驚くべき科学技術の進歩
科学の発展が急激に進んでいることは、今や誰の目にも明らかです。
現代の人が聞くと大昔の気がするかもしれませんが、1970年(50年前)の大阪万博で当時の電電公社(NTTの前身)がワイヤレスホンを出展しました。
当時は未来の通信手段と言ったらトランシーバーしか考えられなかった私たちは、未来の電話というのはこういうものなのかと漠然と思ったものです。
時を経て、1980年代後半にポケットベルが登場しました。
ポケットベルと言っても今の人にはわからない人の方が多くなりましたが、
固定電話同士でなくても連絡ができるということに「何て便利になったものだろう」と驚いたものです。
今思うとポケットベル(通称ポケベル)は単に文字を送るだけ(当時もちろんまだ携帯メールはありません)で、それを見て相手が電話をするというだけの道具に過ぎなかったのですが、
世の中には一大ポケベルブームが到来していました。ドラマにもおしゃれな小物としてよく登場していました。
新しい技術への期待はいつの時代も、人の心をときめかせてくれるものです。
初めて携帯電話を持った気持ち
そして携帯電話が登場しました。1993年頃のことです。
私が最初に持った携帯電話は、今のスマホと違い重くてまるで文鎮のようなものでしたが、その時の気持ちは忘れられません。
今回の画像になっているのは、私が使っていた携帯電話です。
「まるで未来人になったみたいだ」
こんな携帯電話を持って、私はそう思ったものです。
液晶画面には文字しか表示できず、メール機能もなく着信音もメロディだけの本当の初期型ですが、嬉しくて仕方なかった記憶があります。
若い人は想像がつかないと思いますが、たとえば外から友人と連絡を取りたい場合には、携帯電話もポケベルもない時代には、公衆電話から相手の家の電話にかけるしか方法はありませんでした。
駅で待ち合わせのタイミングが合わないと、駅にある掲示板(デジタルの掲示板でなく本当の黒板の掲示板です)に伝言を書いてお互いを探すということになっていました。
携帯電話の出現で、そういうこともなくなり本当に便利になりました。
その後いわゆるガラケーの時代が来て、メール機能が付き、着メロも鳴るようになります。
機種本体もどんどん小さくておしゃれになっていきます。
やがてスマホの時代になりました。2007年頃のことです。
そして今やなんでもスマホでできるようになりました。
動画・地図・天気状況・ネットバンキング・投資・SNSを始め多種多様な機能が備わったスマホは、「現代の魔法の板」と言ってよいかもしれません。
すさまじい加速感
私が感じるのは、すさまじい科学技術の進歩の加速感です。
年を経るごとに加速のスピードが速くなっているということを実感します。
たとえば私が小学生の頃、まだ洗濯機を使わず洗濯板とたらいで洗濯をしていた家庭がありました。
今では、洗濯板なんて見ても何に使うかわからない人が多いのではないでしょうか。
今はボタンをピッピッと押せばすべて自動でできてしまいます。
それどころかいろんな付加機能が付き、進歩は止まることはありません。
新しい技術が登場したと思ったら、それがどんどん進歩していき、グレードアップされていきます。
気がつけば、もう新しい機器を使わない生活などは考えられなくなっています。
たとえば、
もしスマホを家に忘れたら、財布を忘れたよりも困るという人は多いのではないでしょうか。
2045年問題
アメリカの学者で人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士は、
2029年ごろにはAIが人間並みの知能を備えるようになり、
2045年にはAI自身が自分で自分を改良して技術や知能を高度化していく結果として、文明の主役が人類からAIに取って代わられるようになると予測しています。
この時点のことをシンギュラリティ―(技術的特異点)と呼び、2045年問題と言われることがあります。
人類は途方もない未来に突入していくことになります。
指数関数的進歩
シンギュラリティが生じる一番の理由は、 博士の主張する収穫加速の法則にあります。
収穫加速の法則とは、科学技術は一度生じた進歩が次の技術を更に進歩させていくため、イノベーション(技術革新)が直線的ではなく指数関数的な進歩をするというものです。
「指数関数的」というのは変化のグラフがまるで「ノ」の字のように爆発的に急上昇する様子を示します。
簡単に言うと「超急上昇」というイメージでしょうか。
岩のような携帯がわずかの年数で最先端のスマホになったことや、
洗濯板がいつのまにかワンタッチの洗濯機になっていることはこのことを示します。
そして今まで10年かかって進歩していたものが、数年で進歩するようになっていくというイノベーションの流れを私たちは実感し始めています。
私たちの意識は変わっていない
しかしどうでしょうか。
私たちは、このようなイノベーションの加速に意識がついていっているでしょうか。
残念ながらノーと言わざるを得ません。
それは新しい技術への情報伝達が間に合っていないこともありますが、
「新しい物好き」程度の感覚では、
もはや日々現れる新しい技術を含めた物事についていけなくなっているからではないかと思います。
以前も書きましたが、
いまだに多くの場所でFAXが使われ、
送信後に「FAXは届きましたか」
と電話をしたり、
メールを送った後で
「メールをお送りしました。ご確認ください」
と電話をかけたりしています。
便利さというものは、それを享受する者が上手く使いこなせるということが前提になっています。
この進歩のスピードについていけるためには、
私たちはもっと新しいことにアンテナを張って、上手くそれを利用していけるようにすることが必要なのだと思います。
変な言い方になりますが、
ついていかないとAIにしてやられてしまうような気がします。
この世界の主人公は人間であるということを貫いて行けるためにも、
私たちがイノベーションに置いていかれることなく見守っていかなくてはいけないと思います。
そのためには
新しいものを柔軟に取り入れ、
現在のやり方をもっともっと合理的にしていくことを恐れないことが大切なのかもしれません。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。