年表を見れば受験の歴史の特徴はすぐわかる
多くの中学校で、生徒たちは歴史を中1から中3の前半までの期間勉強します。
一通り学習が終わったときに、入試問題を初めてやってみる生徒も多いと思います。
そしてこれまた多くの生徒がつぶやくと思います。
「何これ、難しい」
歴史の受験問題は、年表が出ていたり史料が出ていたりいろいろな形式がありますが、生徒たちに問題が難しいと感じさせる大きな理由があります。
それは時代をまたいで出題がされていることです。
1つの大問に複数の時代が含まれていることはざらにあります。
また、年表問題であれば、普通何世紀もの時代を1つの年表にしてあって、世紀が区間分けされていて、「この時代にあった出来事を選べ」などということが問われます。
学校の学習では見たこともない問題です。できるわけはありません。
学校では順に
「さあ今日からは鎌倉時代の勉強をしましょう」
「来週から室町時代をやります」というように学習を進めてきたはずです。
「一度に合わせて聞かれても困ります」というのが生徒の偽らざる感情ではないかと思います。
そこで受験歴史の学習のコツに気づかなくてはいけない
勉強というものは、ただ与えられるものをそのままやっているだけではいけないという話を何回かしてきましたが、まさにこの局面はそういう勉強法に自分で気づくことが強く求められる場面かもしれません。
「歴史の問題って難しいんだな」で終わりにすれば、おそらく受験の歴史の問題はずっと難しいものになってしまいます。
「縄文時代とシベリア出兵が書かれた年表」を見て気づかなくてはいけないのです。
受験の歴史は、学校で順に習ってきたことがバラバラに頭に入っているだけでは、解くことができないという事実をです。
出題者は歴史のことをどれだけ理解しているかを、時代の横断的な理解を通して聞こうとします。そうするとどうしても、歴史順に真面目に習ったことを積み重ねただけでは太刀打ちができない問題になってしまうのです。
どうすればいいかというと、歴史の学習が一通り終わった後で、時代を横断的にまとめ直してみる学習が絶対に必要なのです。
学校は塾の味方をしてくれているとしか思えない
こと歴史の学習については、普通の中学校は塾の味方をわざわざしてくれているのではないかと思うことがあります。
中学校というより授業のカリキュラムと言ってもいいかもしれません。
歴史の勉強を現代まで進めると、学校の授業はそのまま公民に入ります。
上記のような横断的学習は普通学校ではやってくれません。
歴史に興味がある生徒や、入試問題を見て危機感を抱いた生徒は自分で横断的学習を始めますが、多くの生徒は公民に頭がいっぱいになり歴史の受験対策を主体的に考える事はなかなかありません。
自然、ここは塾の出番となります。
すべての時代を文化を軸にまとめたプリントを出したり、全時代で出題される法令一覧を作ったり、横断的理解を進めるための教材や指導は塾の得意分野です。
生徒たちもそれらに触れて初めて歴史の受験ということの意味を知ることができるのです。
学校は受験のために歴史を教えているのではないという考えかも知れませんが、私は、横断的理解が中心の入試問題ばかり出題するのであれば、ある程度学校でも歴史に関して時代をまたいだ横断的理解をするための学習時間を独立して設けるべきだと思います。
少なくともこの部分に関しては塾の独壇場になっていて、塾に通わないと情報不足になるという、あまりよくない状況がずっとあるように感じます。
3年生の半ばで入塾してくるとても優秀な生徒が、なぜか歴史についてだけ「『勘合符』って何時代の話?」と聞いても答えられなかったり、「江戸時代で鎌倉時代の執権と同じようなポジションにあったのは?」と聞いても全くわからなかったりするのは、学校のカリキュラムが横断的なことをあまりやらないためのような気がします。
まあ、塾をやっている立場としては有り難いことなんですが、生徒の立場から考えるとどうなのかなと思ってしまいます。
歴史は受験前にもう一度勉強の角度を変えて学習する
このようなことから、歴史については学校で普通に順に学習したことだけでは入試問題に太刀打ちできません。
受験を前にもう一度勉強の角度を変えて学習し直すことが必要です。
でもどういう学習をすればいいかはっきりしない人もいると思いますので、ここで少しヒントを書きたいと思います。
簡単に言えば、次のような質問に答えられるようにしてください。そういう学習を改めてするのです。
「平安時代の有名人を5人挙げて何をしたか答えなさい」
「仏教で国を治めようとした時代はいつですか。それは誰が考えましたか」
「歴史上、幕府はどこにいくつ開かれましたか」
「京都が政治の中心だった時代はいつといつですか。それぞれの時代で政治をしていた人の身分(天皇・貴族・武士など)を答えなさい」
「戦争の講和条約名と結ばれた場所のある国名を順に答えなさい」
といった具合です。
どうですか、歴史を順に丁寧に学習しているだけでは意外に答えられそうにない問題ではありませんか。
こういう問いかけに即答できるようになると受験の歴史には強くなると思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。