【トルストイの名言】If you want to be happy, be.「幸せになりたいなら・・・」の本当の意味とは?

トルストイ

 季節は秋、読書にはぴったりの季節ですね。

今はネットで簡単に無料で文豪の本を読めたり、あるいはもっと簡単に動画チャンネルでそういった本朗読をしてくれているものもたくさんあります。

本朗読を聞くのまで「読書」と言ってもいいかというと難しいところですが、文学へのアクセスはずいぶんたやすくなった気がしています。とても良い事だと思います。

 しかし外国文学となると、なかなかきっかけがないと読まない(聞かない)という人も多いかと思います。

私は中学生の頃文学系の本をたくさん読んだ思い出があります。その頃外国文学も少し読んだりしていました。

 たとえばヘッセ(ドイツ文学を代表する作家)の「車輪の下」とかを読むと、ストーリー自体はシビアな内容ですが、そこに出てくる描写から外国の山野や湖、そして釣りをしている静かな風景などを空想したりして、やはりそこは文学ですから、あらすじとは別にそういう意味でも楽しかったのを覚えています。

今でも、その頃の頭の中の映像が今でも鮮明によみがえってきたりします。

今回はロシアの文豪トルストイの言葉のお話ですが、ロシアの文学にはなじみのない人が多く実際に読んだことがない人も多いかも知れません。

ただ作家の名前については割と知っている人がいると思います。

『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』のドストエフスキーや『初恋』のツルゲーネフなどは名前を良く知っている人が多いと思います(ただし実際には読んでない人も多いかも?)

 トルストイの名前はその中でもおそらく一番知っている人が多いような気がします。

レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(英語ではLeo Tolstoy・レオ トルストイ)はロシアの文学者であり思想家で、『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』が代表作とされています。

If you want to be happy, be.

 トルストイの格言の一つに If you want to be happy, be.と言うものがあります。

直訳すると「もしあなたが幸せになりたいならば、なりなさい」という意味になります。

最後の「be」は命令形のBeの意味合いがあり、原形で命令の形をとっています。

You are 〇〇〇.の形で、「あなたは~です」という文があった場合に、これを命令文にすると、命令文はYou を省き動詞の原形から始める文にするため、areの原形であるbe を使い、Be〇〇〇.という文を作ります。

したがって、こんな感じに命令文が作られます。

You are a student.ならBe a student.「生徒になりなさい」または「生徒でありなさい」

You are kind.ならBe kind.「親切にしなさい」または「親切でありなさい」

したがってもしも左の意味でとらえればトルストイの名言も、「幸せに『なりなさい』」という意味で良い事になります。

幸せはどこにある?

 もちろんトルストイが言っているわけではなく、ここからは私個人の解釈になりますが、この格言の深い意味はこういうことにあるのではないでしょうか。

「もしあなたが幸せになりたいならば、幸せで『ありなさい』」

つまり後半のbe の部分を「今からなりなさい」ではなく「今幸せでいなさい」と解釈するのです。

 幸せというものは、以前上げたことがあるカールブッセの詩「山のあなたの空遠く 幸い住むとひとのいう・・・」にも描かれているように、どこか未来の先にあるのではなく実は今現在の状況を「幸せである」と自分が判断することで簡単に得る事ができます。

 このことは多くの人が言っている事ですが、「幸せになりたい」と強く願えば願うほど幸せにはなれないという逆説的な考え方があります。

「幸せになりたい」という言葉の中には「(現在幸せでないから)幸せに(いつか)なりたい」という意味が含まれているので、そういう志向で生きていると結局どれだけ何かを成し遂げても、大金を稼いでも、出世しても、どこまで行っても幸せを認知できないというのです。

つまり「幸福」は「判断や評価」の中にあり、今の自分の状況を改めて見直し幸運に気づく事で即座に手に入れることができる、そういう考え方です。

トルストイがどういう趣旨で言ったかは別として、私はこちらの解釈がしっくりくるように感じています。

「もし幸せになりたいなら、幸せに気づきなさい」ということです。

もし幸福になりたいなら、あなたの身の回りの人があなたに何をしてくれているかとか、不幸に合わずに暮らせていることとか、それこそ窓の外に今朝かわいい鳥たちがきて鳴いてくれたこととか・・・

そういったすべての今を感じ取って、そのことの幸運に感謝する、それが一番の近道であり、それが「be」という言葉に示されている気がするのですが、いかがでしょうか。

これを読まれているすべての方が、今現在の幸せを感じられる事を祈っています。

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