実生活では「得意を伸ばす」方がメリットが多いようです
何か自分に得意なものがあった場合に、よく言われるのが
「苦手なことをやるより、得意なものを伸ばすのが一番」
という言葉です。
私もこれは本当にそうだと思います。
世の中で何か非常に大きな成功を収めている人は
いろんなことを満遍なくできる人ではありません。
むしろできないことが多いのに、ある1つのことでは他人が絶対に及ばない、そういう人である場合が多いように思います。
もちろんこれはケタ違いの成功という場合の話です。
一般に就職をして社会人として成功をするような場合には、ある程度総合的にバランスの取れた能力は必要だと思います。
特に仕事をする場合には、職人的な仕事については長所が重要ですが、そうでない場合はやはり短所が少ない方が評価はどうしても高くなります。
「僕は話すのは得意だけど、書類を書くのは苦手なんだ」
というようなことでは、ハンデを負ったようなものです。
世の中はいろいろですね。
受験では1教科で他の教科をカバーするのはまず無理
では受験ではどうでしょうか。
受験にもいろいろありますが、学科が英語重視とか数学重視というような科でなければ、科目ごとの配点は同じにされることが多いと思います。
たとえば、高校受験で英語100点・数学100点・理科100点・社会100点・国語100点という配点の場合で、合格するのに450点(平均90点)必要だとします。
80点の科目があっても別の科目で100点を取れば合格は可能です。
しかしもし60点くらいの点を1教科取ってしまえば、他の科目で平均97.5点という高得点を取る必要が出てきます。
仮にその生徒が飛び抜けて数学が得意でも140点をくれることはないからです。
受験の場合は、得意が物を言う範囲は限られているということです。
試験によっては例外もある
しかしたとえば、「3科目のみ得意なもので勝負」というような受験であれば、話は別です。
その3科目に磨きをかけて他は勉強しないという手をしっかり取れば「得意で勝負」という受験が可能です。
私立大学受験ではそういう方法で、かなり難易度の高い大学に合格する方法があります。
わりと有名な話ですが、高校の間目標とする大学の受験科目のみ勉強して、到底無理と言われていた大学に合格したなんて話もあります。
このやり方はいい方法ではありますが、学校生活はどうかというとそれはそれで大変かもしれません。
私も私立大学に現役で合格していますが、実は高校3年の後半はほぼ受験科目以外勉強はしませんでした。
高校の先生には大変失礼をしたと今は思っていますが、おかげで得意な国語と英語は短期間で非常に高得点を取れるようになりました。
入試ではほぼ両方とも満点に近かったと思います。
こういうワザもあります。
多くは全科目勝負になる
しかし高校入試や大学入試でも国公立受験の場合には、どれか1科目でも大きく凹めば不合格の確率はそれだけでかなり高くなってしまいます。
国家試験も同様だと思います。
だから、一般には受験は「満遍なく点を取る」というのがセオリーだと思います。
「苦手を克服する」ということが「得意を伸ばす」よりはるかに重要です。
これは受験制度がそういう評価方式を取っているので仕方がないと思います。
私が昔受験をしていた旧司法試験の論文試験もそういう試験でした。
どんなに高得点の答案があっても、「12通(当時12通の答案で評価がされていました)の中で1通致命的な答案があるとそれだけで落ちる」とよく言われていました。
私は積極ミス(基本的事項で間違いを書くこと)をどうしてもゼロにできず、試験の世界で俗に言われるホームラン答案というもの(非常に評価が高い答案)を何通も書きながら、結局総合点でわずかに及ばないという不合格を何回か経験しました。
「ミスの多い奴はいらない」と試験に言われているような気がして、当時は落ち込んだことを覚えています。
今振り返ると、「『他人の権利義務を擁護する仕事をする人間は、ミスが少ない人間でなくてはいけない』ということだったのかな」と思ったりしています。
試験に合格しやすいタイプ
この話からもわかるかと思いますが、試験に強いタイプというのは明らかにあると思います。
簡単にいうと「バランスが良い」人です。
どの科目も飛び抜けてはいないが、決して大失敗をすることがないというタイプです。
昔の私のように「得意なものは非常によくできる」けれども、反面「大きなミスもある」というタイプは客観的にはこれにあたりません。
それは上記のように、得意なもので他をカバーできるように試験というものが構成されていないからです。
だとすると、やることは1つです。
「苦手を克服」するのです。
私は司法試験に落ちて学びました。
「得意なもの」をどんどん伸ばすのは、こと受験に関しては正しい対策ではなかったということです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。
ありがとうございました。全くその通りだと思います。自分の考えが間違っていました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
試験の種類や内容にもよると思いますが、どちらがいいのかを考えてみるという事は大切ですね。