暗記することがたくさんあるときの選択肢
勉強をしていて試験までの日程が限られて時間が足りないとき、皆さんならどうしますか?
選択肢としては…
①特定の範囲を捨ててしまい特定の範囲だけしっかり覚える。
②重要な点をポイントとして細かい暗記は捨てる。
③荒削りにまとめて、何とか全部仕上げてしまう。
という選択肢があると思います。
④勉強自体をあきらめるという選択肢を取ってしまう人もいると思いますが、今回は除外しますね。
①~③の中ではどの策が一番良いのでしょうか?
まず①はおすすめできません。
穴が開いたまま試験に向かうということは、得点が取れないことが確定してしまう上に、出題に割合によっては悲惨な結果も起こり得るからです。
次に②は、一応の合理性のあるやり方です。
重要な点だけしっかり網羅しておくというのは、出題者がやはり重要なところから出題をしていくという心理を持つことを考えると、的を得た準備法と言えるでしょう。
しかし、やはり細かい点まで目を通していないというのは、テストの会場でアウトプットをする際に、「自分が目を通していないあの部分かも知れない」という迷いを生じてしまって、混乱して失点する危険もあります。
できれば、全範囲に目だけは通しておくということが理想です。
その意味で③は、上手くできるならば一番良い選択肢だと言えるでしょう。
情報量を圧縮するという考え方
コンピューター上のファイルのサイズが大きい時に「圧縮」というやり方で領域の使用を少なくする方法があります。
学習の際の情報収集についても、これができれば大変便利です。
実は、言葉の使い方が適切かどうかわかりませんが、この「圧縮」に近いやり方があるのです。
それは、覚えるべきことを「グループ化」して暗記するという方法です。私は試験前の時間が足りない時には、よくこのやり方でしのいでいました。
たとえば100個の暗記事項があるとします。
これを平板に100個順に覚えていくとすると、かなり大変なことになります。時間もかかりますし、最初に覚えたことを最後のころにはすべて忘れているということも起こりかねません。
しかし、想像してみてください。
この100個の内容を、10個ずつの内容がパックになった「箱」を作り、それを順に中に入れて片付けていくというやり方はどうでしょうか。
覚えやすい感じがしませんか?
グループ暗記とは、このように関連性のある暗記事項を「グループ化」して、暗記をしやすくする方法です。
例として「箱」と書きましたが、本当に箱があるわけではありません。あくまでイメージの話です。
この「箱」のような形で暗記事項を「グループ化」することが情報の「圧縮」になります。
覚える数は同じでも、脳はまとまりのある情報は楽々覚えられる
ここでポイントになるのは、関連性のある暗記事項をまとめて覚えていくということです。
脳は、単純にたくさんの情報を互いに関係なく暗記しようとしても簡単には覚えられませんが、それがお互いに関連した内容であれば、つながりをつけて記憶していくため、楽に覚えていける特性があるようです。
たとえば、歴史の飛鳥時代であれば、
飛鳥文化ー法隆寺ー最古の木造建築ー聖徳太子ー推古天皇の摂政ー冠位十二階ー十七条憲法ー役人のきまりー小野妹子ー遣隋使ー隋
といったように連想ゲームのように、浮かんでいく情報をひとまとめにします。
これを頭の中の「箱」に入れておいて、
問題にたとえば「摂政」と出てきたら、そのワードの近隣の知識まで思い出し解答をできるようにしておくのです。
以前、暗記の天才という人の話をテレビか何かで見たことがありますが、同じようなことを言っていたのを覚えています。その方は「記憶の塊」というような言い方をされていたような気がします。
その方は更に、たとえば上述の「隋」という項目から枝を伸ばして「唐」とつなげて、今度は奈良時代の情報の塊とつなげるというような意味のことも言ってみえました。
私もまったく同感です。「箱」と「箱」が更につながりを持っていけば、情報を復活させるときに、有機的なつながりを持つ情報のまとまりを一気に想起できるので、さらに暗記力は倍増することになるでしょう。
過去に試験会場で、自分でも驚くほどたくさんのことを暗記できているなと思ったことがありますが、それはこういう形で情報の塊が有機的につながった形で「箱」に上手く収まっていたときであったと思います。
先ほどの例で言えば、このような形で10個の「箱」を作り準備しておくことで、テスト会場では問題を見て、「ああ、あの箱のあの辺りか」と思い出すことができるので、100個はおろか500個くらいでも割と簡単に記憶にとどめることができるようになります。
暗記力のある人に聞けば、意識的にやっているかどうかは別にして、多かれ少なかれこのようなグループ化による暗記をしていると答えるに違いないと思います。
ただお気づきでしょうが、この「箱」を作るためにはある程度の理解を一度してあることが必要になります。
もし全く理解が進んでいない段階だと、上述の飛鳥時代から始まる連想自体ができないので、まずそこからということになってしまいますので、短期間ではいかんともしがたくなります。
そこはやはり、普段からの学習が重要ということですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。