【入試倍率の秘密】実際どうなの?倍率の高さと受かりやすさの相関

入試倍率

 入試についての情報として色んな形で公表されるものとして「倍率」というものがあります。

これは簡単に言うと受験生に対して合格できる人数を対比して計算する数値です。

そして詳細に言うと入試の倍率には通常、応募人数に対する倍率、実際に受験した人数に対する倍率、最終的に合格した人数を使った実質倍率などがありますが

 倍率については多くの方が心配をするばかりで、本当の意味を誤解されている方も多いかと思います。

まずごく簡単にわかりやすく言うと、

100人の合格定員に対して100人の受験生がいれば倍率は1倍です

そして200人の受験生がいれば2倍ということになります。

定員割れ

もし100人の定員に対して50人しか応募(あるいは受験)しなければ、それは1倍に満たないため定員割れということになります。

そうすると普通の感覚では「なんだ全員合格か」となるわけですが

実はここは注意が必要です。

高校入試でも大学入試でも中学入試でも、定員割れを起こしていても一定の水準に達していない場合は不合格という事はあります。

だから定員割れ=全員合格ではないのです。

そしてどう判定するかどうかは当然学校の考え方次第ということになります。

実質倍率

実質倍率と言うのは形の上の予測ではなく、実際にどうだったかという段階ではっきりする、真の競争率と言っても良いものです。

倍率に一喜一憂する人は多いのですが、実質倍率のことをよくわかっていないままいたずらに心配をしている人も多いようです。

一番顕著にそれがわかるのは愛知県が今年の入試まで採用してきた複合選抜制度(複数校を受験できる制度)における倍率判定ではないかと思います。

たとえば100名を定員とするA校とB校の形式的な倍率(受験生全体と定員の比)が2倍だったとしても

複数校受験の場合には、A校を第1志望とする生徒が50名で第2志望とする生徒が150名

B校を第1志望とする生徒が150名で第2志望とする生徒が50名であったならば

圧倒的にB校の受験が難関でA校は通常このくらいの数字ならほぼ全員第1志望の50名は合格します。第2志望の生徒はほかの自分の第1志望校へ合格することが多いからです。

 このような複合選抜を愛知県では非常に長きにわたり採用をしてきたのですが

こういう事情を知らない人が

「あの学校は定員が2倍なのに皆合格していておかしい。不正があるのではないか」と言って勘違いしていることをよく見かけました。

実質倍率の秘密を知らないとそういう誤解も起こるのです。

偏差値と内申

複合選抜でない場合にはこういう事情は生じませんが、1校しか受験しない場合であっても倍率のみで受験の難易度を判断するのは、実は正しくありません。

というのは、高校入試の場合を例に取れば合否というものは偏差値と内申の評点などから総合的に決まるものであって、

はっきり言えば偏差値と内申を十分備えていて合格レベルを超えている実力者にとっては2倍だろうと4倍だろうとあまり関係がないからです。

模試の結果を見ているとこれはよくわかるのですが、

模試の%が高く出ている場合には、「これだけ受験生が集中すれば危険もあるかな」と思っていても難なく合格することが多く(模試の会社が有能だという事ですが)

逆に%が低い場合には倍率がよほど低くても危険なことが多いからです。

簡単に言えば、倍率は参考程度のものと思ってもいいかもしれません。

同じくらいのレベルの生徒が一線に並んで勝負をするのであれば倍率は合否を完全に左右します。

しかしそんな受験はないのです。

だから倍率よりも模試の結果、倍率よりも実際の実力の推移、そういうものをよく見ていくことが重要です。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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