【一体の変わった使い方】「一体彼は全く知らない」…なにそれ?「一体にこの辺りは雨がよく降る」…一帯の間違いでは?

一体生徒が全然悪いです。  私たちは日本語を使っていて、自分がよく使う言葉については、「きっとこういう意味に違いない」という確信を持っているものですが、 実はその用法以外の使い方があることもあります。 たとえば近代文学の小説などを読むと「おやっ」と感じて、それで気づいたりします。 私の場合は「一体」という言葉の使い方について、小説を読んだりした際に違和感を感じるこ... (続きを読む)

【美しい言葉】「にほふ(におう)」は元々「目で見て美しい」だった。

にほふ(匂ふ)の元々の意味  万葉集や古今和歌集で「にほふ(匂ふ」という言葉が時々登場します。 現代仮名遣いでは「におう」になりますが、文字通り嗅覚的に「においがする」という意味では元々なかったようです。 万葉集ではほとんどが「照り映える」という視覚的な美しさを示す言葉でした。 たとえば有名な大伴家持の「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子」という歌... (続きを読む)

【素敵な春の夜】「春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)」

春は人の気持ちを変える  長い冬が終わり春を迎えると、多くの人は何となく幸せな感覚を覚えます。 それは自然な感情で、寒さもなくなり曇天の日も少なくなったりしているのもありますが、周囲で花が咲き始めたり、動植物が活発に活動を始めるのを見ると、人は自然から何かエネルギーを受け取るのからかもしれません。  もちろん花粉症であったり春になると一面厄介なこともありますが、春が人の... (続きを読む)

【大器晩成】「もっともよく笑う」のは誰? He laughs best who laughs last.

大器晩成  よく耳にする言葉で、大器晩成と言う言葉があります。 大きな器(うつわ)は早く完成せず、完成までに時間がかかることから、「大人物となる人が大成するのには時間がかかる」という意味です。  今の時代は以前に比べてずっと人々が長生きするようになりました。 そしてそれだけではなく、子どもの成長も肉体的な面はともかく、精神面で大人になるまでには以前より時間がかかっているよ... (続きを読む)

【和風月名 卯月(うづき)】4月は桜のイメージ。でも「桜月」でなくて「卯月」と呼ぶのには理由があります。

和風月名  日本では月には異名(異称)があります。二月が如月(きさらぎ)、三月が弥生(やよい)というような呼び方です。「和」のイメージで、素敵な響きをもっていますね。 和風月名とも言われるこの呼び方は、意外に歴史が古く日本書紀にはすでに記載があったとされています。  元々の由来は中国から来たものと言われていますが、こういう呼び名は、現在使われている新暦(グレゴリオ暦)以... (続きを読む)

【素敵な季節】「春爛漫」ってどんな感じ?

春爛漫  皆さんも「春爛漫(はるらんまん)」という言葉は、割と耳にすることがあるかと思います。 「春爛漫」は「(春になり)花が見ごろで美しく咲き乱れて、周囲が光に満ちて輝いているような様子」を言います。  3月に入ったころから順に植物の勢いが変わったことを感じ始めますが、やがてあちらこちらに花が咲き始め、4月に入るころには、全く当たりの様子が変わってしまっているこ... (続きを読む)

【聖徳太子の言葉】「世間虚仮 唯仏是真」は何を示すのか?

世間虚仮 唯仏是真  「世間虚仮 唯仏是真(せけんこけ ゆいぶつぜしん)」というのは聖徳太子が遺した言葉とされています。天寿国曼荼羅(てんじゅこくまんだら)という繡帳(しゅうちょう:刺繍がされているとばり=垂れ布)に書かれています。 天寿国曼荼羅は聖徳太子の妃(きさき)が死去した後に往生して行った場所とされる「天寿国」の様子を刺繍(ししゅう)で表現したもので、阿弥陀如来が住む... (続きを読む)