【学習のコツ】読み取る力をつける方法とは?

読書から広がる世界

文章を読み取る力は、人によって千差万別です。

 みなさんも目にしたことがあると思いますが、ネット上のやり取りを見ていると、大人でも驚くほど読解力がない人がいて、文章自体と離れたことが議論になってしまっていることもあります。

 また、昨今のメディアは文章を切り取ってその部分を問題視して議論することをよく行っていますので、そういうやり方を見ていて子どもも「木を見て森を見ず」という読み取りをしてしまわないか心配になります。

 いわゆる揚げ足取りというやつです。

 そんな時代でもありますので、なかなか真の読解力というのは育てにくくなっているかもしれません。

 しかしネットの普及で、読むべき媒体は以前に比べ非常に簡単に無料でもたくさん手に入るようになっています。劣悪なものもありますが、素人の書いたものでも格調高いものもあります。

 まず文章に触れる機会を多く持つということが、読解力を育むためには重要であることは言うまでもありません。保護者の監督の下、いろんな文章を読む機会をお子さんにできるだけ多く与えることが重要だと思います。


 同じ文章を読んでも、そこから得る情報や考える内容、さらに連想する世界などは人によって異なることの方が多いです。私は子どもの頃は本の虫でしたので、学校の国語の時間に物語を読んで学校の先生が情景を説明するのを聞いて、「どうも違うな。きっとこんな情景で建物の色は茶色だな」などと空想をしたりしていました。

 友人に話すと、友人は「いや建物はないだろう」と言ったりして結構人により感じることは違うのだなと思ったりしたものです。

 そういう空想ができるのがビジュアルではない文字情報の良いところです。そして行間にあふれる見えないものを感じ取るということが読書の醍醐味です。

 誰か作家の方が言っていましたが、作品は読み手に渡った瞬間から作者の手を離れるそうです。書いた本人も思っていない世界観が読み手それぞれに生まれていくのです。

なかなか素敵なことですね。

少しでも多くの子どもが、読書の楽しさやよろこびを知ることができればといつも思っています。


読書する習慣をつけるには

 保護者の方にお話を聞くと、「家の子は本を読まなくて」と言われる方が多くみえます。

いろいろな状況がありますが、私の感じるところでは本を読まない理由は大きく二つあります。

 まず1つ目は、読む時間や余裕がないということです。

 ステレオタイプなイメージかもしれませんが、昔の子どもは外でたくさん遊び、家に帰ってきて宿題をやって、のんびり本を読んで…、といった生活が可能だった気がします。

 何にしても現代の子どもには時間がありません。すきま時間があればやりたいことがほかにたくさんあったりして、読書にまでなかなか手が回らないのだと思います。

 しかし、保護者の方がもし子どもの将来を真剣に考えてみえるのであれば、読書の時間は親が考えて積極的に作ってあげるということをおすすめします。

 読む力はあらゆる学習の基本をなすものです。読む力から言葉を操る能力が生まれ、この能力はいわゆる受験のための学習だけでなく、仕事をする上での情報の収集などの場面でも将来大きな価値をもつものです。

 私は学校の先生ではありませんので言いますが、役に立たない作業のような学校の宿題をやって時間を使うくらいなら、好きな本を読む時間を毎日少しでも作った方がずっと未来への投資になると思います。


2つ目は、これが最も大切ですが、読むよろこびを体感させるということです。

 読書の習慣がない子どもは、ほぼ本を読むことに魅力を感じていません。それは、本を読んでしびれるような感動を味わったり、皆が知らない画期的な情報を得たり、何かのノウハウをしって現実に生かしたりといったことがあまりないからだと思います。

 今はネットを介して本でなくても安易に情報をたくさん得ることができる時代になっています。

 だから本という媒体でなくても良いのです。読むという行動の楽しさやよろこびを子どもが知れば、あとは自然にそれを自分で広げ、そして世界を広げていきます。

 そのきっかけを作ってあげられるのは、教師であったり、親のようにいつも周りで子どもを見ている人間だけです。

 あなたの声かけ一つでお子さんの世界が広がると思って、チャレンジしてはいかがでしょうか。


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