【教師に求められるもの】千葉周作の合理的指導法とは?

千葉周作  江戸時代に近代的剣術の始まりとも言える北辰一刀流を創設した剣術家。それまでの、天狗や神に秘法を授かったとかいう表現を使ったり単純な剣術の手を装飾して神秘的な名称にしたりするだけなど、形ばかりを重んじる剣術の指導のやり方を改めて合理的な指導を行った。また指導方式としてもそれまで主流であった危険もある組太刀の稽古ではなく、防具を使う竹刀稽古を本格的に採用した。合理的指導により剣術の... (続きを読む)

【宦官趙高】昔も今も裸の王様を操る影の権力者が存在する?

稀代の悪宦官趙高  秦の始皇帝と言えばおそらく知らない人はあまりいないと思いますが、始皇帝が亡くなったときに起こった政変のことはご存じない方もいるかと思います。  始皇帝亡き後、丞相であった李斯(りし)は宦官(かんがん)である趙高(ちょうこう)の謀略に乗せられ、始皇帝の長男扶蘇(ふそ)を亡き者にしてしまいます。  扶蘇は優秀な跡継ぎで、秦帝国を築き上げた功労者である名将... (続きを読む)

【五公五民】権益を持つ者に求められる「お互いさま」の心とは?

江戸時代の五公五民  江戸時代の年貢を納める率は五公五民であったそうです。   農民の取り分と農民が納める年貢とが5:5の割合でした。  江戸初期には四公六民( 五公五民より緩かった)でしたが、八代将軍徳川吉宗の享保年間の頃から五公五民となったと言われています。  私たちが歴史の勉強をしていて、この五公五民について聞くと、 「半分も持っていかれるのか。ひ... (続きを読む)

【項羽と劉邦】「公平の威力」項羽が手に入れることができなかったもの

 以前指導のやり方ということに絡めて項羽と劉邦の話を書きましたが、http://wizzseiun.com/2019/10/01/chu-han-contention/  今回は「公平の威力」ということを書いてみたいと思います。 どう考えても項羽の勝ちは約束されていた。  項羽は、漢の国を創設した劉邦と天下を争って敗れた楚の武将です。  彼は最初、始皇帝で有名な秦... (続きを読む)

【黒船造船】模倣という成功の近道とは?

黒船を造った藩  幕末(1853年)に浦賀に黒船が来航した話は誰もが知っていますが、これを知り黒船を日本人がすぐに造ってしまった話はご存じのない方も多いかも知れません。  薩摩藩では名君島津斉彬(なりあきら)の命で、早くから外国船の来訪を察知して蒸気船の製作に着手しており、書物の情報だけで黒船来航後まもなく黒船(自走できる蒸気船)を完成させています。  最初の国産蒸気船... (続きを読む)

【変化への対応力】成功例を捨てる勇気とは?

織田信長の桶狭間の教訓  織田信長というと、桶狭間の戦いで今川の大軍を電撃的に破って大逆転をしたというイメージがあります。  しかし実は織田信長は、桶狭間の戦い以降は一度もこういう戦い方をしていません。  「大軍には軍略はいらない」ということが言われますが、最も最上の策は、相手と比べ物にならないくらいの軍勢を集め、兵器も圧倒的な量を準備して、相手が戦意を持てないくらいの... (続きを読む)

【ノミとコップとサピエンス全史】希望を育てる無限界の発想とは?

虚構を信じる能力  昨今非常に人気のある「サピエンス全史」( ユヴァル・ノア・ハラリ氏著 柴田裕之氏訳 )という本については、今もいろんなところで話題になっています。  この本は人類の歴史を非常に大きな視点で描いており、その発展の秘密について書かれている名著ですが、そこでは、私たちホモサピエンスがこんなにも地球上で繁栄できた理由の一つとして、虚構を信じる能力があったことが挙げ... (続きを読む)

【江戸時代の合理的指導者】千葉周作の北辰一刀流

千葉周作  江戸時代に近代的剣術の始まりとも言える北辰一刀流を創設した剣術家。それまでの、天狗や神に秘法を授かったとかいう表現を使ったり単純な剣術の手を装飾して神秘的な名称にしたりするだけなど、形ばかりを重んじる剣術の指導のやり方を改めて合理的な指導を行った。また指導方式としてもそれまで主流であった危険もある組太刀の稽古ではなく、防具を使う竹刀稽古を本格的に採用した。合理的指導により剣術の... (続きを読む)

四公六民。北条早雲の勇気とは?

北条早雲  最初の戦国大名とされる人物。室町時代後半、単身で全く地盤のない相模国、伊豆国において民衆の力を背景に支配を広げ、後北条氏5代の繁栄の元を築いた。応仁の乱で世が乱れ、民衆が悪政に苦しめられていたのを見続けてきた早雲は、たった一人で民衆を守り産業を育む領国を創り上げることに成功した。六公四民(年貢は収益の6割)が多い当時において、検地を初めて実施して四公六民(6割が民の取り分)や徳... (続きを読む)

聞くだけで楽しくなる「ええじゃないか」事件

ええじゃないか 「天からお札が降ってくるぞ。これは良い事の前触れに違いない」という話が 明治維新直前の幕末動乱期に広まった。仮装した庶民たちは口々に「ええじゃないか」という言葉を歌い、地域を越え大規模な範囲で仕事もストップして熱烈に踊った。この騒動を「ええじゃないか」と呼ぶ。発祥の地や目的などについては諸説あるが、数か月間にわたり続き、近畿、四国から中部地方までの広い地域で続いたと言われる... (続きを読む)