【問題把握】思考力以前の段階ですでに間違えている

計算や漢字はできるのだが・・・

 小学生や中学生で

「計算や漢字はできるのですが、文章題ができなくて」

という生徒は非常にたくさんいます。

 このことは、保護者の方の悩みの中でも最も多いもののうちの1つであると思います。

自動的にやり方をマスターすればできる計算や漢字と異なり

文章形式での出題は

やはり「考える力」というものがないと

なかなか正解が出せないことも多々あります。

 小学校の高学年になる頃に保護者の方が

この点が心配になり、ドリル式学習だけでは足りないと思って

塾の戸をたたくということも多くあります。

思考力の話に行く前に

そして心配されるほとんどの方は

「考える力というものがないかもしれない」

と不安になって、それを身につけたいと思って

相談に見えられます。

 もちろん思考力には個人差があり、環境も違うので

それまで形だけのトレーニングで、頭を使って問題を解くということを全くしていなかったため

その時「初めて自分で考えて問題を解いた」というような場合もあります。

 思考力というのにも、学習ということに絞って考えてみても

①素の頭での考える力(幼児の頃から培われてきた能力)

②問題に対応する力としての思考力

の二つがあると思いますので

②については本当に初めてそれを使用するということになってしまいます。

当面はなかなか慣れずに誤答を繰り返すということになりかねません。

 しかし実際には、それ以前の段階の問題に過ぎないことも実は多くあります。

何を聞かれているのかを把握できない

 文章問題に対して、正しく答えられない生徒についてその状況をよく観察してみると

実に大半は、問題把握がきちんとできていないということがわかります。

簡単に言うと「何を聞かれているのか」がわからず答えてしまっています。

 もちろんこういう問題把握力も、広い意味では思考力ですので

「考える力が足りない」と言えばそうなりますが

「判断をしたり、推理を行う」というような思考力の核心になる部分とは違う

このような前段階の部分で間違えてしまっているのは

実に惜しい気がします。

 問題把握などは、やり方を覚えさえすれば

かなりの場合出来るようになるものだからです。

深い思考力など全く不要の、マニュアル的な対応でマスター出来ます。

失敗する要因は何か

 文章問題が苦手な生徒の対策を行っていく時に

失敗する一番多い要因は何かと言えば

保護者の方が、「うちの子は考える力がたりなくて」というように考えて

漠然と「よく考えてみなさい」というような抽象的なアドバイスを繰り返してしまっている場合のように

「問題文の意味がわかっていない」ということを軽く通り過ぎて

その点に目を向けてないという事が挙げられます。

 問題文の意味をわかるということも、こういう状況の生徒には

実際にはハードルが高い場合もあるのですが

 上述したように

問題文の把握については

明らかにやり方があり、それは学べば割と簡単にできるようになるのです。

ところが、上手くいかなかった事例を考えて見ると

保護者の方も「よく考えて」と言い、

本人もただ問題を眺めるだけで

「よく考えてもさっぱりわからない」などと言っています。

わからないのは当たり前で

問題文をしっかり読み意味を理解して

「何が聞かれているか」について

一度も注意をしていないからです。

 過去の例では、問題文の読み取り方を徹底して練習をして

たとえば、口頭で問題文を易しく言い直して聞いてみたり

本人に口頭で「何を聞いているか説明して」と言って

問題把握の練習をすると

ほとんどの場合、さほどに考えなくても

「ああ、わかった」という事になる場合がほとんどでした。

 ところが、そうやって正解を出せても

保護者の方も本人も

難しいものと思って「よく考えないと」と思い込んでいるので

また問題把握をおろそかにして

結局進展がないということが多くなってしまっているのが実情です。

 思考力をと考える前に

まず問題が聞いている事を読み取る練習をするということが

改善への第一歩だということを知っていただきたいと思います。

今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。

 

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