月はいつも同じ面を地球に向けている
小さい頃から私たちは、「月のウサギ」に慣れ親しんできました。
そして多くの人は他人に言われるまで
「月が同じ面しか地球に向けていないこと」に気づかなかったと思います。
実は子どもの頃の私もそうでした。
「月のウサギ」の話がメルヘンチックなので、その裏側にある不思議さに気がつかなかったのかも知れません。
潮汐力(潮汐ロック)で自転と公転の周期が同じになる
月が同じ面を地球に向けているのには、物理的な理由があります。
月が自転して1回自分で回る日数 (約27.32日 と言われています)と、月が自転しながら地球の周りを1回回る(公転する)日数( 約27.32日 )が同じだからです。
気になる人は、誰かと組んでこうやってみるとわかります。
一人の人(Aさんとします)を中心として、もう一人の人(B君とします)がそのAさんをいつも正面に見るようにしてその周りを1周します。
そのときにB君は、自分がどのように体を回しているか意識してみてください。
ちょうど1回Aさんの周りを回ったときに、自分も1回転していることに気づくはずです。
この場合のAさんが地球、B君が月ということになります。
科学的には、月と地球の近さや相互の引力のため潮汐力というものが強く働き、
起き上がりこぼしのように、地球の引力に逆らって自分がぐるぐる回ることができないようになってしまっていること(潮汐力による潮汐ロックと言うようです)が原因とされています。
この潮汐力による公転と自転の周期が同期(同じになる)することは、一見大変な偶然のような気がしますが、
物理的に解明されている作用なので、実は珍しいわけではなく太陽系の惑星と衛星間では割と起こっていることだそうです。
ここまで聞いてどう思いましたか
さて、ここまでの情報を聞いてあなたはどう思いましたか。
「なーんだ、月の裏側に秘密基地があるんじゃないのか」とか
「普通のことだったのか、つまらない」と思われたかも知れません。
でも、まだ不思議は残っています。
なぜ、惑星と衛星が近くにあってお互いに引力を及ぼして相互が楕円形になるほどのことが起こっているのか。
聞きたいのはその先にある理由だと思います。
太陽系では割とポピュラーだそうですが、それは太陽系に独自のことかも知れません。
また、太陽のような恒星に対して地球のような惑星については
質量や距離の規模が違うためかもしれませんが
このような現象が起こっていない事との関連も気になります。
もし地球で起こっていたら、年中昼間の東半球とか年中夜の西半球とかができてしまって
大変なことになりますが・・・。
よその恒星の惑星や衛星など、まだよく観測できもしないので詳しいことが実はわからないから
「太陽系だけすべて人工に作られたものだからそうなっている」ということだって可能性がある考えかも知れません。
何と言っても、普通に考えればかなり不自然な動きですから・・・
私は考える事が大好きなので、すぐいろいろ空想をしてしまいます。
たとえば月は、地球の4分の1もの大きさを持つ天体です。
地球の周りをその4分の1の大きさの天体が回っているのが、そもそも不自然なので
月が人工物だという説も現にあります。
何と冥王星よりも月の方が大きいんですよ。びっくりしませんか。
そんなに大きければお互いに影響もありますから、公転と自転が同期するのも無理からぬことです。
だから、なぜ「そんなに大きい天体が地球にだけ衛星として回っているのか」が
また別の一つの大きな謎になっているんです。
「何でここだけ?」とは思うのがむしろ自然ですね。
人間が生存している地球の周りだけ、何か特殊なことが多すぎる気がしますよね。
これ以上は詳しく触れませんが、こういう事は考え始めるとキリなくいろいろ不思議なことが出てきますね。
WEB上にはいろんな情報がある。信じていいのか?
インターネットでページや動画サイトをたどっていくと
このような月の奇妙な点についての情報は、山のように出てきます。
たとえば、「月の裏側の巨大建造物」「月の裏側に待機する無数の宇宙船」
「月面に降りた宇宙飛行士の巨大な宇宙人との遭遇時の音声」
「人類は実は月には行っていない」
そのようなものは、今ではごく簡単に見たり聞いたりできるようになりました。
昔だとテレビで特番をやって
「宇宙人は実在する!?」というようなタイトルで放映されたような話がいっぱいです。
そしてこういう情報については、多くの人が
「胡散臭い」「嘘に決まっている」「ネットの情報は信用できない」というような思考を持ちがちですが
最近では、さらに話が進んで、そういうさまざまな情報の陳腐化の裏には「実は情報誘導がある」という話もつぶやかれ始めています。
「陰謀論」という言葉を、最近よく聞くことがあるかと思いますが
この言葉が、ある時期から急に流行してきたのも、少し違和感があるように思われます。
なぜなら地上波で主張されていない情報の多くが、公のデータに基づくようなものでもすべて今や「陰謀論」とされているからです。
少し本筋から離れました。陰謀論の話はまたにします。
今回お伝えしたかったのは、月の裏側の話についても
先入観を持たず、ゼロベースで情報を吟味して
自分の頭で考えてみるという事が大切という事です。
先入観ほどあてにならないものはない。
別の稿で地球平面説を紹介した時に
「地球が丸い」という考え方について取り上げたことがありますが
今や世界中で「地球は丸い」というのは、ほぼ定説になっていて
人工衛星から写された丸い地球の画像がその決定的証拠とされています。
でももし大昔に、そんなことを言ったら
周りに「何を言っているんだ。バカなのか」と言われたはずです。
当時の人々が身の回りから考えた先入観では
「地球は平ら」であるのが当たり前のことだったからです。
また、たとえば
飛行機は、今普通に空を飛び交っていますが
飛行機のない時代に
「金属の塊に人が乗って空を飛ぶ時代がくる」と言ったら
周りの人は「頭がおかしくなったの?」と言ったかも知れません。
「人には空は飛べない」
「重いものは空中に位置を保つことはできない」
そういう先入観を持っていたからです。
これを置き換えてみれば
「宇宙人はいない」
「太陽系は自然にできたもの」
「この世界はビッグバン以来の自然発生の実在である」
というのも、ただの先入観であるかも知れませんね。
「?」という発想の大切さ
今回お伝えしたいのは「?」「なぜ」という発想の大切さです。
何か疑問に対してそれらしい説明があると、人は「ああ、そうか」と大体納得をして終わりにすることが多いのですが、
このようにその先に、いくらでも謎が続いていることだってあります。
知識として「潮汐ロック」や「同期自転」を知っておくということより、
「なぜ潮汐ロックなんて不思議な現象が、天体という巨大な物体で起こるのか」
「なぜ地球は、月と大きさがそんなに違わないのか」
「『4分の1』のサイズなのに回っていてぶつからないのか」
「どうして地球や月だけが、ほかの天体とこんなにも違うのか」
というようなことを考えていく方が断然面白いです。
知識よりも考える力こそ人間の知性の本体
これから進学して学問を修めていく人には、こういう「?」の精神をいつもたくさん持って勉強をしてもらいたいと思います。
これからの世界では、知識をたくさん持っていることはさほど重要ではなくなります。
今でさえ、検索エンジンを使えば一瞬で世界のほとんどのことが分かります。
たとえば今日お伝えした内容についても、ネットを探せばおそらくほぼすべて出ている情報だと思います。
けれども、私が後半で書いた「?」の部分については、ネットには最終的な答えは出ていません。
まだわからない謎について考える内容だからです。
更に今後はAIが、知識的な情報については加速度的に収集と提供を行ってくれるようになるでしょう。
そんな中で「いろいろなことを知っている」ということの価値は、これから相対的にかなり低いものに変わっていくはずです。
そうであるならば私たちが次に目指すことは、AIにも負けない感性豊かな人間らしい「考える力」を持つことではないでしょうか。
そして新しい謎についていろいろと考えを巡らして、まだ残っているはずのこの宇宙の謎を解き明かしていってほしいと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。