三段論法
前回三段論法の記事を書きました。https://wizzseiun.com/2022/02/14/logic-2/
そこで、三段論法は論理の筋道がはっきりしていて役に立つものであるものの
文章を少しいじれば誤った三段論法を作れてしまうことに触れました。
誤った内容を上手に混入すれば、
論理的に見えるためかえって詐欺などに使われやすいものだと言えます。
今回はこ詐欺に使われやすい三段論法の1つのパターンとして
大前提に嘘を入れる方法について説明します。
大前提の偽り
大前提というのは三段論法の最初に来るもので
たとえば
動物は必ず死ぬ(大前提)
猫も動物だ(小前提)
よって猫は必ず死ぬ(結論)
といううちの「動物は必ず死ぬ」の部分がこれにあたります。
この大前提の部分は論理を示す前提の根幹となる部分ですから、
偽りを混入すると、いかなる荒唐無稽な結論も論理的に示せることになってしまいます。
死なない動物もいる。
猫も動物だ。
よって猫も死なない場合がある。
こんな大嘘がいかにも論理的に表現できます(まさか引っかかる人はいないと思いますが)
詐欺師の手口
詐欺師がうまいトークで人をだます場合にも、大前提に巧みな嘘を入れて誤解をさせる方法はよくあるようです。
たとえば
シジミは古来あらゆる肝臓病を治すと言われている。
この薬にはシジミのエキスが入っている。
だからあなたの肝臓病もこれで治る。
シジミには肝臓に良いとされるタウリンが含まれていますが、だからと言って一旦発症した肝臓病の病状を変える可能性がどれだけあるかは病状にもよります。
シジミの話は、むしろ健康な時に肝臓を悪くしないために食べましょうという趣旨の話ですね。
ましてや「治す」と言い切る表現は言い過ぎです。
でもこんなことを言われたら
肝臓病で悩んでいる人は、必ず買うことでしょう。
三段論法は言いたいことを加速度的に相手に説得をしてくれる、そんな威力がありますので、大前提の内容が本当に真実なのかはよく吟味しないといけません。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。