英語が苦手
中学生で「英語が苦手」という生徒はおそらく相当たくさんいるに違いありません。
他の科目と異なり英語については
これを得意とする少数の層と、大変苦手とするかなり多くの人数の層があり
ある程度できる層つまり中間層が割と少ないのが特徴であるように感じます。
これはなぜかというと
英語は、積み上げが非常に重要な科目で
最初の所でつまづいてしまうと、その後の学習内容で挽回しようとしても、
基礎のしっかりしていない建物のようなもので、
時に大きく崩れ、時に上に増設をしていく事が非常に困難になってしまうのではないかと思います。
挽回に時間がかかる
数学のような単元については
たとえば
方程式はさっぱりわからなくても、図形は得意というようなことも十分可能で
現にそういうタイプの生徒も結構います。
でも英語の場合は、単語を十分覚えていないで文法だけ得意でも
記号問題くらいしか取れなかったりしますし、
1年で習う3単現のsのつけ方が、わからないままでいれば
そういうことは当然の前提で問題が出題される、2年生3年生での出題においては
新しい内容を一生懸命やっても、
以前から抱えるそういう問題点のために、大幅に減点をされる恐れがあります。
英語の苦手を挽回するのに時間がかかると言われるのは、こういう事が理由にあるのです。
具体的なイメージで言えば
1年生の間に英語を苦手にしてしまった生徒が、それを取り戻すのには
2年生の期間1年間位かかってしまうことも少なくありません。
前の事を放置して、その先へ進もうとすれば更にもっと混乱する場合もあります。
「3単現のs」をマスターしている割合
あくまで現場の実感で、データを取ったわけではありませんが
中1で学習する「3単現のs」について、その適用場面をきちんと理解している中3生の割合は
私は多く見積もっても、全体の2割くらいしかいないと感じています。
これは実は大変なことで、
現在形の問題が出題された場合に、HeやSheなどが主語になる肯定文が出てくれば
常に3単現のsが絡んできますし
疑問文や否定文でも、逆にこれをつけてはいけないという部分で問われる場面はかなりあるため
「全体の8割の生徒がそういう出題ごとに、失点を繰り返す」という事態になってしまうということを意味しています。
事実、私たち塾の教師は、年がら年中3単現のsの指導をしている気がしています。
学年を問わずにです。
平均点の秘密
英語をこれだけ苦手にしている生徒が多いという事は
少し混乱が始まっても、急ぎしっかり戻り学習をして手当てをすれば
まだ軌道修正をしていける道が、十分にあるということを意味しています。
一般的に、英語の全体的なレベルは皆さんが思っているよりも高くありません。
想像以上に、英語で苦しんでいる人は多い気がします。
だから自分だけが混乱していると思って諦めてしまわなければ
相対的に、そんなに遅れてしまっているのではないということが、実は結構あります。
たとえば英語のテストで
40人の平均点が50点だったとします。
50点と言うと、45点を取っている生徒は「少し難しいテストかな」
「大体の人は50点位取っているのに、自分は45点だからまずいな」
というようなイメージを持つのではないかと思います。
この場合、クラスの素点の合計は40×50=2000点ですが
上位の10名が95点を取って95×10=950点だとします。
そうすると残り30人が仮に均等に得点をしたとして
2000-950=1050点 1050÷30=35で
一人35点ということになります。
30人は35点くらいなのだから45点はクラスの中では上位なのです。
前にも書きましたが
平均点と言うのは、実は、実感としてどれくらいの点を取っているのかをイメージできる数字ではありません。
だから平均50点と言っても、
このように10人が95点で、残りの生徒30人が35点ということも十分にあり得るのです。
私の実感は、むしろこちらの感じの方に近いものがあります。
それくらい皆、英語で悩んでいるイメージです。
だから
平均点だけを頼りに「自分だけが英語でおいて行かれている」というような誤解を持たず
今すぐに手を打つべきです。遅すぎることはありません。
自分の軌道修正が上手くいっている時にこういう平均点マジックで
「やっぱりやってもだめだ」と思って長期的な英語の苦手克服を断念する人は
かなりいます。
あともう少しだったり相対的な位置は低くなくなっている場合もあるのです。
だから早々にあきらめないことが重要です。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。