文章題を前にして何から始めたらいいかわからないとき
算数にしても数学にしても、文章題を見てどう考えたらいいのか最初の一歩がわからないという生徒は多いと思います。
これは理科の計算問題でも同じで、問題文の状況が数量だけ書かれていてもイメージできないことがその原因にあります。
こんな時は、まず「どんな状況であるかを図にできる」というのが本当は一番いいのですが、なかなか簡単ではない場合もありますね。
そういう場合に簡単にできる方法があります。
単純に数量を比較してその関係を考えることで解法を考えるというやり方で
超基本テクニックと言っても良いレベルのやり方ですが
頭の整理がしやすく混乱せず式を考えだせるので、非常に役に立つやり方です。
今回はこれをご紹介します。
同じ単位の数量同士を比較する
例を挙げて説明します。
ある液体の3Lの重さが4.5kgであるとき、18kgのこの液体は何Lか
という問題を解こうとするとき
慣れている生徒であれば計算式がパッと浮かびますが
苦手意識を持っている生徒は3つの数量をどう組み合わせていいかわからず、時に適当に数字を組み合わせて誤答を出したりします。
しかし整理して数量の比較をすれば、この程度の問題は一瞬で正解を出せます。
3L - 4.5kg
?L - 18kg
並べて書いて見るとわかりやすいです。
縦に読むと
3L → ?L
4.5kg → 18kg
ということなので、
?Lを出すには、3Lと?Lの関係が分かれば良いと言うことが分かります。
そしてこの関係は比例関係(問題文から一方と他方が比例していることは読み取れます)にあるので、
4.5kgと18kgの関係と同じになるはずです。
とするならば、「4.5がどうなれば18になるのか」
つまり「18は4.5の何倍か」を計算すれば、
?Lが3Lの何倍かも分かります。
18 ÷ 4.5 = 4
3 × 4 = 12
答えは 12L となります。
比例がベースの問題には比較計算法は常に有効
小学生の算数でも、中学校の数学や理科でも
高校の化学でも、
この手の問題で、この比較思考法ともいうべき考え方で簡単に解けてしまう問題は実に多いです。
このやり方はどの問題も、どんな数量でも比例関係にありさえすれば簡単に解けてしまうので、特別な知識は不要です。
でも教科書に書いてあったり問題集の解説に書いてある解答は、単元ごとそれぞれ違ったことが書いてあって、
まさか全部同じやり方でできてしまうとは生徒は思わないのです。
一度やってみることをお勧めします。
「あれもこれも全部このやり方で文章題がとけてしまう」とびっくりする人は多いのではないかと思います。
そして更に幸いなことに
関数がらみの文章題でなければ、
ほとんど出てくる問題は比例関係にある数量の問題ばかりと言ってもいい位に、数量相互が単純に比例関係にあります。
また、よく高校化学の解法で言われる「化学の計算なんて、比の計算だけでほとんどができてしまう」というのも実はこの計算法なのです。
かなりの人が、「その問題ごと別々のやり方や考え方があるのでそれをしっかりマスターしなくてはいけない」という考えでいるため、
かえってこういう簡単な計算法に気が付かないだけなのです。
先入観を持たずに、何か簡単な方法はないかと工夫をしてみることはとても大切です。
自分なりのオリジナルなやり方が見つかることもあります。
私はそういう工夫が大好きで昔から自分で色々編み出してきましたが、
最近ネットで情報を得ることができるようになって、そういう自分流のやり方に理論的な名前がついていて他の誰かも発案していたものだったりしたことが何回もあります。
「ああ、みんな同じようなことを考えるのだな」と感動したりしました。
勉強の工夫は本当にいろんな方法があって考えていくのは楽しいです。
生徒たちをぜひそんな世界に招待できたらいいなといつも思っています。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。