやり方はないか」と常に注意して見ていれば、勉強には「コツだらけ」であることがわかります。

また実は参考書や教科書にも、きちんとそういうコツが書かれていたりします。

だからまず、自分の頭で考えて吸収していこうという意識を持つことが重要です。

化学式の読み方

 中学理科で化学式を勉強します。

たとえばCOは二酸化炭素、H2Oは水というような化学の基本の学習です。

生徒は一生懸命暗記をしていきますが、元素記号や化学式、化学反応式には、もちろん規則性のある決まりがたくさん定められています。

 それらがすべて教科書に書いてあったりするかというと、作成者も「見ればきっとわかる」というようなことまでは書いてなかったりします。

微妙なのが化合物の化学式の読み方で、本によっては詳しく読み方が書いてあるものもありますが、割愛してあるものもあります。

教科書にはある程度触れているものが多いので、生徒は一度は習うのですが、しっかり意識して覚えている生徒は少ないかも知れません。

 たとえば CuOは酸化銅というような読み方は、実は暗記しなくても基本パーツを知っていれば読むことができますが、それに気づかず、一生懸命丸暗記をしている生徒が多すぎでびっくりすることがあります。

 Cu(銅)とO(酸素)が化合してCuOができることについて、酸素が化合すること(酸化)に着目すれば、酸素がくっついている化合物は「酸化~」と読むことは容易に気づくことができます。

なにもCuO=酸化銅という暗記をすることはないのです。

自分の頭で考えるということ

 これは中学生の初学者ではなく、高校生で大学受験を前にした生徒などでも、時々「先生、この化学式が読めません」と聞いてくることがあるので驚きます。

たとえばAlO3とかと酸素が3つあるので(三酸化)難しい気がするのか、わからなかったりする生徒がいるのですが、単純に「酸化アルミニウム」と読めます。*別名はアルミナ

酸素がくっつくことを酸化と覚えておけばいいだけのことなのですが・・・

 他にもS(硫黄)が化合すれば硫化

 Cl(塩素)が化合すれば塩化 など判別法はいくつもあり、しかも単純です。

COがくっついている場合は「炭酸」の言葉になります。

 少しひねりがありますが

炭酸というものがH2CO3であり(CO3自体では存在しない)、CO3のイオンが「炭酸イオン」で学習に登場することが多くあるため、それを見れば言葉の規則性にも気づくことができます。

 たとえば中学校で出てくる NaHCO3 の読み方は難しいと思っている生徒が多く、化学式も自分で書けないという生徒がほとんどですが

Na(ナトリウム)H(水素)CO3(炭酸)という3つのパーツを知っていれば、簡単にこれが「炭酸水素ナトリウム」であることがわかります。

そして逆に「炭酸水素ナトリウム」という言葉を聞いたら

後ろからCO3、H、Naと書いていけば(化学式と読み方は普通順番が逆になっている) NaHCO3をいつでも書くことができるのです。

 この分野の知識は、ほんのちょっと気を配るだけで法則に気づくことができることが多くあります。

単に丸暗記をするのではなく、規則性について自分の頭で考えてみるということは、勉強を面白くするコツでもあります。

そして同時に学習効率が格段に上がることは間違いありません。ぜひお試しください。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA