竜髭菜
漢字だと「竜髭菜」と書く野菜があります。竜のヒゲが生えているような野菜という事でこの名前が付いたようですが、
「竜のヒゲみたいな野菜なんてあったかな?」そう思われる方は多いかと思います。
「竜髭菜」はアスパラガスのことです。完全に当て字ですが、実はその生育過程では、竜のヒゲが生えているような姿で葉を伸ばす野菜なのです。
実は昨年初めてアスパラガスを自宅の庭に植えて育ててみたのですが、アスパラガスは多年草で、苗から育てても一年目には皆さんの食卓にのぼるあのアスパラガスはできません。
初年度にはひたすら緑の細いふわふわした枝葉が広がっていきます。背丈も結構な高さになります。庭に3本ほど植えたのですが、どんどん大きくなって私の肩の高さ位まで伸びました。
そして枝葉もどんどん広がり、かくれんぼをするのであれば、3本のアスパラの陰に隠れてしまえるようなサイズまでになりました。
オランダキジカクシ(和蘭雉隠)
アスパラガスの原産地はヨーロッパの地中海沿岸だと言われています。古くから野菜のアスパラガスを食用にしていたそうです。古代ローマ時代にはすでに栽培されていた記録があります。
語源はギリシア語の「アスパラゴス」ですが、この言葉は「細かくたくさんに裂ける」とか「新芽」というような意味があるようですが、実際にも葉のように見える枝の部分が細かく裂けているようにみえます。
そして翌年になって初めて皆さんが目にするアスパラガスが地面からにょきっと出てくるということになります。これを見て「新芽」ということでこの言葉になったとも思われるところです。(*私の庭の場合には苗からなので2年目で収穫できましたが種からだと3年目以降になるらしいです。詳しい事は専門のサイトを参照してみてください)
アスパラガスはその後、次第に世界に広がっていき日本にも江戸時代にやってきました。
和名で一番有名なのはオランダキジカクシという名称ですが、これはオランダ(西洋の事は江戸時代はオランダと呼ぶことが多かった:例 蘭学とか)から来た「キジ隠し」という名称だと思われます。
一年目に枝葉がいっぱいに伸びたところに山鳥であるキジ(雉)が隠れると全く見えなくなってしまうと思われるので、昔の人はそれを見てそういう名前を付けたのでしょうね。
庭でできる野菜作り
昨年くらいから家庭菜園で野菜を色々作っています。
もちろんプロではないので全然上手くできませんが結構楽しくて、キュウリ、ナス、トマト、アスパラガス、ジャガイモ、サツマイモなど色々収穫がありました。
手入れもほどほどで、農薬を一切使わない上に肥料もほどんど使わないほったらかしの栽培なので、どうせ半分くらい虫やら鳥が食べてしまうのではないかと思っていて
「自然からの『おすそ分け』くらい食べられたらいい」などと言っていたのですが、意外にも収穫したものは多く美味しく自然の恵みを頂きました。
その中で今回一番驚いたのがアスパラガスでした。
食べるのは大好きで食卓にもよくのぼる野菜なのに、どういう風に生育するのかを全くしらなかったので、大変興味深く楽しく世話をできました。
この春になってようやく食べられるアスパラガスの芽が出てきたのですが、毎日次々新しい芽が出てきてたくさん採れるので、そのことにも驚いています。
その上調べてみたらまだこの先何年も収穫できるという話で、さらに驚いています。大切に守り育てていきたいと思います。
そして、知らない事はまだまだたくさんあるものだと思って、とてもワクワクしている毎日です。
プランターなどでも簡単にできるようですので、皆さんも興味があればやってみるとよいですよ。
そうしたらきっと「ああ、これはまさに『竜髭菜』だ」とつぶやかれることでしょう。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。