【先入観を捨てる】「重い物は速く落ちるはずはない」ガリレオが気づいたこととは?

ガリレオの思考実験

 ガリレオガリレイ(Galileo Galile)はイタリアの哲学者・天文学者・数学者で多くの人が知っている大科学者です。天文学の父、近代科学の父などとも呼ばれている人物です。

あるときガリレオは重い物体も軽い物体も落下速度は同じではないかと考えました。

アリストテレスが重い物体の方が軽い物体より速く落下するとしていた考えに疑問を持ったのです。

そして次のような反論をしたと言われています(ガリレオの思考実験)

①大きい鉄球と小さい鉄球をひもでつなげて落下させるとする。

②もし重い物体が速いとすれば大きい鉄球は小さい鉄球の遅さに引っ張られて大小鉄球の中間の速度で落ちるはずである。

③しかし大小の鉄球を一体としてみればそれは二つの鉄球の質量の和の重さになっているからどちらの鉄球よりも重い1つの物体としてみることができるはずである。

④ならばさらに速く落ちないとおかしい。

⑤よって矛盾するから前提である重い物体が速く落下するという原理が誤っている。

この見事な反論は非常に鋭い考察によるもので、確かにその通りだと言えます。

ガリレオのピサの斜塔実験はこれを実際に証明するためのものであったとも言われていますが、実際には実験自体なかったという説もありはっきりしません。

でもいずれにせよ、こういう思考から実際の物理現象の謎が解き明かされるということ自体が大変すばらしいことであると思います。

自由落下の速度は質量に影響を受けない

意外に知らない人も多いのですが、実際には空気抵抗のない真空下では質量の大きい物体と小さい物体は自由落下運動において速さは同じであることがすでに証明されています。

高校物理で習う運動方程式における速さの公式には質量(m)は出てこないのです。

いまでは中学校の教科書にも出ていることですが、これを思考によって想定したところにガリレオのすごさがあります。

それがなぜすごいのかと言えば、先入観を取り除いて現象を観察したということが、できそうでできないことだったのだと思います。

先入観の怖さ

私たちはいろんな世界の出来事を自分自身の思考に基づく先入観によって見ています。

そして学校や社会、マスコミなどによって得られる情報の多くは、「世界はこうなっている」という固定化した情報であることが多く、とくに日本人は「考えること」よりも「記憶すること」を学ぶことと勘違いしている面が大きいと思います。

そのやり方を貫くと、今まで存在している世界観や科学についてそれを推し量って応用するというような立場での進歩はできると思いますが、全く新しい思考によって未来を拓くというような研究や発想はなかなか難しいのではないでしょうか。

先入観で物事をすべて判断してしまうと進歩が止まってしまったり、時には他人に容易に騙されてしまったりする危険もあります。

だからゼロベースで

「何もかもを一度疑ってみる」

「権威のある知識であっても完全なものはないと考えてみる」

そんな思考法が特に不確実性の高いこれからの社会では有用になってくるような気がします。

ガリレオの業績はとても素晴らしいのですが、こういうところにも

私たちが学ぶべき点は多くあるのではないか、そんな風に思います。

今後も皆さんのお役に立つ思考法や考え方をアップしていきます。

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