【紛らわしい送り仮名】どっちが正しい?「一つずつ」と「一つづつ」

「づつ」から「ずつ」へ

 数を数えるときに「一つずつ(づつ)」とか「三つずつ(づつ)」というような表現を使う事がありますが、割と多くの人が「あれ?『ずつ』だったかな?それとも『づつ』?」というように仮名遣いをどう書くかについて迷った経験があると思います。

 結論から言いますと、現代仮名遣いである「ずつ」を使うのが通例になっています。

「づつ」は歴史的仮名遣いです。学校のテストや作文などでは「づつ」は✕になります。

 ただ、多くの歴史的仮名遣いと少し異なるところは、昭和21年に「現代かなづかい」の内閣告示で「ぢ」「づ」が「じ」「ず」とされるようになる直前まで、多くの人が「づつ」という歴史的仮名遣いを普通に使っていたという点です。

まだ昭和の頃まで使われていた仮名遣いだったのですね。実際に老人の方で「づつ」を書く方は結構いるようです。

 ところが最近、と言っても昭和61年の事になりますが、再度内閣告示で「現代仮名遣い」の規定が変更されて「原則:現在仮名遣いを使用。ただし、歴史的仮名遣いを使っても間違いではない」という趣旨の内容に変わりました。

したがって友人とのやり取りや自分のブログで「5人づつ」と書いても国語的には大丈夫ですが、公文書や文科省の管轄下の教育現場では「ずつ」の原則を貫いているため、「づつ」では誤りにされるということです。

「づつ」ってそもそも何?

ところで「づつ」という言葉の由来は一体なんでしょうか。

「ずつ(づつ)」は「数量を等分に分けて」とか「特定の数量を繰り返して」という意味の言葉で漢字で書いた場合には「宛」と書きます。

ほとんど漢字で書かれることはないのですが、たまに「三名宛並べてください」などど書かれたのを見かけます。恥ずかしながら「さんめいあて」とずっと読んでいました。「さんめいずつ」と読むのが正しいことになります。

これはたとえば「一つ」「二つ」「三つ」と言う風に数を数えていきますが、この「つ」を1つだけでなく複数並べたという意味で「つ・つ」という事で、数量を等分に繰り返すことを示そうとした言葉だと言えます。

それで「つつ」が「づつ」になったのですが、仮名遣いの改訂で「ずつ」を通例にするようになったというわけです。

紛らわしい仮名遣いをつかうということ

 このような紛らわしい仮名遣いというのは多く存在しますが、言葉と言うのがコミュニケーションツールである以上、基本は、「相手に伝われば良い」という事でしょう。

だから「7人づつに分かれて」とメモ書きしても、実際には何ら問題はないです。

逆に「七人宛に分離せよ」とか書いてある方が言葉の役割を分かっていない気もします(普通の場合、相手が意味がわからない)

 但し公文書や学校のテストというのは厄介で、比較して審査をするということがある性質上、一律の基準を設けざるを得ないという面があります。

そのため「郷に入れば郷に従う」ということでその場面では「7人ずつ」と記述するべきということになるでしょう。

ですがそもそも人々が使う言葉の基準を国が決めるという事には、私は違和感をずっと感じています。

まあ人がそれぞれ自分の好き勝手な言葉で書類を書いて提出すれば困ってしまうので、その趣旨はよくわかりますけれども・・・

「どっちでもいいでしょ」というようなところまで決めてしまうべきではないような気がします。

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