【美しい言葉】「にほふ(におう)」は元々「目で見て美しい」だった。

にほふ(匂ふ)の元々の意味  万葉集や古今和歌集で「にほふ(匂ふ」という言葉が時々登場します。 現代仮名遣いでは「におう」になりますが、文字通り嗅覚的に「においがする」という意味では元々なかったようです。 万葉集ではほとんどが「照り映える」という視覚的な美しさを示す言葉でした。 たとえば有名な大伴家持の「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子」という歌... (続きを読む)

【素敵な季節】「春爛漫」ってどんな感じ?

春爛漫  皆さんも「春爛漫(はるらんまん)」という言葉は、割と耳にすることがあるかと思います。 「春爛漫」は「(春になり)花が見ごろで美しく咲き乱れて、周囲が光に満ちて輝いているような様子」を言います。  3月に入ったころから順に植物の勢いが変わったことを感じ始めますが、やがてあちらこちらに花が咲き始め、4月に入るころには、全く当たりの様子が変わってしまっているこ... (続きを読む)

【美味しい野菜の由来】「竜髭菜」はキジも隠れる不思議な野菜

竜髭菜  漢字だと「竜髭菜」と書く野菜があります。竜のヒゲが生えているような野菜という事でこの名前が付いたようですが、 「竜のヒゲみたいな野菜なんてあったかな?」そう思われる方は多いかと思います。 「竜髭菜」はアスパラガスのことです。完全に当て字ですが、実はその生育過程では、竜のヒゲが生えているような姿で葉を伸ばす野菜なのです。 実は昨年初めてアスパラガスを自宅の... (続きを読む)

【和風月名 弥生(やよい)】3月はなぜ「弥生(彌生)」って呼ぶの?漢字「彌」に秘められた素敵な意味とは?

和風の月名  日本では月には異名(異称)があります。一月が睦月(むつき)、二月が如月(きさらぎ)というような呼び方です。和風月名とも言われるこの呼び方は、意外に歴史が古く日本書紀にはすでに記載があったとされています。  元々の由来は中国から来たものと言われていますが、こういう呼び名は、現在使われている新暦(グレゴリオ暦)以前の旧暦(明治初めまで使われていた太陰太陽暦)下では、... (続きを読む)

【万葉と富士山】今も昔も畏敬すべき「大和の国の鎮めとも 座ます神かも 宝ともなれる山かも 駿河なる不尽・・・」 

富士山を詠んだ歌の発表  万葉集についてはこのブログでもたびたび触れてきました。 そして、私が渥美半島万葉の会に参加させていただいている事も以前記事を書きましたが、先月12月の例会で富士山に関する歌について発表をさせていただく機会がありました。  また、たまたま年が明けてから富士山に行く機会があったので、「今年は富士山でスタートか」かという事を感じたりしました。 ... (続きを読む)

【青空の色】なぜ人は空を見上げてしまうのか?

 ふと青空を見上げます。 私たちは「青空」というと単純に「青い空」って思っていますが 実はそうでもありません。 青空には無限と言っていいほどの色の種類があります。 「今日の青空は何色かな」と言うのもおかしな話ですが 空の色を楽しみにして見るのも面白いです。  青のようでピンク、ピンクのようで灰色 雲の色と空の色が混... (続きを読む)

【四字熟語で和の風景を】「花鳥風月」「山紫水明」「雪月風花」

自然を表現する言葉  私たちはこの日本という、四季があり豊かな自然に囲まれた国で暮らしています。 そんな私たちの周りの自然や風景を 「わかりやすい言葉で、簡潔に表現できれば良いのに」と思う場面があります。 絵画や写真でなら、瞬時にその素晴らしさを表現できますが、「言葉では無理だろう」と思われるかも知れません。 「筆舌に尽くし難い」という言葉もありますから・・... (続きを読む)

【渥美半島】「手つかずの自然」を目にすることができる楽園

 渥美半島は、大都市である名古屋からはかなり離れているためか 大型のリゾート施設やテーマパークなどはありません。 地元の人の中は「観光客誘致をもっとやってほしい」というような意見を持つ方もいるとも聞きますが むしろこの地方独自の魅力と色を出した観光やレジャー、あるいはアウトドアスポーツへのご招待があるのではないか そんな風に考える人も多いようです。... (続きを読む)

【夏の夕暮れ】明日への希望を感じる夏の夕べ

 夕暮れというと秋のイメージがありますが、夏の夕暮れもまた独特の良さがあります。  寂しさや詠嘆を「秋の夕暮れ」に詠み込んだ有名な俳句や短歌は多くありますが 夏の夕暮れについては、そんなに有名なものがありません。  これは夏の夕暮れが、そういう寂しげなイメージをもたらさないからだと思います。 どちらかと言うと夏の夕暮れは、エネルギッシュな感じを人々に与える... (続きを読む)

【発想する力】考えたことがありますか?「なぜ波はなくならないのか?」

「なぜ?」と考える習慣  海に行くと、大小の波が打ち寄せていて そのリズムの心地よさに、誰もが 「ああ、自然っていいなあ」と感じることでしょう。 そして世界の広さを実感するかも知れません。 しかし、何度も海を見ていても 「海には波があって当たり前」とほとんどの人は考えています。  でも、これは実はおかしなことなのです。 近所の池を見... (続きを読む)