織田信長の桶狭間の教訓
織田信長というと、桶狭間の戦いで今川の大軍を電撃的に破って大逆転をしたというイメージがあります。
しかし実は織田信長は、桶狭間の戦い以降は一度もこういう戦い方をしていません。
「大軍には軍略はいらない」ということが言われますが、最も最上の策は、相手と比べ物にならないくらいの軍勢を集め、兵器も圧倒的な量を準備して、相手が戦意を持てないくらいの対策をすることにあります。
簡単に言うと「戦わずして勝つ」ということが、最上ということです。
信長はおそらく桶狭間の戦いで、こんな博打的な勝利は偶然だと思ったのだと思います。それで教訓を得たのではないでしょうか。
信長のその後の戦い方は実に慎重で、常に敵に対して絶対に勝てるだけの準備をしてから戦端を開いています。
勝てるだけの準備が整うまでは、外交で戦争にならないように手を打ち、なりふり構わず戦争を回避していたのです。
信長の真の優秀さ
いろんな点で信長は優秀な人物ですが、私はこの「成功例を簡単に捨てる」ことができたということが際立って凄いところではないかと思っています。
桶狭間の戦いは歴史上稀に見る劇的な大勝利でした。
普通であれば勝利に酔い、自分の能力を過信して、次も同じようなやり方をして世間をうならせてやろうと思ったりするものです。
けれども合理的でないと考えれば、上手くいった方式をあっさりと捨ててしまえるというこの信長の考え方は、なかなか真似できるものではありません。
彼は真の合理主義者であったということがわかります。
上手く行き続けることは例外
現代では世界の変化のスピードが劇的に早くなってきています。
昨日まで当たり前であったことがあっさり変わってしまう時代です。
昔は100年かかって変わってきたような物事が、ほんの数年で変化するようになってきています。
そんな中で1つの成功例にこだわってそれを続けているということは、実は成功のためのルールではなく、もはや危険なことになってしまっているのかもしれません。
「成功例を捨てる」という考え方を私たちも一度考えてみる必要があるのかもしれません。
常に変化に対応していくためには、それがたとえ成功例であっても、過去の例に引きずられることなく、現在の状況をいつも冷静に観察していくことが大切だと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。