解答を最後まで見ずに解くことにこだわる生徒
以前も書いたことがありますが、問題を解くときに途中で答えを見ることを極端に嫌う生徒がいます。
スイスイと解けていて、自分の力試しをしようとするような場面ではそれもいいかもしれません。
しかし、まだ単元の内容がよくわからないときに、独力で「とにかくやってみる」「一通り解くまで答えは見ない」というのは、非常に無駄があります。
「【数学学習のコツ】まず解法を覚えましょう。」という記事でも書きましたが、http://wizzseiun.com/2020/01/22/memorize/
たとえば数学では、解法を暗記して自分のものにしていくことがまず重要です。
解法がまだよくわからないうちに問題を手探りで解いていくのは、見た目には真面目に自分の頭で考えてやっているように見えますが、実は地図を持たないでウロウロしているのと同じです。
「答えを見てはいけない」というのは効率よく学習を進めていくためには不要な考え方です。
最初に答えを読んでしまって、それから問題を解くぐらいのやり方で良いと思います。
とにかく時間が無駄になる
解答を見て学習をするということが「悪いこと」と思っている生徒は、実は結構たくさんいます。
何となく「ずるい」やり方だと思っているようです。
もちろん、隣の生徒の解答を見たり、テストの際に解答を見たりするのはまずいですが、自分で勉強する際に、解答を確認しながら間違いを正しいやり方に改善していくのは何も悪いことではありません。
要領のよい学習ができる生徒は、まず自分で解答を確認しながら問題を解いていき、解答を読んでもよくわからないところを教師に質問してきます。
そしてその後でもう一度心配なところだけ解答を見ずに解くということをしたりしています。
これに対して、途中で解答を読まない生徒は、「見ながら確認して進めなさい」と指示しても、問題とにらめっこしていて、まちがったやり方のままどんどん問題を進めていきます。
頑なに解答を見ようとしないのです。
そして途中でやり方がわからなくなっても、さらに自分流で解答をしようとして、遂には混乱してしまいます。
その後、最後に答え合わせをして、どれも×になることに気づき頭を抱えます。
それからようやく解答を見ていきますが、解答を確認しないで進めた時間の分だけ余分に時間を使ってしまっていることになります。
ウソと思われるかもしれませんが、これは本当によくあることなんです。やり方に問題がある場合には、やはり自分ではなかなか直せないものなのだと思います。
中学では何とかなっても高校数学では大変なことになる
解答を見ないというこだわりをもっている生徒は、中学ではそれでもまだ何とかなります。
しかし高校数学の学習で大変なことになってしまうことが多いです。
学習のスピードや量が格段に違ってくるので、1つ1つ時間をかけて、解法がわからないまま解いていたりすると、到底時間が足りなくなります。
よく高校に入学しても「難しくて高校の勉強についていけない」という方がいますが、私は多くの場合、難しくてついていけないというよりも、スピードと量に圧倒されるだけではないかと思っています。
そしてその原因になるのが、学習の効率の悪さです。その中でも一番多い事例が実は「解答を見ない」というものなのです。
高1の生徒に多く見られますが、詳細な解説がある解説書を持っているのに、それを見ずに延々と時間をかけて問題を解いています。
いくら時間があっても無理じゃないかなと思うことがよくあります。
高校数学では、詳細な解説書があってもその行間に省略されている式や計算がわからず、生徒から一番質問を受けるのはその部分なんですが、解説を読んで確認していかなければ、時間切れでその部分までさえたどり着けないこともあります。
大変な遠回りです。
ですから、早い段階で自分のやり方は時間を無駄にしていないかを振り返って考えて見る必要があります。
「教えてもらう」ことが勉強ではありません。
自分で考えて「できるようになる」という目的を達成するのが勉強です。
そのためであればいろんな手を考えて工夫をしていくべきなのです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。