【明治維新の四字熟語】なぜ必要だったのか?「富国強兵」「殖産興業」

明治維新の学習

 徳川幕府が倒れて明治になり、天皇中心の政治体制が始まったのが明治維新です。

私たちのイメージでは、江戸時代と言うとかなり昔で自分とは関係があまりないような気がしますが、

 明治ともなるとそんなに昔でもなく、文化面では現在に直接つながるようなものも出てきているので、

明治維新を境に一つの大きな区切りがあるように感じるかと思います。

 さて、その明治維新ではそれまでの徳川幕府による幕藩体制が廃止され、天皇主権による中央集権体制の政治が始まりました。

 これまでは、日本の中に藩という諸侯によるいわば小さな国があったのに対して

それらは県になり、県知事は県のトップとはいえ大名とは異なり、中央政府の指揮系統の下で政治を行う存在になりました。

 それまで各藩に所属していた武士の身分は廃止され、代わりに国全体の軍が創設されます。これに合わせて徴兵令が出されるようになります。

こういう政治の動きから当然反発も生じます。

維新の殊勲者の西郷隆盛が西南戦争を起こしたことは有名ですね。

 この他にも政治体制そのものが大きく変わったため、実にいろんなことが変わりました。

 国家を維持するには、財政をしっかり行い財源を確保していくことが重要になりますが、明治のスタートラインでは当然税収もなく経済的にもピンチでした。

 だから産業を興して、欧米列強と並ぶ国家を創り上げていくことが急務になりました。

 明治維新の学習は、このように日本の国がどう大きく変わったのかという点についてイメージをもって行うことがとても大切です。

 逆に言うと、こういう政治や経済のダイナミックな動きを意識していけば、比較的学習しやすい単元であると思います。

イメージができない

 ところがかなりの生徒が

「政治がどう変わったか」「経済はどうなったのか」

という一番基本のところがよく分からないまま

「何か変わった」くらいの意識で学習をするため、覚えてもすぐ忘れてしまう知識になってしまっているのを見かけます。

 たとえば、かれらの頭の中では「富国強兵」と言う言葉も、ただの文字の羅列になってしまって

「新政府が、国の経済力を伸ばし軍事力を増強して国力をつけるために行った政策は何か?」というように聞かれても答えられません。

「国を富ませて兵を強くする政策は?」と聞いてさえ、

「富国強兵」の言葉が出ない場合もあります。

 新しく国家を立ち上げるのですから

①国民の経済活動を活発にする必要がある。

②国民が裕福になれば税収が上がる。

→ 結果として国が富む。

③対外的に侵略を受けないで日本を守る必要がある。

④そのためには国家を防衛する強い軍隊を育て上げる必要がある。

→ 結果外国の干渉がなくなるので国力が上がる。

⑤そのために国民皆兵制度を設け徴兵を行う必要がある。

という富国強兵・殖産興業・徴兵制へとつながる政策が必要とされる背景を理解する必要があるのです。

 当時は日本の周りは欧米列強の国々が、アジアを植民地にして支配していこうという意図の下その機会をうかがっていました。

そんな中で植民地化されないで、短期間で欧米と肩を並べる国家を作っていくのは

並大抵のことではできませんでした。

 これらの言葉はそんな背景の中で生まれてきた言葉です。 

これがわからないで暗記に走ればせっかくのキーワードも意義を失います。

 ですから明治維新の学習は

その背景とともによくでるキーワードを合わせて記憶していくことが重要です。

明治維新の四字熟語

 明治維新には覚えるべきキーワードとして四字熟語がたくさんあります。

テストへの出題率はかなり高いです。

だからこの四字熟語を暗記して、どういう事なのかを言えれば学習の大半は完成したといっても良いくらいです。

「明治維新」「富国強兵」「殖産興業」「廃藩置県」「版籍奉還」「四民平等」「文明開化」「地租改正」等々

ところがこの程度の言葉が結構出てこないのです。

その理由は上記のように、中身の意味がよく取れていないまま字面で暗記しようとしているからです。

 せっかく得点をしやすい場所であるのに大変惜しいことです。

ただ文字を書いてそれを暗記するのではなく、

「これってどういう話だったかな」ということを頭で考えつつ覚えます。

漢字に隠された意味を意識するといってもいいかも知れません。

たとえば「四民平等」であれば

「『四民』って何だっけ」という疑問が当然浮かびます。

そこで江戸時代に遡って考えると

「士農工商」という身分制度があり、それが廃止されたということが分かります。

「だから四民が皆平等になったのか!」という理解ができれば

この言葉を忘れることは少なくなるでしょう。

そして教科書の同じ付近に「華族」とかの言葉があったり、「伯爵・公爵」と言ったような言葉を知ったりすると

「あれ?平等じゃなかったの?」という新しい疑問が湧き、そこからまたさらに学習を進めていくことができます。

このように背景を読むということが歴史の学習では非常に威力を発揮するのです。

ぜひお試しください。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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