普段の英語と受験の英語
英語の受験では多くの場合、長文問題や作文の出題があります。
学校のテストでももちろんこういう出題はありますが、受験の場合教科書の本文とは違う、見たことのない長文が出題されるため、大変難しい印象を受験生は受けます。
また作文も、学校ではテスト前に出題される候補が示されていたりして、例文を暗記しておくなど準備ができる場合が多いですが、受験の英語ではそうはいきません。
作文は単に文の仕組みができていれば正解になるというわけでなく、単語のつづりが正しいかどうかも問題になってきますし、冠詞(the やa)をどう使うかなども問われてきます。
大学受験はもちろんですが、高校受験でもすべてスラスラできるという生徒はごく少数になると思います。
すべてが難しいわけではない
しかし長文問題のすべてが難しいわけではありません。
この点を誤解する受験生が大変多いのです。
長文のイメージは、
問題文に書いてあることをすべて理解して、
その趣旨から、内容面について問われてくるというのが通常のイメージです。
だから「初見の問題はわかるはずがない」という先入観を持ってしまいがちです。
けれど問題をよく見てみると、
実は、問題となっている部分の前後の英文を読めば解答できてしまう問題が半分くらいあります。
受験の長文問題は、タイトルは「長文問題」だとしても、個々の問題の寄せ集めであることが多いと思います。
出題者は、いろいろなタイプの問題で受験生をテストしたいのですが、単独でそれを聞くよりも長文問題の中に盛り込んで聞いた方が、解答者が流れの中で解答をしていけると考えて長文問題に入れてきているのだと思います。
ここが学校のテストとの違いです。
たとえ本文内容のしっかりした把握ができなくても、それとは別に個別の問題ができれば合格点ということは非常に多くあります。
全部訳せなくても大丈夫
大学受験ではもちろんですが、高校英語受験であっても、英語が得意な生徒が長文をすべて訳して正答しているわけではありません。
問題の分量にもよりますが、合理的に解答をしていこうとすれば当然です。解答に必要な部分を読むだけで正答はできます。
国語の読解と同じです。
ところが英語が苦手だというのに、長文を順に訳そうとしてしまう生徒がかなりいます。
いや、苦手な生徒ほど重要なところがわからず全文を訳そうとしてしまうことが多いかもしれません。
そこまでいかなくても、問題文と関係のない場所の意味がわからないといって悩む生徒も多いです。
英語の苦手な生徒の長文問題の攻略法としては、たとえば内容に関する問題をすべて捨ててしまって、周囲を読むだけで解答できるもののみ確実に取るという方法もあります。
よくわからない内容で悩む時間は受験の現場ではありません。合理的に割り切ることも重要です。
合格をするために、必ずしも全文訳せる必要はないのです。
作文は東大受験式で
受験の作文というと難しいことを書かないといけないと思う受験生が多いのですが、そんなことはありません。
この点については、有名な三田紀房氏の漫画「ドラゴン桜」で語られている、東大受験の作文問題の対策への考え方がとても合理的だと思います。
それは英作文では多くの場合、減点式の採点がされるため、減点されない英作文をすることが重要だということです。
やり方としては、まず日本語の問題文を自分で考えられる一番易しい日本語に置き換えます。
そしてそれを英文にするのです。
もちろん東大受験ではありませんので高校受験の英語では最初から簡単な日本語になっている場合も多いのですが、英語の例文とは少しだけ変えて出題されていることも多いです。
たとえば
「その知らせで私はうれしくなった」
という出題なら
「その知らせは私をうれしくさせた」
と変換して
The news made me happy.
と作文します。
「私はその知らせを聞いて私はうれしかった」
と変換してもいいです。
その場合には
I was happy to hear the news .
になります。
自分の知っている例文で似ているものはないか考えて、日本語の変換をするところにコツがあります。
英語ができるのに英作文だけ苦手な生徒は、
英作文が、完全に自由に作文を行うものと考えていて、自分が習って知っている例文に置き換えて考えていくことができない傾向にあります。
この点を注意すれば、英作文にも意外に易しい問題があることに気づくことができるでしょう。
それを知れば、「例文をとにかくたくさん暗記して、試験の現場で出題がその例文に近いのかを考えて、易しい日本語に変換して作文をする」という対策が有効であることにも気づけると思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。